第14話 計画
ドゥが母と私を共有することを了承し、痛みが落ちつく。
(全く……隷属側が受け入れれば何個もピアスを付ける必要は無いというのにあなた達は……経緯は概ね理解したわ。それで、何か策はあるのかしら?)
(暗殺計画がわかったところで、事が起きていないのに拘束することは出来ない。証拠が必要。でも、証拠を見つけたところで計画を変更して暗殺は遂行されると思うの。具体的な策はまだ無くて、これから考えるところ……)
(一つずつ、潰していくしかないわ。私の死因を病死と診断した
(名前は知らない。顔を見ればわかるかもしれないけれど……)
(『読心』能力の発動要件は? 詠唱は必要?)
(勝手に流れてくる。私の意思とは関係ない。音が聞こえてくるのと同じような感じ)
(それなら……私が危篤になれば計画に関わっている医官の気分は高場するはず。あなたがその感情を読み取ることで特定はできそうね。死に至らない程度に強い毒があれば良いのだけれど……そんな都合の良い物は存在しない)
ドゥに念を飛ばす。
《死に至らない程度に強力な毒、何か知らないかしら?》
《存じませんが手には入れられます。どのような毒をお望みですか?》
《後遺症を一切残さず、三日間危篤状態になれるもの》
そんな物は存在しない――
《かしこまりました。引き出しに入れておきます》
それでも、彼女は手に入れられるのね。
(ドゥが手配してくれるわ。このピアスの素材が存在しない物だったから、もしかしたらと思って尋ねてみたら手に入るって……おそらく彼女は欲しい物を創造できる能力を持っている。三日間危篤状態になる、後遺症は残らない、そんな薬を次来るときに持ってくるわ)
(ええ。あなたに疑いを向くことがないようタイミングを見計らって飲むわ。猶予は三日、その間に必ず共犯者を特定して。一人とは限らないわ)
マリーがハッとする。
(言い忘れてたわ。あなたに付けたピアスはオリハルコン製。魔法耐性があってアンデッドの浄化もできるわよ。左側のピアスだけで十分だと思うけれど、上手に使いなさい)
――オリハルコンって伝説級の素材ですよね!?
乳首に強力な装備をしてるキャラなんてラノベにも出てこないわよ――乳首で魔法を受けたり浄化するなんて考えるだけで嫌なんですけど。
ところで『左側のピアスだけで十分』ってどういう意味かしら――
《アンオブタニウムって何か効果はあるのかしら》
《望む効果が発現します》
《なんでも?》
《ええ、望めば》
チートだ――何でもあり。世界最強の乳首だ。
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