第41話 この村で一番強い者


猫族の村に滞在してから2日目、アレクは有名人になっていた。




「アレクさんはとても強い方なんですよ!」


昨日の天気の子としてではなく、強い者としてソニアが村に吹聴して回っていたのだ。




大抵の村人は笑いながら聞いてくれていたが、中には気に入らない者もいたようだった。




「俺はこの村で一番強いシャームだ」


歳はソニアと同じくらいだが、体格は筋肉質の強い体形だ。


「この俺とどちらが強いか勝負しろ」




「負けないでください、アレクさん!」


ソニアも二人の決闘に乗り気でいる。




どうしたものかと考えていると、村人の叫ぶ声が聞こえた。




「狼が現れたぞー、皆、逃げるんだ!」




巨躯の狼が村を襲いに来ていたのだった。




「勝負はお預けだ。この俺が狼を討伐してやる」




この村で一番強いシャームが狼に立ち向かって行ったのだった。

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