第25話 王城で
僕はカミングアウトの後、筆談しながら色々とお話をした。女王陛下としては少しでもお互いを知ることが重要であると……もう結婚は決まりました
これからも知恵はどんどん出してほしいとか、多くの街を回ってほしいとか、いずれ霊峰に行こうとか……
そこで眠くなってしまった僕は、ミャム枕を抱えて寝てしまった そして……
「おはようコグトスよ。よく寝れたかの?」
女王陛下のベットで朝チュンになりましたとさ……
色々まずくないか?これ……
「お、おはよごじゃましゅ……」
「うむ。それでな……ミーナが応接室でぐずっておる。どうにかしてくれとメイドから上奏されてな……」
あ……そういえば待たせてた
やばそうなんだけど……行きたくないなぁ……
「いってきます……」
「うむ……生きて帰るのじゃよ?」
うわぁ……そこまでなのか……行きたくないなぁ……
メイドさんに案内されて応接室まで来ると、扉の隙間から黒いドライアイスでも撒き散らしたかのような靄が溢れている……
しかもこの靄……なんでか知らないけど僕に向かってくるんだよなぁ……
あ、シーナさんだ
「おぼっちゃま、おはようございます。これから戦地に向かうおぼっちゃまに一つ助言を……ミーナ姉さんは男性を引き寄せることはできません。ちょっと特殊で、自分が移動してきます……どこまでも……」
戦場なのかぁ……どこまでもかぁ……もうこわいなぁ……強そうだなぁ……
「女王陛下が居ますから、そこまで着いて行かなかったのは姉の良心でしょう……今回ばかりは私どもが悪いと思いますので……大変心苦しいですが、どうかお願いします」
僕はそっと扉を開いた……隙間から中を覗くと、目の前にミーナさんが現れた
ひっ……
「コグトス君……置いていった」
「ち、ちがうよ……おはなししてたら、ねちゃったの」
「本当?置いて行ってない?」
「うん」
靄が晴れてきた。よし大丈夫かな?
「シーナ、何があったのか話を聞かせて」
「わかりました……他言無用なのでほかの方はお控えください」
そういうとメイドさん達が去っていく
それから僕の代わりにシーナさんが話してくれた。僕はミーナさんの膝の上だ
「良く解った。それなら仕方ない。陛下に謝ってくる」
そう言ってミーナさんはスタスタと部屋から出て行ってしまった……
え?謁見とかじゃなくて?フリーダムすぎない?
「シーナさん?いいの?」
「大丈夫でございます。姉は大会実行委員長でして、これから話し合いが持たれる予定だったのです。それに……多額の税を納めておりますから」
覚えもいいわけだ
「恐らく……資産だけで言えばボルトワ領を姉一人で賄えるかと……リーア姉さんも含めれば……城を作れますでしょうか」
金持ち過ぎる……大体、前世の世界、中世の城で言えば80億とか100億位かかるって聞いたことがある。時代や場所によってまちまちだけど、ある城は20憶位だとか、250憶かかるとか……価値基準を現代にするのが難しいから何とも言えないが
しかし、何年、何十年かけて、しかも国家や領地を総動員させて作るのが普通だろう。
貯蓄金額が怖い……
「ミーナ姉さんは、料理くらいにしか使いませんからね……その代わりなのかはわかりませんが、料理の腕は確かです」
「シチューおいしかった」
「お城欲しい?作る?」
後ろにいきなりいた……いらないいらない!そんなのいらないよ!
首をぶんぶん振る
「いらないの?何か欲しいの?」
「いらないです。シチューのほうがいいです」
「そう」
綺麗な人なんだけどなぁ……綺麗だからこそ行動の怖さが引き立つのかも……
「2日後出発する。滞在できる日が少ないけど、警護の関係で仕方ない。女王陛下も一緒に来る」
「わかりました」
「シーナは私とボルトワの馬車で移動。少し話もある。シフォニア様とコグトス君と陛下とヨアンナ殿は王宮馬車。慣れた方がいい」
「ミーナ姉さん話ってここではできないのですか?」
「私もここでは仕事があるから」
「そうでしたね……馬車で」
「うん」
何だろう……嫌な予感がする
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