#049 アルビオン跡地にて

「よしっ。じゃあ、出発しましょう」

「本当に2人で大丈夫かしら……?」

「一応、お家のドアにギル宛ての書置きは残しておいたので……ギルが来てくれれば大丈夫なはずです」

 エンタイルさんのお家のドアにギル宛てのメッセージを貼りつけておいた。

 気を利かせて早めに僕と合流しようという殊勝なことを考えてくれれば後からきっと合流してくれるはずだ。けれどギルの方がどうなったのかは依然として分かっていない。

 もしかしたら、町に現れたあのゴーレムに不覚を取ってしまっているというのも想定はできる。ギルだからきっとない――と信じたいけれど、正直、これまで僕が戦ってきた中だと竜に次いで強かった。いや、二位がクリフォードかな。だったら三位だ。

 それが複数現れてしまったらギルでも危ないかも知れないというのが正直なところで、まして<黒迅>が復活して使えるようになったとしても、<黒轟>という万能に近い戦闘力を有した精霊器を欠いてしまっているのだ。そりゃあギル自身の高い戦闘能力が根底にあってこその強さで、精霊器に左右されるような二流ではないけれど。けれど――という感じだ。

「信頼しているのね」

「何だかんだ、ギルがいなくちゃ、何度も僕は死んでたと思いますし……」

 そう、いつかの占い師のおばあちゃんは正しかったのだ。ギルっていう強烈な生存能力を持った人と一緒に行動をしていたから、僕の薄くてはかなくて細っそい生命線がまだ途切れずにいられるのだと思う。

「エルくんがそこまで信頼を寄せているならきっと素敵な人なのね」

「……いえ、それはどうかと」

「あら?」

「さ、行きましょう」

「キュ!」

 ノインは今日も元気だ。鹿のお肉でも木の実でも、何なら葉物の野菜も、穀類も、何だって食べる。外に出ると地面を楽しそうに駆け回ったり、ふと気がついたように僕の方へ戻ってきて足から這い上がって襟巻きの中へ潜り込んできたり、自由気ままだけどしっかり僕について来てくれる。可愛くて仕方がない。この子のためなら何でもできるかも知れない。もしかして、これが母性?


 閑話休題。

 戦闘用ゴーレムがつい最近になって目覚めてしまったことにエンタイルさんは心当たりがあった。

 先日、古代遺跡の入口——あるいは壁が破れて中へ侵入できるところを彼女は偶然に発見したのだという。興味のまま内部へ入るとトラップらしいものはなかった。遺跡内は入っていった場所の近辺こそ風化が進んでいたものの、奥へ踏み入るほど古代の遺跡となる前、人が利用をしていた当時の状況に近い状態で残っていたと彼女は言う。話を聞いた限りでは古代遺跡名物の、ボスの先にある居住空間みたいな場所なのだと思う。照明があって火を使わずに室内を照らせて、椅子やら机やら本棚やらもあったっけ。

 で、そのまだ活きている空間の奥にゴーレムの培養槽みたいなものがあったようだ。骨格標本の工場か何かかとエンタイルさんは最初に思ったらしい。まあ、人骨とは微妙に違うけれど人骨に近いような全身骨格がずらっと並んでいたらそう思ってしまっても仕方がない――かな。

 ともあれ、エンタイルさんはそのゴーレム培養槽の制御装置を見つけた。普段拾い集めているスクラップではなく、まだ稼働ができる可能性があったそれを彼女はじっくりと観察し、分解と組み上げをやろうとした。だがその拍子に制御装置が稼働してしまい、ゴーレムが一体だけ出てきてしまったという。動き出したゴーレムは最初こそ攻撃的ではなかったが、好奇心でエンタイルさんが触ろうとしたら、例の黒いもやめいたものが出てきて本能的に危険を察知し、彼女は一目散に逃げだした。

