第6話 5日目

目を覚ますと朝になっていた。


昨日最後に聞こえた声が気になった。


(おきてよ)という声


どういうことなんだろう。


僕が眠ろうとすると、いつも聞こえてくる。


そして、僕の名前。


まずはモッフーに聞いてみよう。


「モッフーおはよう。昨日のことについて聞いたいんだけど、僕の名前が道を開くってどういう意味なの?」


「なんのことっす?」


モッフーはどうやら昨日のことを覚えていないようだ。


何かヒントになるようなものはないだろうか。


ふと、部屋の隅を見てみると湧水があった。


今日は湧水か。とりあえず飲んでみるか?


水を手に掬い一口飲んでみた。


「ほんのり甘いな」


ほんのりと甘さを感じる味がした。


なんだか身体中があたたかくなる水だ。


なんでだろう。母のことを思い出してしまった。


涙がでてきた。


悲しい。


悲しい。


とても悲しい。


なんだこの感情は。


この水を飲むと涙が止まらなくなる。


僕は1日中、涙を流し続けた。


日が沈むころ、泣き疲れた僕はモッフーを抱きしめて眠りについた。


「###おきてよ」


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