第2話
午前中の授業は相変わらず退屈であった。
数学や世界史、科学これらを学び、果たしてそれを活かすときがくるのだろうか? 答えは否だ、役立つわけがない。
僕は昼休み、定位置である体育館横の人気のない段差に座り込み、冷え切った弁当を広げた。
猿と対して変わらないような、騒がしい奴らと一緒に飯を食う気はない。
外気温は暑く、夏の熱気が尾を引いて、九月の残暑が厳しくある。
弁当を食べ終わり、僕はなんとなくあのアプリを開いた。
「久しぶりっ! と言ってもまだ、半日も経ってないか」
彼女は元気よくそう言った。
「君は元気だな」
「うん、私、貴方に会えてとても嬉しい、だから、元気なの」
「そうなのか」
「ねぇ、貴方はどんな女の子が好みなの?」
彼女は頬を赤らめながら言った。
「まぁ、そうだな、それなりに可愛くって、性格が良ければそれでいい」
「もう! そうじゃなくって、どう言う雰囲気や髪型、服装がいいか訊いてるの」
「ああ、別に格好は問わない、だが、強いて言うならポニーテールが好みだな」
「そうなんだ」
彼女は一体何者なのだろうか? 会話は成立しているし、ただのゲームではなさそうだ。となると、誰が僕のスマホにクラッキングして3Dモデルを使い話しかけているのか? それにしては、画面の中の彼女は出来すぎていた。
僕は彼女に対する好意があるわけではない、ただのお遊びだと思っている。
しかし、何が面白くてこんなことをするのだろうか? 僕は訝しげに彼女を見つめたことだろう。
「そんなに見つめられると照れるよぉ」
「すまない」
丁度、タイミングよく、予鈴が鳴った。
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