センス
ピロン…。ふとガラケーから通知音がなった。
恐る恐る開いてみると〇〇君からメールが。
〇〇ちゃんヘ今度一緒に水族館に行きませんか?
え?嘘でしょ!?
正直我が目を疑ったのだが、程なくして狂喜乱舞してしまった。
ついに大きく進展してきた!!
今から着ていく服を決めなきゃ。
という訳でお気に入りの虹色ワンピースに黒ズボンを着た。
とりあえず妹分と弟分にみせてこよ!!!
彼ら彼女らなら正直に言ってくれるに違いない。
おばさんの家は近くだし。香水を買ってくるついでによっていこう。
そして公園の前に差し掛かったときだ。
妹分と弟分が居たのだ。
「おねーちゃんだあああ!」
Aちゃんが大はしゃぎで寄ってくる。
「Aちゃん、Y君、M君、T君、K君、この服似合ってるかな?」
わたしがワンピースの裾を掴んでみんなに笑いかけてみた。
「なんていうか、ハデだね」
Y君の一言が胸にグサリと来る。
「ひょっとしてすきなひとにあいにいくの〜」
Aちゃんが天使のようなスマイルで問いかけてくる。
「もちろんだよ」
わたしがそう答えるとT君が驚いて大声で
「想い人と逢い引きか⁉」
と言った。わたしは慌てて
「こら、T君声が大きい!!」
と彼をなんとか落ち着かせる。
「何処で想い人と逢い引きするのだ?逢坂の関所か?」
それを聞いたM君も目をキラキラに輝かせて話に乗ってくる。
逢坂の関所ではないよ。流石にね。て言うか何時の時代よ?
「カレシさん出来たんですね!」
K君が笑顔で祝福する。あのねまだカレカノの関係じゃないからね、
「カレシだカレシだあ!」
超恥ずかしい事を叫びながら妹分がぴょんぴょん飛び跳ねる。
ああ我が妹分と弟分よ、ガムテープがあればその口を貼り付けてやりたい。
「なんていうかなあ、その着物、色重ねが少しおかしいのではないか?」
M君が小さく笑いながらワンピースをジロジロ見る。
グッサア…。M君酷い。
「ああ確かに。色重ねもおかしいし、全体的にもおかしいな。」
グッサアアアア…。T君酷い。
そしたら周りの人がわたしを見てヒソヒソと何かを言っている。
話の内容は
「あの子おかしくない?」「本当だ〜センスなさすぎ〜」
グッサアアアアアアアアアアアアアアアア!
穴があったら入りたい限りです。
愛おしいあなたへ NAZUNA @2004NAZUNA
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