第5話 やんっ♡ ダメよ、ダメダメ、そんなトコ!( •᷄ὤ•᷅)

 「サンでイクわよ! イチ、ニ、せーの、サンっ!」

 

 ドン! ドン! ドドン!!


 二人は凄い勢いで私の背中を叩き出した。


「んあっ! 強い! 激しい! そんなにされたら私壊れちゃうっ! あ、イクっ!!」


 自分でも何を言っているのか良くわからなかったけど、どうやらタマタマはしかるべき所に収まったみたい・・・。


 プレゼンも無事終わり、私は職場のレストスペースで缶コーヒーを飲みながら、モモちゃんに事の顛末を説明したわ。


「やらかしましたね、パイセン」

「んあっ!? 私、また房井クンに軽蔑されちゃったかしら?」

「さあ? ところでそのパイセンの『んあ』って口グセ。どっかで聞いたコトあるんス」

「な、な、なんのコトかしら?」


 なんなのモモちゃん。まさかアナタ!? 


 ゴマかし紛れにポケットからおやつのオレンジを取り出すと、飲み干したコーヒーの上にちょこんと置イタの。


「モモちゃん、これなんだと思う?」

「そんなの自分で説明して下さい」

「アルミ缶の上にあるミ・カ・ン?」

「みかんパイセン、それグモンっす」

「んあ? 凸 (-"- ) 」

「ひっ! サーセンっ!!」



*モモ語の解説だヨ♡

「アリ」=早い。

「ブルズアイ」=正解。

「デリ」=デリシャスの略。

「激エモ」=すごくイイ。

「デリデリ」=デリの上級形。

「スタブ」=ぴったり。

「アキバ」=開きっぱなし。

「リブド」=安心した。

「グモン」=愚問の意味もあるらしい。

「サーセン」=すみませんでした。




 ぐいっ

 たらたら

 じゅわじゅわ

 ぷしゃあ


「んあっ!」


 うぅ、きもちイイ。

 コレだからコレだけはヤめられナイ。


 シャーっ


 ココは私のお姉ちゃん『里山さとやまれおん』の住む高級マンションのバスルーム。私の住んでる女子寮の狭いユニットバスと違って、広くてキモチいいマッサージ・シャワーやジャグジーがついてるのよね。今日は仕事終わりに甥っ子のダイちゃんに会いにキタの。ダイちゃんは小学2年生。きゅんきゅんシちゃうくらい可愛くてシカタがナイの。


「こちょこちょ」

「んあっ!?」

「へへぇ、相変わらず良いケツしてんじゃねぇかよ、おネエちゃん?」

「あら、ダイちゃん! いつの間に? ダメでしょ、勝手に入ってキちゃあ!!」

「だって、ママがみっちゃんに洗ってキてもらいなさいってゆーんだもん」

「そうなの? シカタがないわねぇ。じゃあ、洗ってアゲるからこっち向いて」

「はーい。オラオラ、しゃぶるんだよこのメス豚が」


 ぺちっ


「めっ! ダイちゃん、ダメでしょ、そんな言葉遣い! どこでそんなの覚えてクルの?」

「マンガだよ。ママが良く読んだままリビングにほったらかしてる」

「お姉ちゃんったらしょーがナイなぁ。教育方針ナってナイ!」



 ふふふふふ

 だらぁ


 これだから成人男子向けコミックスはヤめられナイ。

 さぁて、今週号のユウ君はアイちゃんとドンなプレイをシちゃうのかなー。


「コトッ」


 あら、ナニか落ちたわ。コレ、みかんのスマホ? 新しいiPhoneにシたんだわ。アノ子、イイ会社でイイお給料イッパイ貰ってるらしいからコンナの買えちゃうのよね。どれどれアノ子、どんなサイト見てるのかしら?


「ヘイ尻、私の検索履歴を表示」

「みかんさんの検索履歴を表示します」


 え? ナンでアタシ『れおん』がみかんのスマホを見られるかって? 実はアタシとみかん、顔立ちが双子みたいにソックリなのよね。だからカンタンにカオ識別ロックもクリア出来るの。ついでに声も似てるから、音声認識だってロック外せるわ。


「どれどれ。ん? 『フィフティフィフティ』ってナンだろ? やだコレ、チャットレディのサイトじゃない。えーっ! みかんってば、こんなトコでバイトしてるんだぁ。イケない子だなー。なになに、『ノン・アダルト』って事はヤらしい事とかはヤラナイのね。ふーん。それにこの『フロレンス魔戦記』って、確か今流行ってるゲームだわ。ふふーん、『オレンジパイ』ってのがみかんのアバター名なのね。課金すると強くなれるアイテムが買えるシステムなんだ。ナニナニ、みかんのブログに『限定レア・アイテムのマジカル・ジューシー・ステッキがホシい』って書いてあるけど、値段を見たら驚くほど高いのね。これじゃあ、本業の他にバイトをするワケだわ。あ、ログインパスワード盗んじゃお♡」


 *作者注:これは法に触れる行為です。よいこはマネしないでね。


「ねえ、みっちゃん」

「ナニ、ダイちゃん?」

「いつもみたいにおっぱい触らせて」

「んー、どうしようかなー。そうだ! ダイちゃんが嫌いなピーマン全部食べるって約束出来たらシテもイイわよ」

「ウン! 約束する! でへへぇ、ぶちゅう」


 んあっ!


