第14話 神の第3話
「私は怠け者! 何もしたくありません! 腐女子! 培養土! 言いたければ好きに言えばいい!」
今回はダラダラしたいのは女子高生。その心の隙間に悪魔が忍び込みます。
「それでは悪魔スカウトキャラバンを始めます。」
「おお!」
七つの大罪の悪魔たちがいる。小悪魔が司会を進行する。
「今日の魂を売りたがっている人間は、怠け者だ!」
「おお!」
悪魔たちは人間の負の心に忍び込んでくる。
「それでは契約したい方は挙手をお願い致します!」
悪魔による悪魔に魂を売りたい人間のスカウトが始まる。
「もっと威張れや!」
傲慢のルシファー。
「憤りを感じられない。」
憤怒のサタン。
「全然羨ましくない。」
嫉妬のレヴィアタン。
「いいね。」
怠惰のベルフェゴール。
「欲なしか。」
強欲のマモン。
「お腹空いた。」
暴食のベルゼブブ。
「色気がないよね。」
色欲のアスモデウス。
「おおっと!? 今回の人間と契約したい悪魔はいないのか!?」
そういえば昔、天使に憧れている小悪魔のデビちゃんというのがいたような、いなかったような。
「私と一緒だ。」
「おおっと! 人間との契約に手を上げたのは、ベルフェゴール様だ!」
「休憩も必要だよ。」
それがベルフェゴールが怠け者を認めた理由であった。
「はい。魂をちょうだい。人間。」
ベルフェゴールは人間の魂を買い取る。
「好きなだけ怠けようね。クスッ。
悪魔に魂を売り渡した人間は、悪いことをしても心を痛めない。
「それでは人間に魂を売らし契約に成功したベルフェゴール様に一曲歌ってもらいます。曲は怠惰っていいな。それではどうぞ!」
マイクを持ったベルフェゴールは歌う気がない。
「歌うのもサボりたい。」
ということで歌うシーンは割愛である。アニメ制作会社が頑張ってくれるだろう。
「行ってきます。」
主人公の碧は母親のおつかいで隣の家に回覧板を持っていく。
「しまった!? 届ける家を間違えた!?」
回覧板を届ける家を間違えたことに気づくうっかりでおっちょこちょいの碧。
「俺はなんてダメな奴なんだ!?」
まさに悪魔になってしまいそうな碧。
「もう! 碧はダメね! 私が居なくっちゃ!」
恋は碧の幼馴染で同級生。子供の頃から恋は進んで碧の面倒を見てくれている。
「恋ちゃんがいてくれて良かったわ。」
「私たちが死んでも大丈夫。」
碧と恋は碧の両親が認める公認の仲だった。
「でも恋ちゃん。碧みたいな彼氏がいて、アイドル活動は大丈夫かい?」
恋は高校生アイドルをやっている。
「大丈夫です。彼氏はいないことになってますから。」
碧は隠れ彼氏であった。
「まあ、周りの人間には使えない人型ペットぐらいにしか見えないわな。」
「こら!? 自分の子供のことを悪く言うな!?」
碧と両親の仲もとても良かった。
「おはよう。」
碧と恋は学校にやって来た。
「キャアアアアアア!?」
悲鳴のする方向を見てみた。
「通せんぼ。私は廊下から動きません。」
怠け者が廊下で眠ろうとしていた。
「・・・・・・。」
しかし周囲の先生に生徒たちは誰も注意しない。関わってしまうと自分の責任になるからだ。
「うん? んん!?」
碧にはいじめっ子に何か黒い者が付いているように見えた。
「あれはまさか!? 悪魔!?」
神様に地球の平和を託された碧には人間に取り憑く悪魔の姿が見えるのだ。
「いこう。碧。」
「うん。」
これは主人公である碧と恋も例外ではなかった。だって二人も普通の人間で、怠け者にかかわらなければ自分たちは楽しい学園生活を送れるのだから。
「人間の皮を被った悪魔め! 俺は悪魔を黙って見過ごせない! 神の領域!」
碧は別の次元を作りだした。その次元の名が神の領域。神と悪魔しか入ることは許されない。それでいてもう一人の碧は恋と一緒に今まで通り学園生活を送っている。幽体離脱でも、コピーでもない。神の代行者の碧と。もう一人、神でない碧が存在しているのだ。
「怠けるのはやめろ!」
碧はいじめっ子を助けようとする。
「なんだ? おまえは? 私は誰も殴ったり危害は加えていないぞ!」
怠け者が碧を認識する。
「こいつはなんだ!? さては!? おまえ、悪魔だな!?」
さすがに普通の人間は驚く。
「なに!? なぜ私が悪魔だと分かった!?」
「おまえから悪意の嫌な匂いがする。」
碧は悪魔を察知する。
