蛇尾の山・事件発生編
10 3年の時間と成長。脅威の芽吹き。でもロ〇ペタァ……
皆様、エリス・クロスフィードから唐突ですが報告します。
なんと、保護されてから3年も経過しちゃいました。週刊誌漫画にも良くある、主人公が強くなるには時間が必要だからいきなり時間を飛ばす。その現象ですよ!! (メタ発現ヤメレ)
まぁ、この3年間は勉強とその実践に費やしていたら、勝手に過ぎていたという感覚に近い。
知識を付けたら行動し、日々実験という名の鍛錬をしてレベルを上げる。結局、聖都の外に出られるまでに2年。そこから更に1年をかけて自分の理想に近い装備や道具を揃えるために動いていたら今。その程度の感覚でしかない。
おかげで現在のレベルは89。成長速度が異常だと周りには言われているが、スキル『未成熟ゆえの急成長』による経験値補正が大きいのだろう。レベルだけでなく、既存のスキルの成長と新規スキルの獲得も順調に進んだ。
その結果をみんなに(誰にだ)見ていただこうと思う!
名前:エリス・クロスフィード
種族:黒エルフ(幼生体) Lv.89 クラス:未登録
HP:7025 MP:2000000
STR:4300 VIT:3500
INT:10000000 MND:890000
AGI:2000 DEX:30000
LUK:5000 CRI:10000
CHA:EX
パッシブスキル
・黒エルフの幼生体。ありとあらゆる能力と身体が未成熟なため、能力が常に数字よりも低下する。
対象:全ステータス—50%
・黒妖の才能 その黒き肢体は見た者を魅了する。魅了した相手に対し、クリティカル率上昇・ダメージ最終値に若干の補正。現在幼生体のため効果半減。
対象:CHA+30%(+15%) ダメージ+15%(+7.5%)
・黒エルフの戦技 黒エルフ伝統の戦技術を納めている証。闇討ちスキル。
対象:背面攻撃 CHI+20%
・未成熟ゆえの急成長。何も知らない体は、ありとあらゆることを学習できる。なお、幼生体から成体になるとこのスキルは消滅する。
対象:成長値 EXP+20% スキルEXP+30%
・告死の戦乙女:Lv.4(ユニークスキル)数多くの世界において強き者を屠り続けた証。戦闘における自動バフ。強き者を倒すたびにレベル上昇。
対象:全ステータス +55%
・
・鑑定 通常の鑑定スキル。対象の物や人を見ることが可能。
・劣化複製
・狩猟者の瞳 遠くの獲物を視る。森や都市など、開けた大地ではなく雑多な場所に特化している瞳。距離ではなく察知、追尾に特化している。
・夜鷹の瞳 暗い場所でも昼間のように見える。深淵エリア、または見通すことが許されない場所においては効果を発揮しない。
・髪は神に通ず(ユニークスキル) 日本神道にもある言葉。自らの髪を使用して大気中の魔力を吸収することが出来る。一定以上の髪の長さがないと発動しない。
回復値 1分・最大MPの2%
・金属加工・鍛造:Lv.6 金属を使用した武器や鎧などを造れる。Lv.5以上からは彫金も簡単なものであれば可能。
・木工:Lv.4 木材加工スキル。簡単な小屋程度までならば作成可能。
戦闘スキル
・全属性魔法:Lv.7 全ての属性の魔法を使える。レベル上昇で強力な魔法が使用可能になる。ただし、個別属性魔法スキルと比べて、同じ魔法を使用しても若干威力は下がる。
・多重魔法:Lv.4 同属性・多属性の魔法を同時に使用するスキル。このスキルを使用しなくても可能だが、その発動までの時間が増加し、魔法の威力が極端に低下する。レベルの分だけ、同時行使出来る魔法の数が増える。
・魔力過剰積載術:Lv.6 通常の魔法に対して、通常よりも多く魔力を載せることで威力を拡大させる。発動までの時間延長とリキャストタイムの延長が発生する。
・短剣術:Lv.8 短剣を扱う技術。
・片手直剣:Lv.6 直剣を扱う技術
・魔力加速・抜刀術:Lv.7 刀を扱う技術。魔力による抜刀速度を上げた居合術。一撃必殺の術であり、打ち合うのには不向きの技術。
・弓術(西洋弓):Lv.2 弓を扱う技術。
・弓術(和弓・大弓):Lv.5 和製の弓、または大型弓を扱う技術。
・解体術:Lv.9 倒した獲物などを解体できる。レベル上昇で難度の高い魔獣の解体が可能。また解体によって手に入る素材の品質が上昇。
・双戦術 剣・短剣・銃 上記片手武器を両手に装備可能
