再感染、次なる疑問
さて、再感染として有力な二件の症例が見つかりました。
断言するには早いものの、新型コロナウィルスは再感染しうるウィルスだという推察は現時点でいっても問題ではないでしょう。
人にとってはこれだけでもかなり衝撃的な事実であるということ、お察しします。
粗方、
「再感染は起こっている。
集団免疫は期待できない。
もう、終わりだ!」
とお思いの人もいるかもしれません。
絶望するでないよ、諸君。
あれですよ、あれ。
「まだあわてるような時間じゃない」
失笑が聞こえたところで話を戻しましょう。
再感染が起きているとしても、まだその影響力は分かっていません。
再感染の頻度、再感染者はウィルスを他者に移すことができるのか、症状の重さ、違いが出た場合何が原因なのか、記録された症例は稀であるのか、それとも今後は劇的に再感染者が増えるのか。
再感染者の有無という一つの疑問が解ける事で、更なる疑問が浮かんできます。
この疑問の連鎖というのも、研究の特徴の一つであります。
そして確実な答えではありませんが、ここで一つ、新たなる問いに挑戦してみた論文を紹介しましょう。
カタールの研究では延べ十三万三千二百六十六人分新型コロナウィルス感染者のPCR検査から時系列的に陽性、陰性、陽性と再感染が疑われるケースを統計して、再感染の頻度を割り出そうとしました[26]。
その中から二百四十三件疑わしいものが出てきました[26]。更に一度目の感染から経過した日数などから総合的に疑わしい度合いを四段階に分けると、再感染の可能性が高い、或いは特に高いものは五十四件、つまり把握されている感染者数の0.04パーセントでした[26]。
アイスランドからは千二百人以上の感染者の血液検査を感染から四ヶ月後に行ったところ、91.1パーセントの人達が新型コロナウィルスに対して有効な抗体を保持していることが分かりました[27]。
つまり獲得免疫は得られており、少なくとも四ヵ月間はほとんどの元感染者が持ち続けていたということです。
まだまだ研究は必要な案件ではありますが、先駆けとしてはどちらも満足な解析ができている研究です。このかなり低い再感染率や獲得免疫の続く期間について肯定されるのか、覆されるのか、これからもっとこういう論文が発表するまで分かりません。
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