20. 脅しは恥だが役に立つ

 オークを一掃した──辺りの木々も一緒に一掃してしまったが──その後。

 俺は、追われていた3人の下まで歩き寄った。


「大丈夫ですか? …………害意はないので安心してください」


 三人の中で一番年長である少女は、まるで子猫を守る母猫のように俺から幼い二人を背後に隠した。今にも「シャーッ!」と聞こえてきそうな佇まいである。

 警戒するのは分かるけど、そこまでされるとちょっと傷付くんだけど……。

 ただまぁ、仕方ないといえば仕方ないか。

 いきなり現れたかと思うと瞬時にオークと罪の無い木々を薙ぎ倒していった仮面の男など、自分でも眉を舐めたくなるほど怪しいと思うし。


「ヤエツギと申します」


 警戒を解くために、まずは何気ない会話から入る。

 シャティア姫たちには既にこの仮面姿で「ヤエツギ」と名乗ってしまったので、他の偽名を名乗ってもしょうがない。新しい偽名を考えるのもなんだか面倒なので、これからこのハンカチ仮面を被るときは「ヤエツギ」と名乗ることにしよう。


「お名前をお聞きしても?」


 俺の問いかけに、少女は暫く答えずに睨みだけを返し、やがてボソリと言った。


「……オルガです」


 愛想もへったくれもない返答だった。

 むっちゃ警戒してますやん……。


 オルガと名乗った少女は俺と同じ年頃の、超絶としか形容しようがない美少女だ。

 ボブショートの黒髪は先端に紫色のメッシュが入っており、少し不思議な色合いをしている。

 大きな瞳は透き通った紫の光を反射し、肉感的で形の良い唇は桃色に色付いている。

 スラッとしていながらも女性らしい膨らみと色気が溢れている肢体は、まさに理想的と言えよう。

 服装こそボロボロだが、その一挙手一投足からは確かな気品と教養が感じられる。

 無表情がデフォルトなのか、表情に乏しいながらも、十人が見れば十人とも恋に落ちる容姿の持ち主だ。

 ただその美貌も、今は疲労と焦燥のせいか微かに陰りが見え隠れしており、緊張と警戒のせいか尖った雰囲気を纏っている。

 華奢な体は所々擦りむいた傷があり、土汚れも目立つ。

 かなり大変な目に遭ったのが一目瞭然だ。


「私は通りすがりの者です。あなたたちが魔物に襲われていると判断して助けに入りました。だから、そこまで警戒しなくても大丈夫ですよ」


 相手が警戒心MAXのせいであまりにも話が進まないため、俺はオルガたちに現状を懇切丁寧に伝えることにした。

 その甲斐あってか、彼女は俺を睨む視線を少しだけ緩めてくれた。


「あなたたちがどこから来たのか、お聞きしても?」

「……ここから東にあるネイスという村からです」

「では、どうしてこんな辺鄙な山に?」

「……村が盗賊団に襲われたので、この子たちと逃げてきました」


 なるほどね。

 ありがちな難民生成ストーリーだな。

 盗賊団に襲われた経験があるのなら、見ず知らずの男である俺を異常なまでに警戒していたのも納得だ。

 しかしそれが事実なら、そのネイスという村の生き残りはもうこの三人だけという可能性が非常に高い。

 何故なら、盗賊団は報復的討伐を免れるために、被害者や目撃者を皆殺しにする傾向があるからだ。

 死人に口無し。誰が虐殺をしたのか目撃者がいなければ犯人を探すこともできない、という寸法だ。


「……森に逃げたことで盗賊団を撒くことには成功しましたが、今度はオークたちに追われることになってしまいました。助けていただき、ありがとうございます」


 それは……なかなかに凄まじい体験だな。


 ピエラ村に住みつく前に一度、周辺調査をしたことがあるのだが、この裏山の裏側──東に広がる大森林は、広大にして無人だ。

 グリューン山脈の東に位置するため「東グリューン大森林」という正式名称があるらしいが、村の皆は「山向やまむこうの大森林」と呼んでいる。

 そこは人の手が入るどころか、あまりにも自然のまま過ぎて、人を一切寄せ付けない。

 最寄りの村であるピエラ村の住人も、村に程近い山の西側の森に入ることはあっても、山を越えて東側の大森林に入ることは滅多にない。

 村長の話では、俺以外に山を越えた者は、18年ほど前に一人いたきりだそうだ。当の本人が証言しているのだからそれは間違いないだろう。「いや〜、アン(村長の奥さん)に求婚するために、山向こうにしか咲かない珍しい花を採りに行ったんだよ〜」と、聞きたくもない当人のノロケ話を長々と聞かされたことは記憶に新しい。

 誰も寄り付かないその大森林は、兵士の駐屯すら必要ないほどに天然の国境として機能しているらしい。大森林を挟んで国境を接する東の「帝国」とこの国は敵対国同士であるにも関わらず、この森を抜けては攻め込まれたことも攻め込めたこともないと言うのだから、その堅牢さが分かるというもの。


