第3話 井の中の蛙 外を知る
あれから数日、静養を終えて今日は庭で散歩をすることになった
うん。まぁなんとなーく察してはいた。察してはいたけど超えてきた
部屋を出るとまぁ廊下があるわけだけど、1.5車線はあるよねこれ
広い廊下を父上と歩いていると使用人さん達が挨拶をしてくれる
美男美女が歩いてるわけです。
そんな僕たちの後ろを数歩下がった位置でシーナさんと執事のセバスさんが歩いてるわけです。セバスさんですよセバスさん。もうこれ嬉しいのなんの
「セバスさん」
「はいおぼっちゃま、何かありましたか?」
さっきから用もないのに嬉しくて何度も何度も呼んでいる僕。それに笑顔で答えてくれるセバスさん。いい人だ
「セバスはコグトスに随分と気に入られてるようだ。お菓子でも持っているのか?羨ましいぞ」
「もちろんお菓子もご用意しております。お庭につきましたら差し上げますから楽しみにしていてくださいね?」
「セバスさんありがとう!」
「いえいえお傍にお仕えするものの嗜みでございます」
そんな話をしながら玄関に付くとこれまた広い!家一軒建つよねここ
「コグトスはさっきから驚いてばかりだな!お前の家だぞ?」
一瞬ギクっとしたが記憶にはあまり残ってないところを察すると恐らく幼すぎてうろ覚えだったのだろう
「旦那様、おぼっちゃまはお立ちになられてから歩き回るのはこれが初めてにございます。普段は奥様かシーナに抱きかかえられていらっしゃいました。きっと嬉しいのでございましょう」
「なるほど確かにそうだったな。コグトスよしっかりと覚えておくのだぞ?」
「はい!」
そして玄関からいよいよ外に
「おーーーーー……」
ひっろ……○○ドーム2個分くらい?ひっろ……
そして振り返ると……うん……なんていうかちょっと小規模な魔王城?中はものすごく中世のお城的な感じだったけど外はゴツイね
「ひろい……」
「うむ。庭は万事広く作ってある。なぜだと思う?」
「なんでだろう?いざとなったときのひなんじょ?」
「その通りだ!賢いなおまえは!この庭はいざとなったときに町の住人を非難させ、守るために広く作られている。」
なるほど、でも魔王城に避難民ってシュールな……いや魔族だからいいのか
「コグトスおぼっちゃま、門を抜けますとしばらくは曲がりくねった道になっております。この道は馬車が一台通れる程度となっており、その周りは深い森となっております。絶対に一人で森に入ってはなりませんよ?」
「はい!セバスさん」
「大変ご立派でございます」
「おぼっちゃま、シーアはおぼっちゃまの専属メイドです。何かあればすぐにシーアを呼んでくださいね?」
「わかった!シーアさん!」
「はいシーアです♪なにかありましたか?♪ふふふ♪」
シーアさんが専属というのはうれしいな。やっぱり強いのかな?
「ちちうえ、シーアさんは強いの?」
「うむ。シーアはその歳で腕が立つ。王国騎士団に勝てないまでも手傷を負わせるくらいはできよう。」
ん?騎士団?騎士団員とかではなく?
「きしだん?」
「そうだぞ。シーアは広域殺傷能力と広域制圧能力に長けておる。一人で遅滞戦術をおこなえる類いまれなる者だ。コグトスもシーアの言うことは良く聞くようにな」
なんと、このかわいい少女は恐るべき戦術が使えるという……ちょっと尊敬
「んー?そんなに見つめてはシーアが困ってしまうぞ?」
尊敬の眼差しを向けていたら、シーアがクネクネしはじめた。なんかかわいい
「ちちうえ、せんそうがあるの?」
「今の所は問題はなかろうが……小規模な小競り合いや野盗の襲撃があったりはする。大丈夫と思わずいつでも備えておかねば辺境の地は収められぬ」
辺境伯だこれ、うちの家は辺境伯だ
「我が家は女王陛下より辺境の地をまかされておる。おまえもいずれしっかりと学ばなければならぬぞ?」
「はい、ちちうえ」
「うむ!」
満足げに僕の頭を撫でる父上は笑顔が爽やかだった……
「ところで旦那様、女王陛下にコグトスおぼっちゃまのご快癒をお伝えいたしましたか?」
「そうであった……」
「旦那様……直ぐにお書きになられるようお願いします」
「う、うむ……」
「おぼっちゃまはシーアとお庭をお散歩いたしましょう」
セバスさんちょっと怖かった……
シーアさんと庭を散歩しながら、改めて自分の家を見る
やっぱり魔王城だよなぁ……もしくは悪魔の館……
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