第3話

________数分後


女の子は羽の生えた(以下天狗)女性を1人連れてどっさり着物を持って帰ってきた。

なんか、すごい楽しそうにしてる……。


『あのね〜、あのね〜、はなちゃんちゃんに合う大きさがあんまり分からなかったから、大きさが近そうなの全部持ってきちゃった〜』

と表情を変えずにそう言った。


すごく大量の着物を1枚1枚着付けられ、最終的に女の子と女性天狗は楽しそうにあれでもないこれでもないと相談しあい、可愛らしい着物を1枚貰ってしまった。


私はこの数時間ただの着せ替え人形だったが、この2人は着せ替えに満足してる様子だった。


女性天狗は口を開いた「”””さま以外の可愛い女の子に着付けさせる機会なんてなかなかないものですからつい……ごめんなさいね」と頬を赤らめながら言われた。


……すいません顔を赤らめられても困ります。


「あ、ありがとうございます…すごく助かりました……綺麗な女性(母は除く)や女の子に着付けされるとか初めての体験なので恥ずかしかったですが、ありがとうございます…(?)」


女の子は私を見てこう言う

『はなちゃんちゃんは、どこから来た人なの?』と


困った質問をされ少し戸惑いながら

「はな、は……多分未来……から、やって来たと、思う。……分かんないけど…」

そう答えた。


2人ともコテっと首を傾げた。

あぁこれは伝わらないやつだと感じ、私は言い直した。


「遠い、遠い国から来た者です。すいません…」

これなら伝わったようで、女の子はまた質問をした。


『そっか〜、じゃあ旅人さんだ〜、この国のお金を持ってないって言ってたよね〜?』


「そ、そういう事になります……」

内心私は”え、旅人とかかっけぇ!!”とか思ってたのは内緒にしておく。


『じゃあ、すぐにこの国を発つの〜?』


「……うーん、訳あって自分の故郷に帰る方法が全て経たれてしまってるので、働きながら暫く宿に泊まってその方法を探そうかなって感じなので……まだ出ませんね」

過去に行っても1番初めに働かなきゃと思う人生が1番辛いと実感してしまった。


女の子は少し考えて『そっか〜、確かこの屋敷に空き部屋ってあったよね〜?』

と女性に聞いた。

女性は”確認してまいります”とお辞儀をして部屋を出て行った。


「……そういえばみんな羽生えてる…空飛べるさじゃんいいな……」と思い出したように呟いた。

女の子はそれを聞いて『空飛べるの、羨ましいの〜?そっか〜』とだけ言ってそのまま何も言わなかった。


_______数分後


女性は帰ってきた。


女性は”空き部屋が確認できました、案内しますね”と言い、その後に女の子は

『そ〜いえば〜、この屋敷、最近人手が足りないんだってね〜。お手伝いしてくれる人が増えればいいんだけどね〜』とわざとらしく言ってる。

女性も白々しく”そうですね〜”と言う。


……この人達まさか、私の事を思って……?


私はのんびりとした口調で「わぁ〜私でよければ皆さんの為につくしますよ〜」とだけ言った。


部屋に案内され、女の子はどこかに行ってしまった。

女性がこの屋敷の仕事を教えてくれるそうだ。


現代の時間でいえば17時までみっちり教えられた。


途中頭をパンクしかけた


女性『たまに”””さまや、他の子供に呼ばれる事があります、基本は仕事よりそちらが優先ですが…分からないことがあればしばらくは他の侍女に聴くといいでしょう』

と、女の子がいた時とは違い、無表情になっていた。


恐怖を少し感じながらも平然を装い

「…そうすることにします。今のところ質問はありません」そう答えた。

もしやばくなれば誰もいないところで死ぬしかないと自分の中で覚悟を決めた。


女性はニコッと笑って『えぇ、ではとりあえず明日から、お願いします。本当に、もしも分からないことがあればすぐに聞くこと。』そう言って去っていく。


私はすることが無いので、適当に散歩をすることにした。

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