「おまえはいったい何者だ!?」
「俺は神だ!」
碧は神様から神の力を授かった。
「ふざけるな! 神などいるものか!?」
「神の裁きを受けろ!」
神々しく光を放つ碧。
「天に居ます我らの主よ。迷える子羊をお救いください。」
神の聖書を朗読する碧。
「神の代行者! 碧が命じる! ヘルプ!」
悪魔に取り憑かれた人間の心を救済する。
「ウワアアアアアー!?」
神の光が悪魔に取り憑かれた人間の心に染み渡る。
「ここは? どこ?」
「ここは迷える子羊の懺悔部屋です。」
異空間の教会に怠け者と碧がいる。
「さあ、懺悔しなさい。どうして怠け者になったんですか?」
「・・・・・・実は誰も私に構ってくれないので、私も私自身に構わなくなってしまったんです。次第に生きているのか死んでいるのかも分からずに、何もしないことに幸せを感じるようになったんです。ごめんなさい。」
懺悔を述べる怠け者。
「あなたが悪い訳じゃない。」
「え?」
意外な言葉に驚くいじめっ子。
「人間は弱い生き物です。人間の弱い心に悪魔が忍び寄って来て契約させられてしまうのです。悪いのは悪魔です。本当のあなたは良い人です。」
神の教えを説く碧は笑顔で微笑みかける。
「・・・・・・ありがとうございます。」
怠け者は自分を理解してもらえ救われたみたいで、涙を流しながら感謝を述べる。
「なぜだ!? 眠りたいだけなのに邪魔をする!?」
怠け者と契約を解除された悪魔が怒っている。
「俺は人間ではない。俺が神だ!」
碧は神の代行者であり、正確には違う。
「神であろうと! 私の眠りを妨げることは許さねえ! 悪魔パワー! 全開!」
悪魔に魂を売った人間を解放されて怒り狂うベルフェゴール。
「来たれ! 巨大悪魔ロボットよ!」
悪魔の力でベルフェゴールにそっくりな巨大な悪魔ロボットが現れる。
「なんだ!? この巨大な悪魔は!?」
巨大悪魔ロボに衝撃を受ける碧。
「何人たりとも私の眠りを妨げる奴は許さねえ! ベルフェゴール・ビーム!」
ベルフェゴールは攻撃を始める。
「よし! そっちが巨大ロボなら、こっちも神の巨大ロボットを出してやる! 神パワー! 全開!」
碧も神の巨大ロボットを呼び寄せようとする。
「・・・・・・あれ?」
しかし神の巨大ロボットは現れなかった。
「まだ巨大神ロボットは制作中です。ごめんね。地球神アースより。」
空から1枚の紙が舞い降りてきた。神様からの手紙を見る碧。
「なんですと!? まだ完成していないのか!? 神様のアホー!」
碧は神様に怒りまくる。
「ケッ。神様なんかいないのさ。ダメな人間は寝るしかないのだよ。寝るしかね。」
悪魔のベルフェゴールにこき下ろされてしまう始末であった。
「クソッ!? こうなったら俺は俺自身を信じる! 俺パワー! 全開!」
頼りにならない神様より、碧は自分自身を信じることにした。碧が自分自身を信じることで奇跡を起こす。
「な、なんだ!? この神々しい光は!?」
まばゆい光は悪魔には目に毒だった。
「これが俺の神の制服だ!」
神の制服とは、巨大神ロボットが呼べないので、制服を神の御加護でオシャレなファッションのバトルスーツに見立てたものである。
「無理しないで諦めようよ!」
「諦めるものか! 何事もやってみないと分からないじゃないか!」
俺の鼓動に連携して神のビーム砲が浮かび上がる。
「くらえ! 悪魔! これが俺の神光線(ゴッドビーム)だ!」
超強大な光のエネルギー破が放たれる。神の領域の現実そっくりの仮装空間とはいえ街が一つ消えてなくなった。
「チッ。外したか。」
「ほえ? ・・・・・・ギャアアアー!? 殺される!?」
狼狽える悪魔。
「今度は外さないぞ! 悪魔撲殺! 天地神明! 神の剣(ゴッドソード)!」
地球を切り裂く超強大な光の剣が巨大悪魔ロボに振り下ろされる。
「ギャアアアアアア! あんまり頑張るなよ。リラックス。リラックス。今度は夢で会おうね。」
一撃で巨大悪魔ロボを切り裂いて倒した。
「神は勝つ! 迷える子羊に神の御加護を。天に居ます我らが主に感謝。」
悪魔は碧の前に倒された。
「この世から怠け者がいなくなるといいな。」
少し神様っぽくなった世界平和を願う碧であった。
つづく。
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