第9話 神の沈黙
「主人公は普通の人間。」
どちらかといえばダメ人間。
「NHKの朝ドラも言った。長い話になればなるほど視聴者が飽きてしまうので主人公はハチャメチャやおっちょこちょい。面白く出来る低レベルの方がいいと。」
確かこんな感じ。
「魔法を使える。でも悩んだり悔しがったり弱点もあって普通の人間なんだ。」
ハリーポッターのスタッフも言った。
「要するにギャップ。」
強力な魔法使いも普通の苦しむ人間。
「それと共感。」
イマドキは強いだけの人間は求められていない。人間の感情も好みも変化している。どちらかというと貧しい人間の方が多いので、そんな自分を分かってほしい、キャラクターと被らせなければいけない。
「颯爽感や圧倒的に強いだけではダメ。弱い人の心も分かるヒーローでなければいけない。」
アニメのヒット作の流れですな。北斗の拳、聖闘士星矢、ドラゴンボールは強いだけ。弱い心や負け犬の心が鬼滅の刃、進撃の巨人、エヴァンゲリオンかな。
「そもそも共感ってなんだ? 人が声として言葉にするものではなく、心の中で人が相手に教えない自分だけの心か?」
一種の心理描写。キャラクターの心理に共感したり分かり合えるから読者や視聴者は応援したくなるのだろうか? 多分そうだろう。
「始まりはどうする?」
主人公の登場から始めるか? それともその話のゲストキャラクターから始めるか?
「やはり後者か。」
それが定番だな。
「ということは笑うセールスマンや古畑任三郎方式か。」
アンパンマンもゲストキャラクターを先行登場だな。逆にドラえもんは秘密道具は後乗せ方式だな。
「まとめると、0分から5分はゲストキャラクターの貧しい話。」
弱い心に悪魔が忍び込むという所だな。
「次に5分から10分。主人公の普通の人間の暮らし。冴えないダメなドジっ子的な。世を謀る仮の姿。」
タダノ係長方式。
「10分から15分で主人公とゲストキャラクターが絡む。」
そして15分から20分でゲストキャラクターが悪魔に取り憑かれていると解明する。
「20分から25分で悪魔と戦って解決して、めでたし、めでたしっと。」
こんなものか。
「新しいオリジナルより、テレビアニメ業界のお約束のストーリー展開の方が視聴者にも分かりやすいので良いのかもしれない。」
まあ、これがずっと続いているから視聴者には分かりやすいのだろう。
「いじめられっ子。何か嫌なこと。自分の思い通りにならないこと。人間の負の感情。そこで悪魔と出会う。」
う~ん。戦闘シーンもそうだけど、ここで悪魔を考えないと先に進めないことが分かってきた。
「七つの大罪、悪魔一覧、ゴエティアなどか。」
妥当、分かりやすい所で7つの大罪か。傲慢、怠惰などの人の負の感情。
「ああ~、だから七つの大罪を使用する作品が多いのか。」
鋼の錬金術師、七つの大罪、ゼロから始める異世界生活とかか。みんな楽していたんだな。自分が使う段階になって共感するわ。だって楽したいんだもの。
「全然すごいことでもないんだな。」
作成する側からすると。何も知らない一般大衆がすごいと騒いでるだけだったのか。無知の極みだな。左を向けと言えば左を向く。右を向けと言えば右を向く。
「人間の出来事でなく、悪魔に合わせて人間の出来事を描く方が良さそうだ。」
傲慢な人間ならルシファー。何か思い通りに行かなくて、ストレスが溜まっている偉そうな人間? 傲慢・・・・・・いじめっ子? ジャイアンか?
「弱さ? 真実の奥の奥? いじめっ子は、なぜいじめっ子になったのか?」
生まれが悪かった。親に暴力を振るわれている。だから他人を殴ったりいじめることに抵抗がない。自分が親にいじめられたり暴力を振るわれてきたから。
「主人公のダメな日常。」
これも一般大衆を上にするための施策。今の日本人はダメな幸せでない人間が半数と言わずに大多数。8割9割は幸せではないのだろう。
「そこで最強や圧倒的な強さの主人公は求められていない。」
自分と同じようにダメな人生、幸せではない人生。だから主人公や作品に共感し関心を持ち応援してくれる。
「まあ、勉強しても公務員にはなれない。コネ持ちのバカな権力者のお坊ちゃんやお嬢ちゃんが公務員になる。」
これ都心の常識。知らない田舎者は勉強するだけ無駄な時間を過ごしていることを知らない。コネなしの東大生と、コネ有りの高卒。公務員になれるのはどっち?