 そんな大森林を、オルガたち3人は自力で抜けてきたのだ。

 たった三人で国境を超え、もう殆ど大森林の西端にあるこの裏山まで。

 いったい何日この森の中で彷徨ったのか。

 そして、どれだけ危険な目にあったのか。


 俺が彼女たちの壮絶な逃避行に思いを馳せていると、オルガの背後からキラキラした瞳が二対、顔を覗かせた。


「にいちゃん、すげーな!」

「おにいちゃん、すごい!」


 オルガが連れていた幼子二人である。


「俺はミュート、」

「あたしはミューナ、」

「よろしくな、にいちゃん!」

「よろしくね、おにいちゃん!」


 息がピッタリと揃った話し方である。

 多分、いや、絶対双子だ、この二人。


 ミュートは、サラサラの茶髪を短く切り揃えた元気一杯な男の子で、少し吊り気味の目尻をしている。

 一方のミューナは、同じくサラサラの茶髪を背中まで伸ばしており、その目元はミュートとは逆に垂れ気味である。

 それ以外のパーツは、形状から配置まで殆ど同じ。完全に一卵性双生児である。


 しかし、二人にはそのそっくりな容姿以上に目に付くものがあった。

 耳だ。

 先端が尖った細長い楕円形の、笹の葉状の耳。

 これは、「エルフ族」の特徴だ。



 エルフ。

 獣人族とドワーフ族と並んでファンタジーのド定番種族で、この世界ではとてもポピュラーな種族の一つだ。我がピエラ村にも何人かいる。

 確か、種族的特徴として「比較的身軽で、樹上での行動能力は猿並み」「弓と魔法が得意」「かなり長寿」「美男美女が生まれやすい」とかがあった気がする。


 ミュートとミューナの双子は、土と埃で汚れた顔を綻ばせながら俺を見上げてくる。

 目が終始キラッキラだ。


「にいちゃんは強いんだな! あの数のオークを、あんなにあっさり倒しちゃうなんて!」


 ミュートの興奮した声が辺りに響く。


「そんな大きな声を出したら、他の魔物を呼び寄せちゃいますよ」


 俺の忠告に慌てて口を押さえたミュートだが、高揚した顔は変わらない。

 ミューナも、ミュート同様かなり興奮しており、二人は口々に俺を褒め称え、その都度大声ではしゃぐ。

 相続く命の危機による過度の疲労とストレスで、一時的な躁状態に陥っているのだろう。

 このままだと、数分後には気力と体力の限界を迎えて気を失いかねない。


「二人とも、ここで体力を使い果たしたらお終いです。少し落ち着きなさい」


 オルガの制止に、双子はピタリと静かになった。

 どうやら、オルガの言うことには素直に従うらしい。


「……ヤエツギ様」


 未だ警戒が残るオルガは、勝負に出たような顔で聞いてきた。


「私たちはどこか定住できる場所を探しています。貴方さえ良ければ、を教えていただけませんか?」



 ……ふむ。

 どうやら、このオルガという少女は、なかなかに頭がいいようだ。



 今の俺は「(-_-)」みたいな奇妙な形の仮面を被った怪しい男だ。

 こんな人気のない山の中なのに、仮面を被って声まで変えている。

 そんなことをする理由など、どう考えても正体を知られたくないから、という説一択だろう。

 もし俺がなにか後ろ暗い理由──例えば誰かを殺して、死体を埋めに来たなど──でここにいるのならば、彼女たちは目撃者になる。

 後ろ暗い理由がある人間が、目撃者を自分の住んでいる村に案内するはずが無い。それどころか、確実にこの場で口封じするだろう。仮令そこまでヤバい事情でなくとも、身元を隠したい人間であるのは間違いないのだから、結局、何らかの形で彼女たちを害する確率は高い。


