もどかしい気持ち

休みの日わたしは叔母の家に遊びに来ていた。

案の定あの子達も遊びに来ていた。

わたしの妹分…Aちゃん(仮名)は今日6歳の誕生日を迎える。

わたしの弟分…Y君(仮名)6歳、剣道を習っている。

       K君(仮名)8歳、剣道を習っている。

    

       M君(仮名)11歳、剣道をやっている。


       T君(仮名)11歳、剣道をやっている。


「はあ…」

わたしがため息をつくとAちゃんがわたしの顔を覗き込みながら

「おねーちゃん、どうしたの?」

その透き通るような茶色い綺麗な瞳に自分の心中を見透かされたかのような気がした。

「恋か?」

M君が何もかもお見通しだよと言うような感じで言った。

「ええ〜なんで分かったの!?」

わたしが素っ頓狂な声を上げると彼は完璧なまでに整った顔を少し崩しながら

「なんとなくな。」

と言った。見透かされた!?

「想い人はどんな人だ?」

この話を聞いたT君が話題に乗っかってきた。

切れ長の目を楽しそうに細める彼にわたしはしぶしぶ話すことにしたのだった。


中学校への行き方を聞かれたこと


彼が転校生だったこと


席が隣だったこと


話し終えてから二人とも楽しそうに笑いながら

「「お互い思い合っているのではないか?」」

と言っていた。

まあM君、T君と出会った頃は小柄で細いからてっきり小学中学年くらいだと思っていたけれど二人とも11歳。

この年頃だと異性を意識し始める頃だろう、だからこういう話に敏感なのかな。

「ちょっと冗談でしょ!?M君もT君も両想いだと思っているの!?」

「「ああもちろん」」

二人は当然と言うように頷いた。

「想い人に直接好きだと伝えたらどうだ?」

M君がとんでもないことを言う。

「それが出来たら苦労しないわよ!!」

我が弟分よ、サラッととんでもないことを言ってくれるな。

ふとT君が遠い目をしてポツリと言った。

「自分にも想い人が居るが恐ろしくて本心を言えない。」

「自分もTと同じだ」

M君がポツリと呟いた。

わたしはつい気になって

「二人の想い人って誰なの?」

と聞いてみたのだけれど

「「ひ・み・つ」」

と言っただけだった。

我が弟分よ人に聞いておいて自分は教えないとか卑怯過ぎないか!?


二人の気持ちはよく分かるよ。わたしだって恐ろしくて彼に本心を明かせないもの。

もし両想いじゃなかったのならって。


ああどうしようもなくもどかしい。

わたしがもっと積極的なら。

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