「これも人間の負の部分であり、悪魔に付け込まれやすい。コネ持ちは既に悪魔に魂を売っている。絶望してこれから魂を悪魔に売って契約する者もいるだろう。」
人間って本当に弱い。人間の心も本当に脆い。
「主人公はおっちょこちょいで丁度良い。」
題材には困らない。七つの大罪の悪魔から登場でいいだろう。
「主人公と悪魔に魂を売り渡した人間。どこで出会うんだろう?」
学校? なら、その学校は悪魔に魂を売り渡す奴ばっかりだな。
「まあ、生徒が100人いれば100通りの悩みもあるだろうからな。」
人間の暗い部分。人間の負の感情には困りませんな。
「ワッハッハー!」
不謹慎で笑う所でもないんだけどな。
「学校で出会って・・・・・・あっさり悪魔と見破られて、あっさり戦いですな。」
接点がないから主人公と魂売った子に。あっさり悪者に変わるのが妥当。セーラームーン方式。別名、深く考えないで一話が終われば辻褄が合っていなくても気にしない方式ともいう。
「そんなんでも少女漫画で一番成功した作品なのよね。」
不思議。戦隊ヒーローは男ばかりで、女だけの戦隊ヒーローがいなかったのがウケたのだろうか?
「なんか怖いな。30分モノではなく、1話15分モノになりそうだ。」
不安だけがよぎる。
「しかもこれ。同じ決めセリフの同じような展開を毎回繰り返す。」
ああ~、どこかに12話通しての謎解きか秘密、繋がりがあればいのかな。
「ということは、15から20を15から25を併合して、20から25を新たにつながりのストーリーを持ってくるか。」
「神の力?」
主人公は悪魔と戦い、悪魔を倒すのだが、どうやって戦う。
「神様、超つえええー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
を、どう演出するのか?
「神様から与えられし力?」
神の力とは何を与えられたのか?
「戦闘モノとしての、人間のロボット化? 人間のモビルスーツ化?」
置き換えと融合と連勤的な発想。人間でガンダムのモビルスーツのような攻撃方法が再現できれば良いのだ! というコンセプトである。決して鳥人間コンテストのようなものではない。
「神砲!」
ゴット・ビーム。神の光線。アメリカ大陸ぐらいなら一撃で消滅できる。
「神剣!」
ゴット・ソード。神の剣。海や宇宙空間も引き裂ける。
「これだけでも無茶苦茶な設定だろう。」
どんな悪魔がいても大丈夫。一瞬でケリがつく。アハッ。
「整理しよう。」
日が変わり、頭の中がうやむやだ。
0-5、悪魔に魂を売り渡す人間。
5-10、主人公なダメな日常。
10-15、主人公と悪魔が出会う。
15-20、戦闘シーン。
20-25、毎話の繋がり。
「戦闘が20-25だった時はどんな感じだったんだろう?」
面倒臭いけど読み返してこよう。どこかにはあるはずだ。
「決まってなかった・・・・・・。」
さすが俺。手抜きだ。手抜きでもできる物語の作り方だな。
「怖いのは話を膨らませないと30分モノではなく、15分モノになってしまうことだ。」
現状でお試しを軽く書いてみよう。
「俺はいじめっ子! おまえの物は俺のモノ! 俺の物は・・・・・・俺の物だ!」
名言だな。完全に悪魔アピールだ。
「なんて傲慢な奴だ。悪魔採用!」
悪魔にスカウトされて、悪魔と契約する。
「ギャアアアアアアー!?」
いじめっ子は悪魔と契約させられた。
「これが0-5。」
ヤバイ!? 15分アニメどころか、10分アニメになるぞ!? しかも小説でも1話1000字も行かないのでは!?
