第15話 歪

「どのようなピアスを付けてもらったのですか?」


 興味津々なドゥ。

「オリハルコンの」

「いや、見せてください。また首輪が絞まりますよ」


 それは嫌! 急いで服を脱いで見せる。


「歪んでますね」


 ――え?


「ピアスが傾いています」

(十五度くらいかなぁ、結構傾いてるぅ)


「うそ……どうにか」

「できません。主が開けたピアスは勝手に触れません」

「開け直してもら……」

「主に契約のやり直しを求めるのですか? 専属奴隷契約は生涯の契りですが……」

(正気の沙汰じゃないよぉ、それはだめぇ!)


「私は、一生ピアス傾いたまま過ごすの!?」

「はい。乳首片方傾いてる人ですね」


「もう生きていけない……」

「ふふ、その程度のことで何を言っているのですか?」


「どうせ他人事だから、そんな……」


 唐突に乳首を見せつけてくるドゥ――

「私のを見てもまだそんな事言えますか? 酷いバランス、一本も真っ直ぐに刺さっていない。左側の横向きのピアスに至っては乳頭の先端寄りに付いているので千切れそうです。しっかり見てください、ほらぁ」

(気になって何度も何度も見たんだからぁ)


「うぅ……ごめんなさい! どう責任取れば……」

「からかっただけです。お嬢様が開けてくださったピアスですので宝物としか思っていません」


「それは建前よね……責任持って私が独占するわ!」

 はふっ! ちゅーー、カチャカチャ

「はふんっ……でも、十五歳以降でないと……」


「私のものを私が好きにして何か問題があるかしら? 私はあなたのものだから、あなたも好きにして良いわよ」

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