第23話 問題の解決は新たな問題を連れてくる

皆が僕の書いた紙を見て一息ついた


「なるほど……少し納得がいった。本当の事なんじゃろうな……ティアーナ様が現れるという事はそれ程重要な事でもあるのじゃな」


僕は少しいたたまれなかった……母上はどうなんだろうか?もしかしたら


「コグトスちゃん。これが本当であろうとなかろうと、あなたが私の息子であることは変わらないのよ?」


「ははうえ……」


「もう!ちゃんと話ができるのならもっと早くに手紙にして欲しかったわ……大丈夫よ。家族は家族。何も変わらないわ」


僕はまた泣いた。今度は本当にうれし涙だ。母の胸で、わんわんと泣いた






「もう落ち着いたかの?」


「はい……」


「うむ。まぁ……あれじゃ……少し言いにくい事なんじゃが……そうじゃなぁ、30と言ったか。お主に今一番歳が近いものがそこのシーナじゃな。幾つになる?」


「……226歳になります……」


ふぇ?


「うむ。シフォニア、何歳じゃ?」


「1733歳ですわね……」


「うむ。妾が……そなたの妻になろうと言っておきながら申し訳なさが凄いのじゃが……2334じゃな……ヨアンナ、なんというか……無いはずの傷口が開くから言わずともよいぞ……」


「……522歳です……」


「ほぇ……」


「そういう事じゃな……幼子に変わりあるまい。この王国にいるお主を抜いて一番若いものが111歳じゃな……1000年以上生きるのは、竜族くらいな物じゃが、大体の種族は人族を除いて400年から500年生きるのでな」


何という事だろうか……1世紀以下が居ない……


「だから精神年齢がどうのこうのというのは心配するだけ無駄じゃな……ましてお主はこれから、8000年位は生きることになるのじゃからな……お主の爺様が7268歳じゃ」


もう……わかんないや


「ま、まぁこの話はこれでの……心が痛くなってきたからの……」


なんかほんと申し訳ないです……


「つまり、受け答えは難しいが、おおよその事は理解ができる……と判断してもいいのかの?」


「はい」


「うむうむ。ではな、妾との結婚なんじゃが、お主の価値観では理解しがたいかもしれぬが、こちらでは問題ないことじゃ」


「そうなんですか?」


「先ほど年齢の話になったがの、おかしいと思わんか?」


「……子供が少ない?」


「その通りじゃ。極めて出産率が低い。子供が出来難いんじゃ。だからこそ可能性を下げることはしない。さすがに親子はありえんが、伯母伯父位は問題ない」


「コグトスちゃん、付け加えると、竜族は他の種族よりも長生きするのです。ですが本当に出生率が低い上、竜の子が生まれるとも限らないのです」


「シフォニアの出産は奇跡じゃな。卵が出てきたときは、それは期待した。その後男の子だというからな。もう一大事よの」


卵生だったー!僕は卵から生まれてたー!


「その後病気に罹ったと聞いてのー……妾とヨアンナは気が気でなくての……レドおったじゃろう?あ奴は本来、あんなに怖くないのじゃが……暫く公務を滞らせての……怒っておる」


あー……機嫌が悪かったのね


「話がそれたの。じゃから問題は無いわけじゃ。もう少し大きくなったら婚約としよう。それと側室も構わん。ただし第一夫人は妾という事だけは絶対じゃ」


「ていさいもあるから?」


「その通りじゃの。まぁ下らんが仕方ないと思っておくれ」


「はい」


ハイって言っちゃったけどもう決まっちゃったのかこれ


「後は……ティアーナ様のことじゃの」


あ、少し経緯が長くなりそうなので紙に書いて渡した


「なるほど。これについては正直な所……いいのかわからんの」


「ですが、念を押されていきましたからいいのではないかしら?」


「……後で話があるということじゃったからその時にでも話そうかの」


ご迷惑おかけします……

そういえばティアーナ様ってよべるのかな?さっきは呼べたけど……

ティアーナ様ありがとうございます。

…………返事が無いから無理なのかなー



とりあえず結婚を考えなければいけないのかな……前世ならわからなくもない年だけど……




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