「続けてみよう。」
5-10、行ってみよう。
「おつかいに行ってきます。」
主人公の碧は母親のおつかいでスーパーに卵を買いに行った。
「しまった!? 財布を忘れた!?」
レジで財布がないことに気づくうっかりでおっちょこちょいの碧。
「俺はなんてダメな奴なんだ!?」
まさに悪魔になってしまいそうな碧。
「よくある、よくある。」
うっかり財布を忘れるという誰でも共感できる話だ。
「これでいいのか?」
それならば、うっかり家の鍵をかけるのを忘れるというのもありだな。
「ラッキー。」
次のネタを拾った。嬉しいな。アハッ。
「次、行ってみよう!」
10分から15分っと。
「寄こせ! おまえの物は俺の物だ!」
そこにいじめっ子が現れる。
「なんて理不尽な要求だ!?」
さすがに普通の人間は驚く。
「悪意に手を染めたな!? おまえ、悪魔だな?」
「なに!? なぜ私が悪魔だと分かった!?」
「おまえから悪意の嫌な匂いがする。」
碧は悪魔を察知する。
「おまえはいったい何者だ!?」
「俺は神だ!」
碧は神様から神の力を授かった。
「ふざけるな! 神などいるものか!?」
「神の裁きを受けろ!」
神々しく光を放つ碧。
「天に居ます我らの主よ。迷える子羊をお救いください。」
神の聖書を朗読する碧。
「神の代行者! 碧が命じる! ヘルプ!」
悪魔に取り憑かれた人間の心を救済する。
「ウワアアアアアー!?」
神の光が悪魔に取り憑かれた人間の心に染み渡る。
「ここは? どこ?」
「ここは迷える子羊の懺悔部屋です。」
いじめっ子と碧がいる。
「さあ、懺悔しなさい。どうしていじめっ子になったんですか?」
「・・・・・・実は私も親から暴力を振るわれていて、人を殴ることに抵抗がない人間になってしまったんです。そして弱い者を殴っていると何でも私に差し出すのでついつい調子に乗ってしまいました。ごめんなさい。」
懺悔を述べるいじめっ子。
「あなたが悪い訳じゃない。」
「え?」
意外な言葉に驚くいじめっ子。
「人間は弱い生き物です。人間の弱い心に悪魔が忍び寄って来て契約させられてしまうのです。悪いのは悪魔です。本当のあなたは良い人です。」
神の教えを説く碧は笑顔で微笑みかける。
「・・・・・・ありがとうございます。」
いじめっ子は自分を理解してもらえ救われたみたいで、涙を流しながら感謝を述べる。
「おいおい!? レリーフって救済かよ!?」
今更知った。カードキャプターさくらよ。カードを元の姿に戻すのに救済していたのね。知らなかったわ。
「レリーフ! は使えない。」
さすがに決めゼリフが被るのは良くない。
「でも王道のヘルプが残っている。」
微妙に意味が違うのでクランプは避けたのだろう。ただレリーフって、意味知っている人間はヘルプと比べれば10対1くらいだろう。誰にでもわかるという点ではヘルプ最高。
「持ち直したな。」
10-15の尺が増えた。教会の懺悔部屋みたいなものだな。救いようがない悪人にひょうきん族のように水バケツを書けたくなるのは俺だけだろうか。
「でも、そうなると0-5と5-10のボリュームが薄いな。」
話を膨らませるか悩む。小説的には文字数が足らない。アニメ的にはつまらない部分が増えると盛り上がるメインのボリュームがなくなってしまう。
「次、行ってみよう!」
15から20へ。
「でも、こうなってみるとウルトラマン、仮面ライダー、戦隊ヒーローだけでなく、鬼滅の刃、進撃の巨人、ドラゴンボール、ワンピース、名探偵コナン、アンパンマン、ドラえもんなど、結局は同じ流れの作品なのよね。」
毎回同じ展開のストーリー。プロがこればっかりだから、もうこの流れは否定できない。同じ繰り返しばかりの方が一般視聴者が分かりやすという判断なのだろう。誰でも分かりやすいという。
「クソッ! 人間め! 許さんぞ!」
いじめっ子と契約を解除された悪魔が怒っている。
「俺は人間ではない。俺が神だ!」
碧は神の代行者であり、正確には違う。
「やはり敵役の悪魔さんたちにがんばって貰うしかないのか?」
生身の悪魔? それとも悪魔型モビルスーツ? そもそも、なぜにロボットが出てくる? フィギュアが売れるか? ぬいぐるみが売れるか?
「ガンダムでなく、ガンダムのように神、天使、悪魔の名前を使用するだけでなく、神、天使、悪魔をロボットに転用できるか?」
尺がないので次話で考えよう。プラモデルが売れるか?
「それとここまでで書いたものをまとめて、現在で何字書けているのかを確認して、どこまで話を膨らませるのかを考えなければいけない。」
1話5000字で創作活動をしていても、直ぐに尺が無くなるのであった。
つづく。
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