・魔力身体操作 筋力ではなく魔力で肉体を把握、支配、動作させる技術。本来の筋力では出せない力を出せるが、その分だけ体に負担がかかる。
・黒の導き 影の多い場所や、夜闇の中での身体能力の向上。敵の簡易行動予測も可能。ただし、行動予測は脳にかかる負担が大きいために長時間は不可能。
加護
・森妖精族の加護
・漆黒林妖精族の加護
・夢魔の加護
とりあえず、数字だけならば現状でもすでに化け物級だ。
クラスが今現在でも決定されていないのは不思議だが、固定の何かをしていないのも確かなので文句は言えない。通常のゲームであれば極めるのは一つだけだったが、現実の肉体の縛りがない事をいいことに、複数のことに手を出してみることにしたのである。もっとも、リアルな感覚の肉体があることでの肉体的疲労感の蓄積とその回復。その意味ではVRゲーム時代よりは時間を効率的に使わねばならない。忙しくて、楽しくてしょうがない。そんな自分が、どんなクラスにゲームシステムが固定するのか、今はまだわからない。
ただ一つ、断言出来ることがある。成体となってステータスの更なる成長とデバフが失われた時、この体はアーサー王に届きかねないと。
他のステータスと比べて魔法関係と魅了のステータス上昇値が飛び抜けて高い。
少なくとも、レベル89の数字ではない。もしそうでなくこれが通常の上昇値だと言われたら、特化種族の特徴なのだと言われたら? はっきり言って最低限のバランスも考えることが出来ないのかと、運営に殴り込みに行くレベルだ。
この出鱈目なステータスは――数字が保証する力は多くの者にとって視認できる脅威だ。
力は物理的な脅威となるし、魅了の力が上がれば民衆の心をアーサー王からエリスへとつけかけることも出来るかもしれない。物理・精神的の両方の意味で、国を傾けることが出来る存在になりつつある。
たった3年でこれなのだ。あと数年、わずかな時間の経過があれば今以上に成長するだろう。私自身の意思のよって世界にもたらされる結果は大きく変わるだろう。今のところは多くのことを学び、実践するのに忙しい。けれどもし、この世界が現実と同じ様になるのであれば……。
おかげで、最近は私への監視の目が厳しくなった気がする。というか、間違いないだろう。ただ、監視もその種類によっては不味いことになることが多い。気づいた私が、監視者とその組織を調べた私は悪くないと思う。
結果、判明した私につけられている監視は三種の組織から。
一つは王城の騎士たちから、一つは神官団から、最後の一つは宰相の直接的に動かせる正体の良く分からない謎の集団からだった。騎士と神官団、これは正直問題じゃない。騎士ならば、最初に出会ったヒースクリフレベルの強者が出てこない限りはどうとでも出来る。神官団の監視は、あれらの目はどちらかというと…… 。
(あれは実験動物を見る目よね。元々、神官団は魔法やスキルに対して研究をしている組織だと言っていたしわからないんでもないけど……正直、良い気分はしないよねぇ)
今のところはお互いが研究と自己研鑽の道具として利用しあう。そんな、ある種ウィンウィンの関係を保てているのである程度は捨て置いていいと思っている。状況が大きく変わらない限り、こちらからも、向こうからも手を出してくることは無いだろう。というか、出せない。デメリットの方が大きすぎるのだから。
最後の一つ。宰相の手下である謎の集団。
騎士の中の精鋭部隊と同じかそれ以上の強さを持っているらしく、監視されていることに最初は気づけなかった。ただ、明確に気づけなくても違和感を感じることは出来る。ゲームシステムによって生み出された能力ではなく、プレイヤー自身、人間自身の生まれ持ったプレイヤースキル。同じアバターを用意しても、それを使う人間次第で力は大きく変わる。
エリス・クロスフィードではなく
そこに、どのような種類であろうが自分へと悪意が存在すると。その察知能力がなければ、絵里はとっくの昔に死んでいた。そういう経験をしてきた人間なのだから。悪意に敏感すぎる人間だからこそ、人の世界に馴染めないとも言えるのだが。
もう一つ、そこに疑問はあるのだがそれは置いておこう。
さて、長々と私の近況を語ったわけだが……今現在何をしているかというと。
ばりばりに戦闘中だ。
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