 今の彼女たちは、弱った子羊も同然なのだ。

 何かされても、抵抗する術すら持たない。

 だから彼女は「貴方の住む村」ではなく、あえて「近くにある村」の場所を聞いたのだ。

 それは一本の細い逃げ道となる。


 彼女の「近くにある村」を紹介して欲しいという間接的な頼みには、「自分の村に入れたくないのならばそれでも構わない」という意味が込められている。

 そして、それは同時に「ここで見たことは口外しないから、見逃してほしい」という意味も含まれている。

 これは、現状で彼女たちが口に出せる精一杯のお願いであり、最も賢いお願いなのだ。


 どうやら、彼女は俺のことを「有無を言わさず口封じをする危険人物」ではなく「多少なりとも話ができる訳あり人物」と見做しているらしい。

 だからこうして「命乞い」ではなく「お願い」をしているのだ。

 実に聡明で、実に豪胆な少女である。


「私の住む村に来ますか? 近くにありますので」


 言外に「疚しい事をしていた訳ではない」と答える。


「……貴方がいいと言うのであれば」


 探り合うような会話。

 彼女にも分かっているはずだ──仮令ここで他の村を紹介されたとしても、体力も気力も尽き果てようとしている今の彼女たちでは到底たどり着けないことを。


 俺に頼る以外に、彼女たちが生き残る術はないのだ。


 それなのに、俺の仮面から覗く瞳を真っ直ぐに凝視してくる少女のその紫色の瞳は、屈することを知らない、戦う者の光を放っていた。

 一月ほど前に出会ったとあるお姫様とその騎士団たちを彷彿とさせる、そんな瞳だった。


 面白い。

 ならば、俺も遠慮はすまい。


「ただし、条件があります」


 そう。

 タダで助けるつもりなどない。

 俺にあるのは、三つの条件と、一つのアイディア。


「……聞かせてください」


 警戒も露に尋ねるオルガ。


「その前に、あなたたちに出来る仕事を聞かせてもらえませんか? 前の村で何をしていたのかとか、特技とかでも構いません」


 俺の予想外の質問に、身構えていたオルガは一瞬だけキョトンとした。

 が、それも束の間、すぐに冷静な無表情に戻る。


「私は食用花の栽培と簡単な裁縫仕事をしていました。この二人は簡単な畑仕事と家畜の世話を」

「なるほど」


 それはなかなかに好都合である。


「では、村に案内する条件ですが──」


 3人が傾聴する中、俺は条件を提示した。


「まず、私がここで戦ったことは、誰にも秘密にしてください」

「…………?」


 不思議そうに首を傾げるオルガ。

 条件の意味がわからないだけに、余計に不気味に感じるのだろう。

 紫色の目に宿る警戒色は依然、真っ赤に光っている。


 これじゃあ話が進まないな。


 ならば、と俺は少しだけ腹を割って事情を説明する。


「普通なら魔物を撃退したと言えば一躍村の英雄になれるのでしょうが、生憎と私はそんなことは望んでいません。私の望みはたった一つ──静かに暮らすことです」


 敢えてこちらの実情と目的を明かすことで、相手に余計な警戒や猜疑心を持たせないようにする。初歩的な交渉術だ。

 海千山千の古狸が相手なら逆に骨の髄までしゃぶられる悪手だが、圧倒的優位に立っている現状ではその心配がない。

