第19話《傀儡》マリヨン

春波はなぜか怯えながらダッシュで家に帰っていった。


なんだったんだ?

と、思うが、まあ用事でも入ってたんだろう。


俺はスキルを発動させ手頃なダンジョンに挑戦した。


イベントダンジョンの中級で、いつもの固定メンバーで挑戦した。


《始まり》イリベリー・ドラゴンを新たに加えた新パーティーと言ったほうが良いだろうか。





ダンジョンの1階層を攻略する。


リーダーはグローホムンクルスなので、イリベリードラゴンのリーダースキルはわかんないが、スキルであるブレスは出てきたスケルトンを2,3体まとめて倒せるくらいに強い。


今まではグローホムンクルスだけで攻略していたので効率がすごく良い。


ホムンクルスは物理で、光属性の付与がされてある鉄の剣をメインで使っているが、単体攻撃になってしまう。


なので、1体で出てきたときはホムンクルス、2体以上のときはドラゴンで分けて戦わせているのでだいぶ効率がいい。


ブレスを吐くにはほんの少しためが必要なので、敵が1体のときはホムンクルスに任せたほうが早いとわかった。



3時間ほどしてダンジョンを攻略できた。


前は4時間ぐらいかかっていたと思うのでだいぶ効率が良くなったのでは?と思う。


モンスターも多く倒せて、合計312pt入手した。


合計ptが1000に達したので、イベントガチャが回せる。


俺は、ガチャを開きイベントガチャを回す準備をした。


準備と言っても、金属のガチャカプセルが出て床が傷つかないようにするためにマットを引いて、少し片付けただけだが

準備がおわった。



イベントガチャは、1000ptで10連回せて、500回ひくと天井でS(シークレット)が1体もらえる。


シークレットの影がガチャ画面に写されているが、ぐちゃぐちゃしていて全然わかんない。


他のレア度は一応色付きで見れているが、個人的に一番欲しいのは、

《傀儡》マリヨン


これが一番欲しい。

このカードの説明を見るには、


彼女の足元から出る影に縛られた傀儡は死んでも彼女の愛から逃れれない。

死は彼女への忠誠を誓うこととなるだろう。


操る能力を何かしら持っているのだろう。





気持ちを整え、ガチャを回す。


演出が始まる。


「何この演出!?」


演出に虹色の光が演出としてでいていたのだ。


綺麗な銀色のカプセルが1つにしろが5個黒が4つだった。


黒と白のカプセルに期待をしていないので、銀色っぽいカプセルを開ける。


カプセルを開けた途端カプセルからすごい光が溢れてきた。


「あなたが新しいお兄ちゃん?」


呼び出していないのにカプセルから《傀儡》マリヨンが出てきたのだ。


「お兄ちゃんって?」


「お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ。私のお兄ちゃん。」


そう言って抱きついてきた。

膨らみはないにしても、柔らかい感触がする。

ちょっとだけ浸っていると、


「痛い痛い痛い」


「お兄ちゃ〜ん」


「痛い痛い痛い痛い」


ステータスの差で、ハグがものすごく痛い。


「ちょっと離れて!」


無理やり引き離す。


「エグッ…」


すると《傀儡》マリヨンは泣き出した。

ちょっと話についていけない。


「お兄ちゃんは私のこと嫌いなの?」


上目遣いで、こっちを見つめてくる。


「嫌いじゃないけど」


「じゃあ好きなんだね!」


さっきまでの涙はどこへ…

次はさっきのが嘘みたいな笑顔で抱きついてきた。


「痛いから強く抱きしめないでね?死んじゃうから…」


「解った…」


少し言い聞かせてホールドの力を半分まで抑えることに成功した。


半分にするだけで、30分かかった。


ログインで入手した回復薬を使い、体の痛みは取れたので良しとする。


骨は折れていないよね?



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