第78話 あんまり教育上よろしくない話ではあるが……これも商売というものです
***今話はちょっぴりアダルトです、あしからず***
おれは目下プレゼンの最中である。
どこで?だれに?
盗賊のアジトで盗賊の頭領及びオークの村長の3人で(取り巻き除く)
「で? お前さんがおれたちのもめ事を解決してくれる『商人』様であると?」
別件だが、あの時おれたちを襲ってきた盗賊10名はすでに救出された模様。
自業自得とはいえ、後味悪いのは遠慮したかったからね。今更だが……
今回の主目標は以下の3点である。
・オークの『性欲』の解消
・盗賊の稼ぎとなる手段の獲得と盗賊から足を洗わせ、配下としてこき使えるようにすること
・おれ自身の稼ぎを増やすこと
「ああ、まずこれを見てくれ」
商人としておれがまず用意したもの……
「な、なんだ!これは?」
『ご、ご主人さま……おはようございます』
見た目はメイド服を纏った美少女である。
なにを隠そう、彼女は前世でいうところの『ダッチワイフ』
通販で見つけた、1体あたり10万円もした高級タイプ……とういうわけでもないのだが、なぜかこの世界に呼び出されると、その性能は格段にアップされる。
外見はほぼ人間、中身は人工知能搭載型の機能特化型のエロい娘である。
そして、なんと驚くことなかれ!
・使用後の自動クリーニング機能付き
・相手の放出した『精』を自動的に劣化無しでため込んで置ける機能付き
「こ、これは…… ひょっとして……ゴーレムなのか?」
「ああ、そういうもんだと思ってくれていい。それも男相手専用の美少女ゴーレムさ」
「あんた、これをどうしようってんだ?」
その疑問はもっともである。
そこで一つ説明を加えておこう。
『この世界のオークの精は、高級回復薬、精力剤の原料となる』
もちろんかなりの高額取引対象の『原料』なのだ。
参考までに、そのオーク1体の1回分の精は金貨1枚(10万円相当)だ。
ということでおれが考えた金儲けのサイクルは以下の通りである。
・オークは1回あたりの精によって得る売り上げの2割に当たる報酬を得る(一括で別途支払い)
・盗賊は『ラブらぶドール』(ダッチワイフはいかんだろうということで命名)から定期的にオークの精を回収し、販売する
・盗賊のアジトを拠点に原液を加工し、材料としてだけでなく加工品(回復薬、精力剤)の製造・販売を行う。盗賊側の利益は総売り上げの4割
・ラブドールは基本レンタルとし、レンタル料は総販売額の4割
オークの何の回収業なんざ、おれならぜってえ勘弁だがな……
「ああ、ちなみにレンタルだけでなく欲しいやつには販売もするぞ?」
とりあえず出したのは10体のラブらぶドール。
人タイプ、獣人タイプ、オークタイプ……
オークタイプに需要があるのか? と思ったがオーク村の村長の様子がなにやらおかしい。
おれが見てもわかるくらいに赤面しキョどり出した。
「キ、キンタ殿と言ったか、商人殿…… 販売もしてくれると?」
「かなり高額になるぞ、村長。もうけが出たらいくらでも応じるさ」
それぞれの種族の趣味など知らんが、少なくとも人タイプはやばい。
何がやばいって…… 可愛い、エロい、美形、ロリ、女王様……
「よう、旦那…… おれたちも、その…… 使わせてもらえるのか? その……ゴーレム?」
いやいや、商売が先だろ? お前ら人間の雄の精なんて売れないんだぜ?
せいぜい稼いで身受け(買える)ように頑張れ!
ということで、話し合いは終了。
オーク村住人約300人、盗賊約200人、それに事後承諾になるがゴブの里を含めた一大拠点が出来上がったのだ。
もちろん盗賊たちは盗賊業は廃業。ゴブの里できれいさっぱりとなったあと、各地へと営業を開始。
数か月後には、小さな国レベルの稼ぎを出すようになり、ゴブ、オーク、人の共存共栄モデルとして多くの人、オーク、ゴブ、その他移民を吸収しながら発展していくことになる。
後のこの世界の風俗産業のメッカとして、歴史に名を遺すことになるのだが……
「いや~、これでまた儲かるな!」
「先生…… すげえな! オークとゴブと人まで巻き込んで商売なんて、だれも考えつかねえよ」
「お、おう! お前らには大人の事情ってのはちょいと早いかもだが、しっかり勉強しとけ! 常識通りに商売してたらビッグには成れねえぞぞっと」
「ビッグてなんだかよくわかんねえけど、なんとなく先生のいうことはわかるよ」
「そうだね、商売は面白そう」
「今回の実習は最高でした」
いや、まだ終わってないんだが……
「じゃあ、まあ、また出発するか!」
オークの村と元盗賊のアジトへは、定期的に顔を出すことを約束し、再び実習の旅へ……
すぐに数十体のラブドールの追加発注を受けることになるのだが、それはまた別の話。
ゴブ、オーク、盗賊ときたら次はなんだろうねえ……
**** あと2話で完結です ****
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