第8話(後半)再開とお姿
意識が戻ると女神さまが僕の背中を摩ってくれていた
「辛かったでしょう……しかし、あれは現実に起こりうる一つの未来なのです」
「……避けることは……できるのでしょうか?」
「もちろん可能です。あれを避けるために、一つの可能性として見せたといってもいいでしょう。ごめんなさいね」
「いえ……ありがとうございます」
「少し気分が落ち着いてきたら戻りましょう。それまではこうしていてあげますから。あなたは……ある意味では私の息子でもありますから」
「え?」
「私の手で直接この世界に産み落とした魂ですから」
「あぁ、そういうことですか」
「えぇ」
知らないうちにもう一人、母ができていたようだ
「では母の日には何が欲しいですか?」
「そうですね……何がいいでしょうか……考えておいてください」
「あー……それはずるいですね」
「ふふふ♪では……名残惜しくもありますが、そろそろ戻りましょう。あなたのもう一つの家族が居る世界へ」
また意識が戻ると、礼拝堂に戻ってきていた
時間が過ぎていたこともなく、母上も神父様も祈りを捧げている姿でそこに居た
ホッとしたのもつかの間、礼拝堂に眩い光が現れ、そこにティアーナ様が浮いていた
姿を見せたということは……少しは自信が着いたのかな?
「おぉ!神よ!」
神父様がさらに深く祈りを捧げる
母上は驚きの表情のまま固まってしまっていた
「敬虔なる我が信徒達よ、妾の名はティアーナ、そなた達が創造の女神と呼ぶものです」
「「「ははぁ……」」」
「此度はそこに居るコグトスに用があり、ここに来ました。コグトスよそなたを我が使徒とする。これから多くの問題に立ち向かう事になるやもしれぬ。しかしそれらを乗り越え、一つでも多くの命を救ってくれますか?」
「はい、おやくそくします」
「よろしい。ではコグトスよ、そなたに妾の祝福と印を授ける。」
「ありがとうございます」
「では……皆がすこやかたらんことを……」
最後にそう言い残して消えていった
僕の額には、一対の上に巻く角の紋様と、その中央にひし形の青いクリスタルのような紋様が描かれていた
「使徒様が選ばれた!使徒様が選ばれたぞ!」
「コグトスちゃん!とてもおめでたいわ!」
母上にまた抱きしめられる。嬉しい反面このメロンはとても危険なのだ
「うぷ……ははうえ……くるしい」
「お、奥様……もう少し加減を致しませんと……」
「あらやだ……コグトスちゃんごめんなさいね。でもこれは素晴らしい事なのよ!?使徒様なんてもう何百年ぶりなのかしら」
「おおよそ300年~400年ほどでしょうか……私も過去にいくつかそういった書に目を通したことがございますが……正確な物はほとんどこざいませんでした。時代背景や出来事から察するしかなかったように思われます」
セバスさんが教えてくれたが、そんなに前なのか……
「シフォニア様、女王陛下にはこのエトスも立ち会ったとご報告いたします。教会関係者が立ち会ったとなれば信憑性も疑われますまい。そんなことはまず無いとは思いますがな」
「お願いいたします神父様」
紋様含めて角が6本……これでティアーナ様とも家族になれましたね
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます