第25話 心拍数

君はどんな思いで聞いていたのだろう


たぶんきっと、こんなに早いとは思わなかったよね


たぶんきっと、深くは考えてなかったんだろうな



本来なら絶対知ることのなかった君の秘密をといて


僕はこの曲を知ったんだ




僕らの時がとまった秋


君の痛みが知りたかった


君の気持ちが知りたかった


もう聞けなくなったのに




あれから僕らは進めただろうか


未だこのメロディに手を止めるんだ


聴こえるはずのない声に耳を傾けるように





とりあえずまだ生きることはやめてはいけないと、それだけわかったよ


こんな泣き顔で会いになんていったら叩き返されそうだから


笑えないうちはまだそっちにはいけないね


もうすこし




もうすこし


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