時間の嘘
バジル
第1話
時間の流れる速さは人それぞれだ。
あっという間に感じる人もいれば、ゆっくりと感じる人もいる。でも、それを感じることが出来るのは自分だけ。果たしてほんとに、時間の速さは人それぞれなのだろうか…
疑問って解決しないことがある。
「どうして、空は青いの?」
僕が質問して、答えて貰えなかった疑問だ。
調べればいい。その一言で終わり。
それでいいのかな?
疑問ってすっごく重要だと思う。
いつだって疑問を持っていた小さい頃。
世界が輝いていた。
自分でも目を輝かせて世界を見ていた。
どんなことにも興味を示して、時間がある分だけその疑問に答えを見出そうとしていた。あれってなんだろう、これはなんだろう、あの動物は、あの食べ物は…
だんだん、どれが何なのか分かるようになったら今度は仕組みについて疑問を持つようになった。どうして世界はこんなに広いの、どうしてこんなに沢山の生き物がいるの、どうして人間は一人一人違うの、何が違うの、どうして空は青いの…
どうして、どうして、どうして、どうして
そしていつか気づいてしまうのだ。
疑問には答えがあるものと無いものがあるのだと。
そして、追求するのを辞める。そういうものなのだと、勝手に解釈して、その疑問に解決する意味を見出すことですら辞めてしまう。
世界には、疑問を追求する者と、追求しないものがいる。
最初は誰も、空が青い理由なんてわからなかった。
でも、今は空がどうして青いのかの理由の答えが実証されている。追求した者がいたからだ。
追求し続けて、答えを見つけられなかった者もいただろう。でも、その疑問の答えをみいだせなかった時間は、退屈なものだっただろうか。少なからず、僕は楽しい時間だったと思う。自分が見つけた疑問を、自分が解決できた時のことを考えながら、そして、その疑問の答えがわかった時の爽快感を考えながら過ごしていたに違いない。
今の人々はどうだろう。決まったことを覚えて、疑問も持つことなく、淡々と作業をこなすように一日をすごしている、そんな人々がどれだけ沢山いることか。
果たしてそんな人々に時間はゆっくりと動いてくれるのだろうか。心の中で何も考えていない、空っぽな人間になってしまっていないだろうか。忙しいからと自分を偽って、自分がやりたいことを後回しにしていないだろうか。そんな人生、楽しいだろうか。
心が麻痺してしまえば、あとは簡単だ。
時間はどんどん過ぎていくだろう。気がつけば、何を自分はしたかったのか分からなくなり、人生に失望する人ですら出てくるだろう。過去の栄光に縋り、未来を見い出さない人は、今を楽しめていないのだろう。
当事者ではなく、傍観者へと成り下がっていたのだ。
自分の人生を、他人事のように見ているのだろう。だって、人生楽しくないんだもん。
まあ、僕が言いたいことはそういうこと。
どういうことって思った君には、なんの意味もない時間だっただろう。でも、少しでも僕の言いたいことがわかった貴方がいたなら、僕はとても嬉しい。
この話をどう捉えるかは君次第だ。
これからの人生、楽しく過ごすのかも君次第。
全ては、自分が決めることなのだから。
そう、時間は嘘をついている
時間の嘘 バジル @basil_0806
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