 寧ろ、少しだけこちらの弱みを見せることで、警戒しすぎて何も受け入れようとしない相手を安心させ、交渉のテーブルに着かせることが出来る。


 俺の個人事情の開示に、オルガは「半分は納得した」と言わんばかりの微妙な顔をした。

 納得していない半分は恐らく、こんな怪しい仮面男が静かに暮らしたいと言ったことだろう。

 ……ちょっと失礼じゃないかね、チミたち?


「私がこの仮面を被っているのも、声を変えているのも、すべて面倒な騒ぎに巻き込まれてしまったときに探し当てられないようにするためです。疚しい事を抱えているからではありません。再度言いますが、私はただ静かに暮らしたいだけなんです」


 オルガはやっと警戒色を少し薄め、小さく頷いて了解の意を示した。


「二つ目の条件ですが、あなたたちには私の家で私と共に暮らしてもらおうと思います」


 その一言を聞いたオルガはミューナを庇いながら一歩下がり、その手に持ったナイフよりも鋭い視線を俺に向けてきた。

 多分、俺が何かエロい悪代官みたいなことを企んでいると考えたのだろう。一度下がった警戒度が再びMAXに達し、目が真っ赤な攻撃色へと転じる。


 う〜む、どうやら金色の野に降り立つのはそう簡単ではないらしい。


「勘違いしないでください。別にいかがわしいことをするつもりはありませんから。ただ、あなたたちにやってもらいたい仕事がうちにあるだけです。勿論、その仕事というのも至極まともな類のものです。

 あとは、そうですね……あなたたちが今日のことを口外しないという約束をちゃんと守っているかどうか見張る、という意味も含まれています」

「……分かりました」


 納得も信用もしてはいないが理解はした、という語気で答えるオルガ。

 警戒心が依然MAXである。


 そろそろその目の色を警戒色の赤から青に変えてくれませんかねぇ、オルガさん。

 やっぱ酸の海に片足突っ込まなきゃ駄目かな、俺?


「最後ですが、これが最も重要なことです」


 俺の前置きに三人の緊張感が高まる。


「俺の家で見聞きしたこと、そして俺自身に関することは、全て秘密にしてください。

 少しでも外部に漏れたら……その時は、あなたたち全員を殺します」

「「「──っ!!」」」


 三対の瞳が恐怖に染まる。


「ご安心を。私は別に犯罪に手を染めているわけではありません。ただ、少し『変わったもの』や『普通じゃないところ』が多いだけです。他人から奇異な目を向けられたら穏やかに暮らせなくなりますから、それで秘密にして欲しいというだけのことです」


 誰だって精神病質者サイコパスと同棲は嫌だもんな。

 家の冷蔵庫を開けたらパック詰めされた人間の臓器晩餐の食材があったり、本棚に人間の頭蓋骨ユニークなトロフィーが飾ってあったり、地下室に監禁・拷問された人間珍しいペットが居たりとかしたら、俺だって発狂する。

 だから、これだけは明言しておかないといけない。


 俺の弁解に、三人は少しだけホッとしたが、それでも俺が明確に口にした「全員を殺す」という言葉に怯えている。


「先ほども言いましたが、私の唯一の望みは静かに暮らすことです。それさえ乱さなければ、何もするつもりはありません。家族同然……とまではいかないかも知れませんが、それなりに仲良くやっていきたいと思っています。代わりと言ってはなんですが、衣食住は全て私が持ちますので」


