第44話 包み焼きハンバーグ

地元じゃ滅多になかったこの店も


今はすっかり馴染みの店になったのさ



誕生日の御馳走だったあの味が


すっかりちょっとしたおでかけランチの味になったのさ




「いただきます」


手を合わせる



あの頃は思いもしなかった


特別な味だと思って噛みしめていた包み焼きハンバーグ





あんなに落ち込んでいたことも


割りばしが奇跡的に一切切り込みがないなんてレアな出来事に遭遇して



あんなに意地を張ってた強がりも


ちょっと苦手なじゃがいものはずが今回のじゃがバターの味がとてもおいしくて



「ごちそうさま」


手を合わせたら




気づけばほんの少し気持ちは軽くなっているのだから



不思議なんだ




不思議なごはん




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