第28話 お勉強会(後編)

ミーナさんが元神様という新事実……


「幸多さんがこの世界に来る前、この世界へお呼びした神なのです。世界を失い消えてしまう前に、協力して対処できる方をと思いお呼びしたのです」


「そう……なのですか……」


「えぇ。格で言えば私よりも上、とても大きな文明を持っていた世界の神ですが、あなたの世界と違い魔法という体系の世界でした。魔技とは少し違い、様々な力を行使しますが詠唱を必要とします」


そういえば魔技は詠唱がなかったなぁ


「それはまた彼女から聞いていただければよろしいかと思います。それでですね、現在ミーナさんはあなたの信仰のみで力を蓄えています。」


「全然祈っていないですけど?」


「えぇ……このお祈りの時間に頂いた力を分け与えている訳です。それまでは本当に消えるかどうかという状態でしたから……」


「そんな風には見えなかったけど……」


「彼女自身が半ば諦めていましたから……しかし今は力を蓄えてあなたの力になろうと思って行動しています。あの黒い靄があなたに近づいてくるのは……言いにくいですが……補給です」


「えー……」


「許してあげてください……彼女のもう一つの名を心で呼んであげれば、少しづつ力を与えられるでしょう。それと、今現在でもコグトスの体の中に蓄えられた魔力は膨大で、それを少しづつ分け与えたとしても問題ないですから」


「そうなんだ……」


「えっと……ちょっと出会いのインパクトが凄かったと思いますが……そんなに怖がらないであげてほしいなぁって思います……」


「わかりました……」


「彼女も気力が出て来たばかりで、空回りしているのでしょう……行動がその……ちょっとアレですが、元々が違う世界の神ですから、あなた程馴染めていないのもあります。そういった意味では、人族の持つ、適応力の凄さも実感するところですね」


「とりあえず害はないという事でいいんですよね?」


「害どころか利益がありますよ。シーナさんの師でもあります。自身の力が戻らないため、育てたというのもありますが」


「とりあえずわかりました。もう少しお互いを良く知ろうと思います」


「また……お嫁さんを増やすのですね……」


「い、いやそういう事ではなく……」


「母は、息子が次々と嫁を連れてくる未来が見えます……」


「えー……」


「ふふ。冗談です。それもいいでしょう。幸せを願ったのです。そうなる権利は誰にでもあるのにそれを願ったのですから……」


そうだったなぁ……


「幸せの価値はそれぞれ違うでしょう。あなたが幸せになれるなと思う事はどうぞしてください。ダメであれば止めに行きますが、そうはならないと思いますので」


「はい」


「長くなりましたが今回はここまでにしましょう。これからの事、よろしくお願いします」


「できる限りがんばってみます」


「では……」





意識が戻った

かなり凄い事を知った訳だけど……話さない方がいい事ばかりだな

ミーナさんには後でこっそり話をしよう


「お祈りは済みましたかな?」


「はい」


そこでまたティアーナ様が現れる……


「おぉ!!!神よ!!!」


「敬虔なる我が信徒達よ、妾の名はティアーナ。そなた達が創造の女神と呼ぶものです」


「ははぁーーーー!」


「リザ。あなたが使徒たるコグトスの妻となる事を認めましょう。しかし、まだ使徒は幼い。その時が来るまで、清らかで居ること、約束できますか?」


「は、はい!お約束いたしましゅ!!」


「よろしい。確かに聞き届けました。違える事無く精進しなさい」


そう言って消えていったけど、認めちゃったよー……もう逃げられない


「ふ、ふへへ……」


リザさんは壊れた……


「神をこの目で確と見た!!!なんという神々しさ!!!」


教皇様も壊れた……


「は、ははうえ……」


「コグトスちゃん、そういうものです」



母上も諦めたようです…………





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