第5話 それぞれの思い

人の言葉をしゃべる生物なんて珍しいよな。

この世界ってやっぱりおかしくねぇか?動物が人の言語をしゃべるなんて普通じゃ考えなられないぞ?てこう思っている俺だけ?

後考えすぎかもしれないがケントって二重人格なのか。


戦闘が遭ったこともあってか、ガイドさんは怯えていた。 何かいきなり思いついたかのように、表情が明るくなった。

『 そういえば確かこの先の丘に解毒草があったはずです!』

ガイドさんひらめていたからと言って、うるさいよ...(苦笑い)

「どのくらい先にあるのその解毒草があるのですか??」

木陰にもたれ掛かりながら問いかけた

顔に人差し指を当てて、ガイドは考え始めた。

「あっ!思い出しました!西に3キロメートル程です。」

ケントは思う、なんか嘘っぱちっぽいなんだよな。

「俺は少しでも可能性があるなら、そこに行きたいと思うがどうだ?」

アナンシが弱弱そうに言った。

「そうだな馬車に乗って、そこに進まない限りアナンシの症状は悪化する一方だしこんな暑いところにいつまでもいる訳にはいかないな。」

「それでは、30分後に出発する形でどうですか?」

ユウキは、指揮官ではないがとりあえずその場を纏めた。

──────




30分後

「うっし!」

みんな元気出そうぜと盛り上げてくれるのはとても有難いのだがとても、 今そこの場所に着くまで多少寝かせてくれ。と本来なら大声で言いたいぐらいだ。

それにしても、ここは砂漠があるからか分からないが暑すぎる。下手をすれば、脱水症状になったのに気づかずに、死ぬかもしれないな。

「みなさん、実はさっき洞窟で透き通った天然水をゲットしたので良ければ飲んでください。」

ケントそこまで、気が利くやつだったのか?!ユウキはケントの意外性にビックリさせられた。


「もうすぐで、目的地に着きますよ」

ガイドさんが、目的地を指し示す。確かにそこには黄色の植物が生えていた。一輪、二輪の花が咲いていて...。

馬車から降りて、手を伸ばしても届くはずが無かった。そう易々<やすやす>と入手できるものでは無いようだ。試しにケントと、ユウキが協力して採取しようとして試みたがやはり無理だった。その丘は3m以上だった。平均の人の身長と言っても流石に2mの人は居たとしても、3mの人はいないはず。居たとしたら"UMA"か何かだと思いたい。


「んー、困ったな。」

ケントが、眉間に皺を寄せて考えるも案は思い浮かばず...。

ユウキが突如変なことをいう。

「ケントって、ロッククライミングってしたことある?」

「そんなのあるわけないよ」

そうだ。到底やったことなんてあるわけが無い。

「あそこにあるものが、目の前に現れないかな...そんな都合のいい話ないか」

ユウキが反対に向き直るとケントの手元にその植物はあるのだった!

「ユウキ君何かしたの?」

ケントに聞かれたが自分でも何をしたか分からない。

「さぁ、ただぼくは、強く祈った。だけなんだけどな...」もし本当に自分がしたと考えるとゾッとする。

有るのかないのか分からないものの為に先輩を待たせてしまったので、早く戻らないと。

「あったのか?ユウキくんとケントくん。」薄々、聞いてみるアナンシ。

「多分ガイドさんからその植物の特徴は聞いていたのでそれを参考に取ってきました。」

潰れぬよう大事に持っていた植物を見せてガイドの様子を伺う。

"解毒草は、それです!"

良かったと2人は、胸を撫で下ろす。


マックスを中心に解毒し、その後みんなひとまず様子が落ち着いた時には瞬く間に日が暮れようとしていた。

「本部には明日着くような進路で行くとして今日は夜遅いから出歩くのは得策とは言えないだろうな」

マックスの言う通りだと思う。今日は、疲れたし野宿は多少嫌だけどみんな疲れているのに無理やり体を動かすのは良くないだろう。

「俺、多少食料調達に行っくるよ」

「自分らも行きます」

「それは、ありがたいが...

正直、手伝いは1人で十分だ。

残念ながらもう1人は薪割りでもしておいて欲しいかな」

「それなら、薪割りします」

ユウキが率先して薪割りをすることになった。しかし、争いごとが嫌いとみた。強制的にケントは食料調達の手伝いとなるな。


「では、すまないがケント着いてきてくれ。」




━━1時間後

ユウキ、ケント、アナンシ、マックス、ガイドさんとトータル5人全員が揃って夕飯を日の周りを囲みながら食べるのだった。最初は、食べることに集中していたが

終盤に近づいてくると、酔っ払いっているかなんなのか分からないがマックスが頬を赤くしながらいうのだった。

「おめーら。ひとりひとり、今からなぜ今の職業をしているかやなぜ剣士になろうとしているかを言うんじゃ!」

絶対この人酔っているし。酒弱すぎかよ...。

ケントは、語り始めた。

「自分は自分が未熟なあまりに物心つく前に、バケモノに弟を殺された。だからその為にそのバケモノを倒せるくらいの強い力が欲しい。。だから...。」

だいたい事情は察した。

「そんな深い過去があったんだな、泣けてくる話だな

うえーん。うえーん。涙腺が...。」

アナンシが同情してくれた。

次はユウキだが、ユウキは自分はここの国の人じゃなくてとか言ったらビックリするだろうから、慎重に。

「自分は大事な人を自分のせいで奪われそうになっているんです。自分の心が弱かったからこんなことになったのかなと思っています。きっとこのことが終わったら怒られるかもしれない。それでも、ぼくは彼女を救いたい。」

マックスが普段はみせそうにない一面をみた。でも、正直心の中で思う。お酒に弱い人ってここまで人格変わるんだな、おもろいな。これから、学ぶことは絶対大人になったらお酒を飲まないということだな。でも、マックスの焦げ茶色の髪とアナンシの明るい茶髪には、非常に憧れる。



『先輩方2人はなぜ、騎士になろうと?』

とても深すぎる理由って程のものはないけど言うなら人々を少しでも笑顔にしたいからかなと口を揃えて言った。


まぁ、人って深いな


もう今日は寝るか......。


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