抗体検査、イン、アメリカ
まずはアメリカで行われた抗体検査についてお話ししましょう。
アメリカはカルフォルニア州のサンタクララという都市で、二〇二〇年四月初めに3,330人の血液に含まれる新型コロナウィルスの抗体の有無を検査しました[12]。そのうち50人には抗体が見られ、推定として人口の1.3%から4.7%が以前感染したと考えられました[12]。
これは数にするとサンタクララでは25,000人から91,000人が四月初めの時点で感染を経験しているということになり、報告されている感染者数956人の26倍から95倍にもあたります[12]。
こちらの基準で行くならば、先程の27倍というのは少ない方に当たるようです。
しかし、この解析方法は抗体検査の精度(98.1%から100%)が考慮されてないと指摘され、別の数式を使った解析では感染されている人口の割合は当初の予想よりも低い、0.27%から3.21%ではないかとしています[13]。
となれば実際に感染したサンタクララの人口は5000人から65000人と、報告数の5から65倍に納まると考えられます[13]。
いや、どちらの予想にしても多いがな! と思いの方もいるかと思います。
全く同感です。
先程の
神は細部に宿るのならば、研究者はその細部の神までも解剖し解析したがる生き物なのであります。
少なくとも私はそうです。
なので本音では、多いがな! 細かいがな! いいぞもっとやれ! という感じです。
そしてそのご要望に応えるという訳ではないのですが、アメリカでは他にもニューヨーク州にて15,101人を対象とした、かなり大規模な抗体検査を行った研究があります[17]。二十六の地域に位置する九十九ものスーパーで血液サンプルを採取し新型コロナウィルスに対する抗体の有無を調べることで、二〇二〇年三月末にニューヨーク州で実際に感染した人口の割合などを計算しました[17]。
結果として、ニューヨーク州の住人のおよそ14.0%、約2,139,300人が新型コロナウィルスの感染を経験し、抗体を持っていると推測されました[17]。
州の人口の43.3%が集結されているニューヨーク市でも、人口の22.7%でした[17]。
三月末の時点でニューヨーク州で報告されていた感染者は189,383人であり、上記の推定総感染者数の8.9%となります[17]。
言い換えれば、確認されている感染者数の10倍以上の隠れた感染者人口の存在を指し示しています。
ニューヨークではサンタクララや
把握しきれていない感染者は検査に引っ掛かる一人に対し9人と、27倍に比べれば少なめです。
ですが感染したとされている人口の割合が州で14.0%、ニューヨーク市では更に高い22.7%と今までで一番の数値です[17]。
逆にサンタクララでは高い確率が見逃されていたとされているものの、多くても感染したのは人口の3.21%[13]か4.7%[12]とニューヨークよりも全然少ないです。
感染者数が多いからと言って検査体制が感染者が少ない地域と比べて追い付かないような状況になるという訳ではないのでしょうか。
しかしこうなると見逃されている感染者の割合の最高値と、最高で人口のどのくらいの割合が感染したという研究が挙がっているのかが気になりますよね。
少なくとも私は気になります!
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