第33話 誘拐


ソニアがいない。何処かに行っているのだろうか。


辺りを見回してみる。


すると、ソニアがいたであろうと思わしき地面に一通の手紙が落ちていた。




「メイド服の小娘を誘拐していく、返して欲しければ一人で指定された路地裏にくること」




手紙の内容はソニアを誘拐したという声明文だった。




アレクは指定された路地裏に向かった。


路地裏に入る通路を抜けると、そこは開けた空間になっていた。


軒に囲まれており、日が遮られているため、日中でも薄暗い。


通路は一本しかなく、そこを抑えられたら逃げることは難しい。




「どうやら一人で来たようだな」


薄暗い空間の奥にいるのは、先日アレクが吹き飛ばした大柄な男だった。


仲間は5人いるようだ。




「アレクさん!」


仲間の一人がソニアを取り押さえていた。




「さて、先日の報復をさせてもらおうか」




大柄の男は薄笑いの笑みを浮かべていた。


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