 そして自宅に戻り、見つけてしまったゴーレムや、活きている古代遺跡についてまとめ始めて、その作業に没頭していたある日にそのゴーレムが現れたのだとか。そこへ僕が偶然にも鉢合わせたということだった。


「ここがその入口よ」

「よく見つけましたね……」

 案内をされたのは切り立った崖の真下であった。普通に崖の先端から下を覗き込めば遥かな下に地面を見られる。落ちればひとたまりもない。けれどぐうーっと大きく回ってちょっとずつ下りながら戻ってくれば、その切り立った崖の下にもう一段あって、そこに大人が四つん這いにならないと入れないような狭さの横穴があった。

 仮にこの横穴を見つけられたとしても、なかなか入ろうとは思えないだろう。

「実は落とし物をして、偶然ね……」

「はあ、そうなんですね……」

 ちょいちょい、思ってしまう。——エンタイルさん、実はドジ気質?

 狭い横穴を四つん這いで進む。僕やノインにはそう窮屈さを感じさせないけれど大人にはちょっと大変そうな狭さだ。ギルは後から追いつけるだろうかと少し心配をしてしまう。

 横穴をようやく這い出て立ち上がると、これまで見てきた古代遺跡のエクストラステージとは様相が異なっていた。広い空間だ。嫌らしいトラップが満載のところではなくて、遺跡の元の持ち主の居住空間であったはずなのに、まるで巨大施設である。しかしここはけっこう風化をしている。

 あらかじめ聞いていたエンタイルさんの話だとこの奥はまだ活きているらしいけれど、この規模のものがまだ動いているってすごい。そもそも動力って何だろう。電力ではないと思うけれど、魔導文明と言われるくらいだから魔力だろうか。だけど文明が滅び去ってしまうくらい過去のものなのに、それが尽きていないってどういう理屈なのか。永久機関とかあるのかな。それとも莫大すぎるエネルギー・バッテリー的な何かか。長い年月を稼働し続けることができるって途方もない技術力があったとしか思えない。

 建築の様式というものをちゃんと勉強したことはないけれど、柱の彫刻だとか、天井を支える構造なんかはやっぱり僕の知る古代遺跡と通じるところがある。けれどいわゆる宗教施設的な建築物とは思えない。宗教的な建築物——いわゆる教会であったり、寺院であったりというところでは文字が読めない人間でも何だかすごいと分かるよう神話的なエピソードになぞらえた豪奢な装飾をするのが一般的だ。その一方でここは美意識をきちんと建築に反映させているにも関わらず、宗教的なものを連想させるモチーフであったりというものが見かけられない。

「古代魔導文明って、どれくらい昔なんですか? 何百年? 何千年っていう単位ですか?」

「それもよくは分かっていないのよ。……分からないことだらけ。1000年以上は昔だろうというのが有力な説だけれど、具体的なところはさっぱりだわ」

「1000年かあ……」

 途方もない年月だけれど、きっと大地に刻まれた歴史というものはさらにその何十万、何百万、何千万倍もあるだろう。それこそ原初の生命が誕生した瞬間から、今に至るまでという長い長い年月からすると気が遠くなる程度では済まない。何だか怖くなるほどだ。

 そして今さらながら、それほどの長い時間を超えて、今の時代を生きているギルの胸中を考えてしまう。知り合いは全てが過去の人になってしまうなんて、どれだけ寂しくなってしまうのだろうか。

 いや、ちょっとだけ分かる――気もする。

 僕とて一度は死んだ身だ。生前の、エルという名前をもらったこの体になる前の友達や、先生や、色んな知り合いがいたけれど二度と会うことは叶わないのだ。また話したいと考えてしまうと無性にさみしくなるし、悲しくさせてしまったと思うと申し訳なくてたまらなくなる。

