第17話モッフモフというわけではない
「何これ蒼空くん!?」
春波は自宅防衛で買ったパソコン、SAPIを見て凄いテンションが上っている。
「パソコンだ。買った」
俺はそこにドヤ顔で返す。
「でも大きすぎない?こんなに大きいパソコンを見たのは初めてなんだけど…」
「それは俺も思う。でも、そこの扉を開けておくと部屋が涼しくなるし結構便利だぞ。」
このパソコンの冷却装置は水やファンではなく、冷房機器になっている。
そのためパソコン本体の中は涼しいし、異世界産の謎仕様のおかげで本体の中は常に20度に保たれている。
「おかえりなさい。蒼空様!」
サピが出迎えてきてくれる。
画面越しだが…
ルンバの上にスマホを置くだけでも、サピのスーパーパワーのおかげでルンバで家の中を探索したりして楽しんでいる。
パソコンの本体の中に処理機能が2つ付いているので、サイトなどは片方に任せてもう片方で自堕落な生活を送っている。
一緒にアニメを見たり、一緒にゲームしたりとか…
「蒼空くん彼女できたの?」
「いや、できてないけど…」
「まさか蒼空くんがVTuberの人と付き合っているなんて…」
「いや、だから違うって…」
「でもこれ…」
「これは俺のスキルで出したものだから違うから…」
「へ―スキル…そういえば気になってたんだよ。蒼空くんってランキング1位の人だよね?」
「違うけど?どうしたの?」
「今嘘ついたね。」
「どうしてそうなる!?」
「僕のスキルだよ。」
「チッ。そうだよ。で?」
「もうそんなに怒んないでよ。あちなみにさっきの袴だよ。」
「マジカ…騙された‥」
「蒼空くんはちょろいね」
春波は『してやったし』と言った顔で笑った。
「イケメンが…」
そうぼやく
「ん?何って言ったの?」
「何も。」
俺は手を横に振りながら、それを有耶無耶にする。
「そういう春波はどういうスキルなんだ?」
「フッフッフッ。よくぞ聞いてくれました。でも今使えないから…」
「どういうスキルなんだ?」
「僕が10分触れたの特徴をコピーできる能力だよ!」
「普通にすごくないか!?」
でも、10分も触れるのって無理じゃね?
あ、一つ方法があった。
「何体まで登録できるんだ?そういうスキルってだいたい制限があるだろ?」
「自分のレベル5つに付き一体だよ。今1レベだけど最初は1体枠が空いているみたいみたい」
「手伝ってあげようかそれ?」
「それを頼みに来たんだよ!」
「だからランキングのことを聞いて来たのか?」
「そだよ。」
「でも俺1回もモンスター倒したことないぞ」
「うぇ?」
「まあいいや。ちょっと庭に出てくれ。」
「良いよ。」
◆
俺たちは俺の家の庭に出た。
「庭に出てナニスルの蒼空くん?は!?まさか!?」
おいなんで胸元に手をおいてこっちを睨んでるんだ?
お前男だって言ってただろ!
「俺のスキルを今から使うから、ちょっと待ってろ」
俺はさっき家から出るときに取ってきた《始まり》イリベリー・ドラゴンを手に取る。
もう試しているが、武器カードを祈れば顕現するように、モンスターも顕現できるのでは?と思い、一回試したら、家の敷地内に限り、モンスターを呼び出すことができた。
そこを使って春波にはモンスターを触ってもらおうと思う。
俺は《始まり》イリベリー・ドラゴンを顕現した。
《始まり》イリベリー・ドラゴンはバトル開始にダメージを与えるが、登場したときも演出で爆風を周囲に起こす。
だから一回家で出してしまい、ヘアのものが散乱してしまったので今家の外でやっているのだ。
『ぎゅああ〜』
あくびとも受け取れるような声で《始まり》イリベリー・ドラゴンが現れた。
「なにこれかわいいんだけど!?」
「俺の出したモンスターなら、攻撃もされないし、良いんじゃないかと思ってな」
「かわいい…」
「言っておくが、ちょっとこづかれただけでお前が吹き飛ばされて運が悪ければ潰れたトマトみたいになるから気をつけろよ。」
「そ、そんなことしないよね?ドラゴンくん?」
『………』
「なんで黙るの!?」
「とりあえず部屋に戻るぞ。」
この後たくさんナデナデした。
意外とドラゴンのからだって、柔らかいところは柔らかいとわかった。
《始まり》イリベリー・ドラゴンはメスだった…
_________________
レギュラー(星)満タンで。
K-ji(@koji7110)さんの意見である獣化に近いスキルを取り入れさせていただきました。
意見ありがとうございます。
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