第18話ドラゴーン
10分が立ち、春波のスキルの発動条件が整った。
春波のからだがひかり、スキル発動が成功した。
「できたか?」
「バッチリ!」
右手でVサインをしてこっちに笑いかけてくる。
「ちょっと使ってみて」
「わかった。【獣纏】」
春波のからだがひかり、春波のからだが変形していく。
額から2本の曲がった少し短めの角が生えてきて、背中に服の膨らみが現れる。
ズボンにも膨らみができ、ズボンの足の部分から白いしっぽが出てきた。
もし半ズボン出なかったら、ズボンが破れていたかもしれない。
それはそれで面白いが、
肌の露出しているところにところどころ竜のうろこが出てきて、目が金色に変わり、猫目になった。
「終わったみたいだな」
「違和感しか無いんだけど‥でも、いつもより楽だよ。動きやすい」
春波はその場ではねたりエアボクシングをしている。
「どんな感じになっているんだ?」
「凄い!!ステータスが20倍くらいになってる!」
春波は子供のようにキャッキャとはしゃいでいる。
ステータスは数字で表されるので一気に上昇したらそりゃ嬉しいか…
「その鱗触ってもいいか?」
「いいよ」
春波の首裏にある鱗をペチペチ触る。
「ちょっとくすぐったいんだけど」
さわり心地はつるつるしていて気持ちがいい。
春波の体温が直接伝わっていて、ひんやりとしていると思っていたら、人間の体温と同じくらいの温度で、触っていて楽しい。
春波がこっちに気を取られているうちにこっそり反対の手でしっぽを掴む。
「ヒャぁ!?」
おいおい、そんな声出すなよ…悪いことをしているみたいじゃないか…
しっぽは肌と違い、ぎっちりと鱗が詰まっていて、なでたところ凸凹していてこっちはこっちで楽しい。
◆
「大切なものを失った気がする…」
「俺は楽しいものをゲットした感じがする。」
次はどんなモンスターをコピーさせようか…
猫とかもありだな…獣系もありだが、鳥系もありかもしれない。
でも今回みたいな爬虫類も捨てがたい…
「何考えてんの?」
「特になんにも。次なんのモンスターをコピーさせようかな?。。。と」
「コピーさせても触らせないから!」
春波は自分の体を守るように体を手で覆う。
「春波。写真撮って良いか?」
「1回だけだよ」
春波はサービス精神だけは良いので頼めば基本何でもやってくれる。ちょろい。
俺は春波の写真を取り、妹に送る。
妹は春波の大ファンで一緒に合わすと、春波が死ぬんじゃないのか、と思うくらいに一緒に(語弊)仲良く遊んでいる。
『ぴろりん』
「ライン来た」
春波がスマホを取り、内容を確認して一気に顔を青ざめた。
「春波、大丈夫か?」
「蒼空くん!?なんてことしてくれたの?これ!!」
春波が送られてきたラインを見してくる。
見てみると俺がさっき妹に送った画像がそのまま返ってきていた。
『どういうこと?』
『急遽明日帰ることにしたから。』
とだけ送られてきた。
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