 ギルはこんな気持ちにならないんだろうか。

 今の時代に目が覚めた時は何を感じただろう。

「エルくん?」

「あっ、はい……」

「どうかしたの? 神妙な顔をして……」

「いえ……歴史って、考え始めると壮大すぎてちょっと」

「そうよね。けれど少しずつ調査して解き明かされていく過程を体験すると、素晴らしいものだって思えてくるの。お金になんてならないし、過去を知ったから何だってろくに見向きもされないことでもあるんだけどね」

「そんなことありませんよ。歴史を捨てたら未来はなくなります。どれほど悲惨な歴史があったとしても、それをきちんと知っておけば同じ過ちを辿るまいと別の方法を模索できるはずです。それがもし失敗をしても、また別の方法を選ぼうと努力すればいいだけです。そうして歴史を重ねれば、きっとより良い未来に繋がるはずです。だから歴史を軽視したらいけないと思います」

「エルくん……」

「な、なーんて……まああの、僕個人の夢見がちな考えでしかないんですけど。でも無駄なものなんて世の中にはないと思うんです。……特に学問の分野ではどんなことだって、何かになるんじゃないかなって。だから今は不遇かも知れないですけどエンタイルさんも研究、がんばってください。僕も歴史とか考古学とかって興味あるんです」

「ええ、ありがとう。……本当にあなたは、何というか……見識が広くてすごいのね。ちょっと自信なくしそう」

「いえ、僕もまだまだ知らないことばかりですから、エンタイルさんにも色んなこと教えてもらいたいなって思ってるんです。……先に行きましょう。ゴーレムが出てきたっていう場所を早く突き止めて何か手を打たないと」

「そうね」


 奥へ進むほど元の姿に戻ってきていた。

 しかし不思議なのは、この遺跡が一体何なのかというところだ。ギルが言うには大昔はこの辺りは海だったという。地形変動でこうして地上に隆起してできた土地なんだろうとは思うけど、だったら当時、海の底にこんな施設を築いたということになってしまう。絶対におかしい。しかもゴーレムの製造工場だ。身を潜めて悪いことをしたいという人の考えであるならば、魔導士を相互監視させるためのアルビオンなんていうものの近くには――いや、あれ、あれれ?

 海の底にこんなものを作ったというのは確かに考えづらい。

 だったら、一度沈んで、それから地形変動なんかで海から地上に置き換えられたというのはどうだろう。

 つまりここは、アルビオン。

 かつて魔導士が集っていたという失われた魔導士の街。ゴーレム工場なんて、ごろごろありそう。街だってギルが言っていたから、この大きな規模というのも頷ける。

 しかしこの考察をどうエンタイルさんに伝えるかだ。実は書類上のお兄ちゃんが古代人で、片言節句に色々聞き及んでいました、なんてちょっと言いづらい。もし騒ぎ立てちゃって大きなことになっちゃったらギルにまで迷惑がかかっちゃいそうだし。

 アルビオンかあ。

 海の上に都市を作っちゃうなんて技術力は相当あったんだろうなあ。過去にそれほどの高い技術力を持っていたなんてロマンでしかない。

 魔導士という人はギル曰く、かなり利己的で偏屈な研究者みたいな感じだし、手記から何となく人柄を窺い知れるサルヴァスさんもかなーり大変そうな感じでもあったし、そういった人ばかりが集まって健全な都市なんて作れるんだろうか。逆に合理的すぎて都市の運営も楽ちんだったりするんだろうか。ギルはそういうところへの興味とかきっとないんだろうな。尋ねても無駄か。

 しかしそうなるとどんどん気になってきてしまう。

 魔導士の集った都というのは分かるけれど、じゃあその都市というのはどういう統治だったんだろう。都市国家としてほとんど独立して政が行われていたのか、それとも荘園制でアルソナ帝国のように領主がいたりしたのか。

 仮に誰かが治めていたとして、曲者揃い疑惑のある魔導士を束ねられる人ってどんな人物だろうかとも思う。

 人格者か、あるいはその正反対な人かな。

 アルビオンが丸ごとここで放置されているのなら、色んなことが分かるのかも知れない。というか、ギルの時代が滅びてしまった原因も分かるかも知れないのではないか。これってすごい手がかりだ。


