過去を想う8
こうしたことから、僕は自分でも訳の分からない身体を不調をだいぶ前から抱えるようになった。時折、心臓が痛くなり、立っていられなくなったり、不眠で眠れなくなったり、はたまた体に痛みを抱えて動けなくなったり……症状としては何が原因でどれが悪いのかというのが良く分からなく、病院にいって心臓の検査をしても異常がなく、体の痛みなどは凝っているというのは分かっても、何が悪いというのが分からなかった。不眠にしてもそうで、結局のところ何も解決していない。無理矢理眠らせる事はできても、不眠自体は解決することはなかった。
原因という原因は分からなかったが、そのきっかけ自体は何となく分っていたので、それを解決しようとすれば今度は母親からの罵倒が飛んでくるしまつである。これは今思っても分からないのだが、何故か自分の体を治そうと行動すると、罵倒をする――というよりも、毎回何故か罵倒を受けていた。とはいえ僕は人間のつもりでせっしていたので、それを怒ることはなかった。
しかしこの怒らないということが母親にとってはよろしくなかったらしい。大抵の場合においては怒られなくても注意でなんとかなるのが人間だと思うが、深い考えや知識がないものであると、それでは分からないというのが現実だった。注意や論理的な事では響かないのだ。もっともそれを知ったのは、だいぶ先であり、当時は全く思いもしなかったが。
そうこうしているうちに、体の不調は進み、その内ブラックアウトと体にしびれが現れて立てなくなる。ここまできて、もはや僕は我慢の限界であり、怒った。それで初めて色々と進むことになる。もっとはやく怒れば良かったと思いながらも、色々と止まったが、それでも自分の何が悪かったのかを理解までしていない――行動を辞めたのは怒られて怖いからにすぎない――母親を見ていると、どうにもやるせなさを感じるの事実だった。頭が弱いゆえに意味が理解もできず、言葉も意味をなさない。意味が成すのは動物としての面に訴えるやり方のみなのである。だとするならば素人の人間が関わること自体がよろしくないし、人間を相手としたやり方では意味がないということにもなるからだ。
とはいえ、色々と停滞していたものが、進んだのは事実だった。もっとも僕の症状は治ってないし、いまだに療養中の身だ。けれども出口がみえないのが見えたのも事実だった。
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