 やんっ♡ダメよダメダメそんなトコ!

 このコ、子供のクセにウマいのよね。

 私の╳╳╳、カンジやすいんだからっ!!

 これ以上ヤられたらもう私・・・。


「ハイ、もうオシマイ!」

「ちぇ、みっちゃんのケチー」

「ダイちゃんはもうオオキいんだから、そろそろおっぱい離れしなくちゃね」

「だってアッコちゃんのおっぱい、なかなか大きくならないんだもん」

「やだ、アッコちゃんとそんなコトをシているの?」

「大丈夫だよ。ボクたち、しょーらいケッコンするって約束シてるから」

「ふふっ、ダイちゃんには素敵な幼なじみがいるんだもんね」



 ピロピロリン♪


 あっ、ヤバい! 誰かからライン来た。既読にならないように処理シよう。


「ヘイ尻、私の検索履歴を消去」

「みかんさんの検索履歴を消去します」

「ママー!」


 っ! こそっ・・・


「あ、あら大地、みかんおばさんにちゃんと洗ってもらった?」

「ウン! そしたら僕のぞーさんがね、なんだかカチカチになっちゃった」

「まあ、ソレはヨかったわねぇ」

「ヨクないよ、お姉ちゃんっ!! いつまでダイちゃんにあんなコトさせてる気?」

「ねぇみかん? 性教育って小さい頃からシておかいないとイケないのよ」

「そうなの?」

「大地にはステキなガールフレンドがいるじゃない? 間違いが起こらない様にスル為にはコレが一番大切なのよ」

「そうなんだ」

「アナタ、そんなカタいコトばっか言ってるから、いつもカレシにフられちゃうのよ」

「ぐさっ」

「ママ、それは言っちゃイケないセリフだよ」

「そうだったわね、ごめんごめん。今日はみかんの好きなスーパー・デラックス・トマト・バジル特大ピザ注文シタから許して」

「ふーんだ! お姉ちゃんだってダンナに浮気されて離婚シて、慰謝料と養育費イッパイ貰ってるクセに!!」

「ぐさっ」

「みっちゃん、それも言っちゃイケないセリフだよ?」

「・・・・・」

「しかもパパの浮気相手って男の人だったんだから」

「ぐさぐさ」

「ダイちゃん、それが一番言っちゃイケないセリフだよ!」

「ごめんなさい、もうしません」

「それ何度目? 今度イったらダイちゃんの嫌いなピーマン、おクチにイッパイ詰め込んじゃうからネっ!」

「お許し下さいっ! 女王さまぁ!!」




 プププププ


「あ、キタキタ。あら、お初の人だわ。ウレシ♡」


 カチャカチャとオンラインチャットのメッセージをタイピングする私。


「初めまして、まことさん」

「こちらこそ初めまして、みかんさん」


 ふふふふふ


 まさかみかん、この『まこと』って相手がこのアタシ『れおん』だとは、よもや気が付かないコトでしょうねぇ。こないだネットでポチったボイスチェンジャー使っちゃお♡


 カチャカチャ


「みかんさんって、とても素敵な方ですね」

「ありがとうございます、まことさん」

「失礼は承知の上なんですけど、2ショットでボイスチャットしてもよろしいでしょうか?」


 まあ、イキなりグイグイ来るわね。どうシようかしら? 2ショでボイチャだとイリもイイしなぁ。それにこないだ武器屋さんで見つけた限定レア・アイテム『マジカル・ジューシー・ステッキ』買うのにポイント追加課金シなきゃだし。ええい、ヤっちゃえ!


「ヨろしいですよ、まことさん」

「それでは」


 ポチ


「あー、テステス。聞こえマスか?」

「キこえてマスよ、まことさん。とってもイイ声してらっしゃるのね」

「そうですか? そんな事イわれたのは初めてです。みかんさんもイイ声出してもらえますか?」


 んあ?


 いくらなんでもグイグイ来すぎじゃないかしら、このヒト。でもこのチャット業界ってライバル競争ハゲシいのよね。一人でも多くの常連さんを捕まえておかないと、『フロレンス魔戦記』で憧れのジョッシュ様とパーティ組めなくなっちゃうし。


「アハ〜ん。これでイイですか?」

「なんだか演技のニオイがします。もっと本気でヤって下さい」

「ほ、本気ですか? それではまことさん、何かヤらしい事をイってくれますか?」

「オラオラ、しゃぶるんだよこのメス豚が」


 んあ? これ、どっかで聞いたコトあるセリフなんだけどなあ・・・

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