「エルくん、あそこよ」

 天井が崩れて瓦礫の上に土やら埃やらが被ってしまっているところを乗り越え、何度か通路を曲がって、扉がひしゃげているところを見つけたらエンタイルさんが声を潜めて教えてくれた。何かの衝撃で圧がかかって扉が歪んで隙間が生まれているような感じだ。

「軽く大冒険ですね、すでにここまでで……」

「我ながらよく来られたって思うわ。でもこういうのも楽しいのよね」

「ここも言っちゃえば古代遺跡なのかもですけど、罠みたいのは特にありませんしね……」

 仮にここにも他の古代遺跡のようにトラップが仕掛けられてしまっていたのだとすれば、とてつもなく危険なのではないかというのは想像に易い。だって魔導士達の総本山も同様の場所なのだから、それこそ魔導文明というものの粋を集めたものになりうるだろう。それって想像したくないくらい厳重なはずだ。

「でもゴーレムはいたわ……」

「はい。慎重に行きましょう。何かあったら大変なので、僕の後ろから離れないでください」

 <ルシオラ>を抜いて握りながら、そっと扉の隙間から中を覗く。

 工場というよりも、気味の悪い品を飾った博物館のように見えた。薄紫色の液体で満たされた無数の円柱型の水槽があって、その中に僕がかろうじて仕留められたゴーレムが入れられている。水槽の上下には金属の機械めいたもの。そんなものがずらりと並べられている。100や200では済まない数だ。空っぽの水槽もいくつかある。

 この光景も圧巻だけれど、個人的に驚いてしまうのは天井に設置されている照明だ。蛍光灯とも違うけれど、しっかりした明かりだ。一部は消えてしまってるようだけれど白く発行してフロアを照らす光が満ちている。電球ではないっぽい。光を発する媒介になっているものは何なんだろう。魔術だろうとは思うけれど。いやいや、今はそっちじゃなかった。

「ゴーレムを停止させる方法があればいいんですけど……どこをいじったら、ゴーレムが出てきたんですか?」

「あそこの、あの変なやつよ」

「これ? ですか?」

 中に入ってみたけれどゴーレムが出てくる気配はない。

 エンタイルさんに指差されたのは大人の腰より少し上ほどの高さの操作盤みたいなものだった。一本足でつらっと鎮座していて、キーボードのような文字が書かれた無数のボタンを寄せ集めたパネルがある。文字は現代のものじゃない。古代語だ。モニターはないのかと周りを見てみるけれどそれらしいものは見当たらない。

「下手に触ったらまたゴーレムが……気をつけて」

「多分、大丈夫ですよ」

 そっとパネルの1つに触れる。ボタンのように押すことはできないけれど、やさしく指の腹でなぞった瞬間、パネル全体がうっすらと発光した。同時にパネルの前にいきなり半透明のウインドウみたいなものが表示される。いくつもの窓が重なり合うように開いて、それぞれが勝手にスクロールされていく。やっぱりこれがここの制御盤なんだろう。

「ちょ、ちょっと、エルくん、これ、大丈夫っ? 本当に大丈夫なのっ?」

「大丈夫です、大丈夫です」

 軽くパニクっているエンタイルさんを落ち着けるべく、良い子で肩に乗っていたノインを渡しておいた。

「とりあえず、順番に片づけないと……」

 こいつもパソコンみたいなものならば不要な窓は閉じて、必要なものだけ並べればいいのだ。コマンドで動いたりするんだろうか。ヘルプコマンドがあればいいんだけど。というか、マウスなし? カーソルらしいものも見えないけれどこれどうすればいいんだろうか。キーパッドを眺め、ふと、右下のところに何も文字の記載もなく、しかもやたらに広いスペースを占めているところを見つけた。そこをそっと、右から左へと指先でなぞってみる。窓の一つが僕の指の動きに連動して動く。トラックパッド的なものだ。ビンゴ。

