過去を想う9

 だが――そうといっても最早、自分がやりたい事を行う事は、冷静に考えて無理だった。年齢的にみてもそうだし、何よりも体を使う行いだったので、ボロボロになった体ではそれを継続して行うのは不可能と判断するしかなった。多くの時間をかけて集めた情報は無駄になった。10年以上かけて準備をした事が無駄になったのは非常に心にきた。そのため僕は両親を酷く恨んでいる。また家族だとは心底思っていない。ただのロクでないだとしか思ってないし、ましてや己のやった事から目をそらし、自分がやったことから逃げている様は、非常に唾棄すべき態度だという感情しか湧かない。もっともそれを原因として暴力など振るってもいなければ、何かをするという事もない。せいぜいが一生そうしていろという侮蔑の言葉を心の中でいうだけである。関わるだけで不幸になるのがもはや分かっているし、ないよりも他者を食い物として生きてきた以上はその人間が助けることがないのは、自業自得であろう。

 そういったことのため、もはや口すら利かないし、自分も他人の話も理解できない人間である以上は会話すらしないほうが適切だった。もはや興味すら僕にはない。

 これらの証拠は色々と集めていたため、民事を行っていも良かったが、これは最後の手段であろう。また可能性として精神鑑定が発生した場合は支払い能力がないとなる可能性もあり、それを行うよりも無視をして出来るだけ関わらない方がいいという判断をしたのものある。

 とにかく無駄になった以上はあらゆる面で関わらないのが一番だった。またこうしたことから幾らかの余力が生まれたため、先を考える事ができるようになったのだった。

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