警察からの事情聴取(主人公視点)
僕は瑛太のお葬式の次の日、警察に呼ばれて事件当時にどこで何をしていたか聞かれていた。別に僕だけが警察に聞かれているわけではなく、瑛太に関係する人などを中心に聞いているようだ。
この事件の担当刑事2人が僕のいる部屋に入ってきた。
『なぁ、事件当時に自分はどこで何をしていたか思い出せるか?』
2人いる中の1人の、怖い顔をしている刑事が僕を覗き込むようにして質問してくる。僕はさっきからずっと、緊張などで震えている手を押さえながら、疑われないように真っ直ぐに刑事の顔をじっと見てその日にしたことを事細かに話す。
『まず高校から電車で午後4時に自宅に帰り、そこからずっと部屋に引きこもってゲームをしてました。』
刑事は僕の話を聞いた後、一瞬怖い顔を歪ませて、僕を射抜くような目で見ながら、更に質問する。
『それは証明できるのか?』
僕は一切目を逸らさず少し強めの声で
『ええ、僕の両親や友達にも確認とっていただいたり、スマホの履歴やプレイ状況を調べていただいたら分かると思います。』
と答える。刑事は2人ともその僕の言葉を聞いて、さっきまでの険しい顔を嘘のように、消し去って、途端に優しい顔になった。そして、僕を部屋から解放してくれた。
『また、情報が入ってきたら言える範囲で伝えるぞ。自分は瑛太くんの親友だったんだろ?』
僕は刑事の言葉にお礼を言って警察署から出る。
僕は 力がガチガチに入りすぎていた肩を脱力させて、小さく息を吐いた。
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