 コツを掴めば直感的に操作はできた。下手に窓を閉じて何か大事なものが動かなくなってしまっては困ると思って、余計と思うものだけ左右へどけていく。

 そうして残ったのはゴーレムの3Dオブジェクトがゆっくりと回転している窓だ。オブジェクトの右側に埋め込みのテキストボックスめいたものがあって、その中の文字列がゆっくり自動でスクロールされている。恐らく、何らかの情報を示しているのだと思う。

 残した画面そのものをスクロールしながらどこかに何か手がかりがないかとじっくり見ていって、古代語で稼働中とでも読めそうな単語を見つけた。

 状態とかっていう単語もある。恐らくはゴーレムが稼働している最中であるということ——のはず。ならば近くに停止させるためのボタンなり何なりある。

「……エンタイルさん、何か、止めるとか、停止とか、そういうニュアンスの単語があったら教えてください。僕も探してるんですけど、いかんせんまだ勉強が追いついていなくて……」

「え、ええ……。でもあなたも十分、理解していそうだけど……」

「まだまだなんです……。本当に勉強しなきゃって思うことだらけで……。1つ新しいことが分かると同時に5つは謎が増えるみたいな」

「分かるわ、そういうの……。でもそんなこと人に言うと難儀な人みたいなこと思われて」

「そう、そうなんですよね……」

「あ、エルくん、そこ! これ、古代の言葉で終わりで意味する言葉よ」

「これですか?」

 エンタイルさんの教えてくれた単語が赤いボタンになっている。UIデザインというものを考えると、赤は危険を知らせる色として用いられるはず。あるいは警告の色だろう。赤信号と同じ。そして終わりを意味する言葉であるならば、きっと、これが停止のためのボタン。でもゴーレムの停止ボタンなのかどうかまで、ちょっと確信を持てない。

 とりあえず、押してみた。

 確認らしいメッセージボックスが出てくるけど、続行する。

 再びたくさんの窓がたくさん出てきて、上から下へとがんがん文章がスクロールしていく。同時にフロアの照明が落ちて、かと思ったら赤いランプめいた光が明滅し始める。

「な、何、何なのこれ? だ、大丈夫? なのよね? ねっ?」

「やっべ、違うの押したかも……」

「エルくん!?」

「キキュ!」

 とにかく分かる単語が1つでもないかとガンガン出てくる窓に目を通していく。

「……情報……何とかの何とかかんとか……壊す……?」

「ええと……秘密、ために……守る……?」

 最後に表示されたメッセージの読めるところだけ読んだら、エンタイルさんも同じような感じに難しい顔をして読み上げる。

 お互い分からないところを読めたっぽい。

 つまり、合わせると――

「情報機密を守るために壊します?」

「そうね、そういう意味よ」

「やった読めた!」

「ええっ!」

「キキュゥ?」

 喜びでエンタイルさんと抱き合ったら、間に挟まれる形になったノインが「それでいいの?」みたいな雰囲気で僕を見て疑わしそうに鳴く。

「ご、ゴーレムを壊しますって意味かも……」

「あら? でも……今の意味だと、ここの単語、浮いてないかしら? 体言のようだけれど」

「……うーんと、どこかで見たかも」

 荷物を下ろして古代語の単語帳を取り出してめくる。

「あった! 意味は、施設、です」

「つまり、情報機密を守るために施設を壊します?」

「ですね」

「そう。じゃあここは壊れて、もうゴーレムが出てくることはないっていうことよね?」

「はい、これで一件落着——」

 そんなはずがないのに、目を逸らしたいばかりに無意味な時間を費やしてしまったことを悔やんだのは奥の方で爆発が起きて、その熱波に吹っ飛ばされて全身に熱を感じた瞬間だった。

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