第2話 お面の娘
私はある程度そこら辺を歩いてれば人のいる所にまで来れた。
人々の来ていた服は私の知っている限りでは、平安か江戸か、その時代の人達が来てる着物…という物に見える。いや実際、そうなんだろうが。
適当におじさんに話かけた。
「す、すいません……ここ何時代ですか……撮影ですか……映画の……」
”面倒事に巻き込まれるのは御免だ”言わんばかりの雰囲気のおじさんは
『はァ??』とあまり良くない顔をし、そのまま離れて行った。
「……おいおい、参っちまうぞ……」とお手上げ状態になっていた所、声が聞こえた。
『今は江戸の世って呼ばれてるよ〜、大丈夫〜?顔色が少し良くないかも〜』
と服を引っ張られながら言われた。
下を見ると女の子がおり、お面で顔を隠してる不思議な子がいた。
「……これは優しい子がいた者だぁ…大丈夫です…いや大丈夫じゃないけど……江戸なら流石にこのお金使えないし…働かねぇといけないな……ありがとう幼き少女、私ははなちゃんと言うんだ、君のお名前は……」
私は答えてくれた人がいた事に感動してしまい、半泣き状態で言葉を発した。
女の子は面白そうにしながら
『はなちゃん?面白い名前〜、はなちゃんちゃんだね〜!”””だよ〜。はなちゃんちゃんは、こまりごと〜?』
…なぜだか、名前の方が聞けなかった。何故だろう…?気のせい、か……。
「すごく、困ってる……困りすぎてここで泣き叫びそうな勢いで困ってる……助けて女神様」
と女の子に縋りつくように言う自分が少し、いやだいぶ情けなく感じた。
『はなちゃんちゃんは変わった服を来てるし別のところから来た人なのかな〜。目立つし、”””たちのお家に連れてってあげる〜!』
と女の子が私の服をグイグイ引っ張ってる。
私はなっさけない自分の返答をして、そのままついて行くことにした。
_________天狗の里
男ばかりで、心做しかすごくその人達から嫌そうな顔をされてる気がする。
……というか、人じゃない…?鳥……?鳥の何……?あ、江戸って言ったら妖怪とかそういう類か……つまりこの子も……妖怪……??
しかし女の子は気にする様子もなく、奥の屋敷に私を引っ張って入って行く。
女の子は中に入ると口を開いた
『ごめんね〜、この里の人、仲間じゃない女の子が嫌いなんだけど……大丈夫〜!しばらくしたらみんな慣れてくれるから〜!』
そうなのか……と思いながらもやはり怖い気持ちは拭えなかった。
そしてとある部屋に連れ込まれ、女の子に
『待っててね〜』とにっこにこで部屋から出ていってしまった…。
……4畳程度の押し入れのある何も無い部屋。
女の子の帰りを私は大人しく待つことにした。
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