 かなりの好条件を出したつもりだが、オルガの視線は依然鋭いままだった。

 まるで「全員殺す」と口にした俺の真意を見定めているかのように、俺を見つめ続けている。


 しかし、今は俺の脅迫同然の要求を呑む以外に、彼女たちの助かる道はない。

 それは彼女の方がより明確に理解しているはずだ。


 オルガはゆっくりと瞼を閉じ、溜息を吐く。

 そしてミュートとミューナを振り返り、二人が頷くのを確認すると、俺に視線を戻した。


「分かりました。あなたの条件を全て飲みます」

「そうですか」


 オルガの顔は暗い。

 それは偏に俺の全員殺す宣言のせいだろう。

 だが、これはハッキリと言って置かなければならない重要事項だ。

 ちゃんと最悪の事態を招いた場合の処遇を話しておかなければ、秘密を守ることの重要性を正しく認識してもらえない可能性がある。告知義務を怠ってもいいことは何も起こらないのだ。

 それに、もし実際に俺の秘密が彼女たちの故意や不注意によって露見したら、俺は本当に彼女たちを殺すつもりである。

 以前も言ったと思うが、俺は他人のために自分の人生を掛ける気などサラサラない。他人のせいで俺に不利益が降りかかるなら、俺は躊躇なくその根源を絶ちにいく。

 そのことを彼女たちに自覚させることは、今後ともお互いのためになることだろう。


 ……とは言うものの、流石に少し脅し過ぎちゃったかな?


 こうまで怯えられると、今後の関係形成に支障をきたしてしまう。

 これからは一つ屋根の下で暮らすのだ。気まずい関係はできれば回避したい。

 自分で蒔いた種だけど、ちょっとフォローしておくか。


「まぁ、あれだよ。守秘義務のある住み込みの仕事だと思えばいいよ」


 堅苦しい敬語をやめて殊更明るくそう言ってやると、三人はちょっと驚いたように口を半開きにした。


「これから一緒に暮らしていくんだから、敬語はなしで行こうぜ。堅苦しいのは性に合わないしね」


 そう言って、俺は変声魔法を解除し、仮面を外した。


「改めて、ナインだ。『ヤエツギ』はこの仮面を被っているときだけ名乗っている、まぁ、あだ名みたいなもんだな」


 俺の素顔を見た3人は、一様にホッとしたように肩の力を抜いた。

 ……どんだけ凶悪な人相を想像していたんだよ、お前ら……。


「何だ? 仮面の下は美少年の方がよかったか? わるぅございましたねぇ、のぺっとした顔で」


 冗談めかして拗ねてみる。

 すると、オルガたちの警戒度は見る見るうちに下がっていった。


「そんなことないよ、にいちゃん! にいちゃんはカッコいいぜ!」


 真っ先に警戒心を脱ぎ捨てたのはミュートだった。


「それはどうも。それと、にいちゃん言うな。ちゃんと『ナインさん』と呼びたまへ」

「にいちゃんはにいちゃんだろ! 『ナインさん』なんて気持ちわりーよ」

「……さいですか。じゃあ、もうそれでいいよ……」


 あまりにも砕けた態度のミュートに、オルガはハラハラしていたが、俺の諦めたような容認に最後の防衛線も崩れたらしく、ホッとしたように肩の力を抜いた。

 ミューナに至っては、ひまわりのような笑顔を浮かべていた。


 ……うん、やっぱりさっきはちょっと怖がらせすぎたね。

 ごめんごめん。


「ありがとうございます。これからお世話になります、ナイン」


 そう言って、オルガは皆を代表して頭を下げた。

 どうやら、彼女の敬語は素であるらしい。


 彼女たちに関してはこの3つの条件以外にも、もう一つ「アイディア」があるのだが、それはまた後に。



 と言うわけで──

 新しい家族が、また増えました。

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