第10話 王都への旅
あの後、父上に呼ばれたので執務室に向かう
先ほどの三人がソファに座っていた
「コグトスよ、先ほど挨拶を交わしたと思うが、王都からの使者だ」
「はい。ごあいさつしました」
「うむ。あまり難しく話しても仕方ないのでな、簡潔に言おう。陛下がお前に会いたいそうだ。使徒の一件で話がしたいとな」
「おうとにいくのですか?」
「そうだ。この者たちが道中の護衛を務めてくれる。シフォニアとシーア、後は……ヨグトあたりがいいと思うがシーアどうだ?」
「旦那様、ヨグトでよろしいかと思います」
「うむ。護衛はこれでよかろう。ミャムも連れていくがよい」
「わかりました」
「そういうわけで道中、息子を頼む」
「「「必ず御守りいたします」」」
「出発は明日、おおよそ10日はかかる。コグトス、初めての長旅だ、体調管理はしっかりとな」
「はい。ちちうえ」
旅行気分でいいのかなこれ?
自分の私室に戻って、リュックの様な背負い鞄にお気に入りの枕をギュウギュウと詰め込んでいると母上が入ってきた
「あら?コグトスちゃんの鞄は枕しか入らなそうね♪他はいいのですか?」
「おようふくが……」
「ふふふ♪じゃぁ枕はコグトスちゃんが持って行って、お洋服は別のかばんに入れましょうね?」
「はい!」
枕は死守した!繰り返す!枕は死守した!
慣れた枕じゃないと寝れないのは前世も同じだった……
その後、シーアさんが僕のお洋服をまとめてくれた。ホントすいません……
「みゃん♪」
ミャムがお出かけ用なのか、首の鞄が大きな物になっている
「ミャムはなにいれるの?」
そう言うと、ミャムは僕の前に干し肉とクッキー、スキットルの様なものを出してきた
「みゃーん♪」
「これをいれればいいんだね」
僕は鞄をあけて中にそれらを入れてあげた。おやつだねこれ
「いっしょにおでかけだねー」
「みゃみゃん♪」
翌朝、父上に挨拶して馬車に乗り込む
僕、母上、シーア、ミリアさんが馬車、ヨグトさん、オンタリオさんが先導、トラクスさんが御者を務める
なんでもヨグトさんは偵察兵の中では有名であり、補給が全く望めない状況でひと月、現地調達のみで偵察し生き残こり帰ってきたとか
そんなこんなでヨグトさんを先導に据えた方が安心だということでトラクスさんが御者を務めることに
そのトラクスさんもまたなんとも言えない猛者で、剣も槍も持っていなかった為聞いたところ
「コグトス様、自分は拳闘士なので武器の類はこの体です」
と、しかも魔技を利用してかめ〇め波が出せるらしい!是非見てみたい!
オンタリオさんは槍術で近・中・遠の攻撃を使い分ける万能さんらしい
ミリアさんにいろいろと皆の話を聞いていてすごいすごい!とはしゃいでいたら皆の顔が赤くなっていた。照れてるんだな
「ボルトワの街を抜けましたね。これから夕刻にはもう少し先の小さな村に入り、宿を借ります。翌朝出発して夜には湖畔の街ホーグムに入ります」
「ほーぐむ?」
「そうよぉ。コグトスちゃん、ホーグムはその名の通りホーグム湖にある街でとっても綺麗な街なの」
「でもよるだと……」
「ご安心ください。女王陛下からそこで2泊して街を楽しんでから来るよう承っております」
「あらあら!女王陛下にお礼を言わなければね?コグトスちゃん」
「はい!」
女王陛下は優しい人みたいだ
「ホーグムではご厚意により領主デルフ様が館に泊まるよう、言伝をいただいております。よろしいですか?」
「えぇ。是非にお願いします。ホーグムの館はそれはそれは綺麗ですからコグトスちゃんも驚くと思うわ♪それにデルフ様はあの人の親友ですから安心ですしね」
おー、父上の親友さんのお家にお泊りだ、楽しみだな!
そんなこんなで村へ到着
小さい村だけど村長さんも村の人々も笑顔で暮らしている
父上の頑張りを身近に感じた気がした
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