第26話レベルの消失
宿を出てギルドへ向かうとつるはしと石材を持った男たちがいた。なんだ?
困惑しているとギルド長とグレンが来た。
「おお!マサトじゃないか!来たか!さてと、では連れて行って、貰おうか!」
なんだ?行動早すぎじゃないか?
そんな俺の前にライラが立ちふさがる。
「正人君にダンジョンまでの道を開けてほしいのなら回復薬とか用意してますよね?」
「ああ、もちろんだ!10本ほど用意させてもらった。」
ギルド長がそう言うと満足げにライラは引いた。
2㎞もあるくのは、歩くのだるいなと思っていたら馬車が来た。当たり前か、石材とかあるもんな。
俺たちはギルド長と馬車に乗る。
「そう言えば、魔物の強さはどれくらいなんだ?おまえさん、今どれくらいのレベルなんだ?」
そう聞かれレベルを確認するしばらく確認してなかったな。
天霧正人(人?)
???
魔力(50000/50000)魔特性(火、水、闇)
スキル なし
称号 永遠の童貞、魔力貯蔵庫、人間不信
「嘘だろ!」
驚きの余り俺は叫んだ。
「ど、どうしたんですか!正人君!大丈夫ですか!」
ちょ、ちょっと待てレベルの表記がないぞ!何度見てもない!嘘だろ?
これどういう扱いなんだ?神界を出る前確認したときは10前後あったはずだ。とりあえず深呼吸して
「10前後だ!」
以前見たレベルをギルド長への質問の答えとして答える。
「急に叫んだからびっくりしたぞ、なんだったんだ?」
「いやなんでもない大丈夫だ。」
グレンが俺の顔を見る。
「いや、顔真っ青だぞ?大丈夫か?」
大丈夫なわけないだろ!どうすんだよこれ!人間で言ったら腕が無くなったようなもんだぞこれ。今の俺の強さどれくらいなんだよ!わからん!
と叫びたいのを抑えてごまかす。
「馬車に酔っただけだ。問題ない」
「しかし10前後で脱出できたことを考えるとそこまで難しいダンジョンではないのか?」
ギルド長はそう言った。
「そんなことありません!正人君には爆破付与の石がありますから!」
ライラが俺をフォローするがこれはダメだ!今の俺はレベルがないそんな人間の手の内を晒すような真似はしてほしくなかった。
「その爆破付与の石ってのは・・・」
「ごほん、あ”あ”あ”」
俺は声を出して踏み込むなと警告を出す。
「あ、す、すまない」
察してくれたようだ。
10分ほどたって馬車がゆっくりと止まる。着いたようだ。
俺は破壊付与の石を取り出す。破壊付与の石は魔力をチャージして使うものなので昨日チャージしておいた。チャージには半日かかるのでまだまだ改良は必要だ。
「行きます!」
借りたハンマーに爆破付与をして洞窟を叩く。ダイナマイトを爆発させたような爆風が起き一気に穴が開いた。
「おお!すごいなお前さん!これならダンジョンの壁を破壊できたって話も嘘じゃなさそうだ」
信じてなかったのかよ。
かまわず何度もたたくと固い感覚を感じた。ポーションを一本飲み、怪我を治し再度本気で叩くと壁が崩れた。ダンジョンだ。
「貫通したぞ!」
そう叫ぶと石材を持ってきた人たちが空けた穴を拡張して固め始めた。
俺はギルド長のもとへ行く。
「おいこれで意味あるのか?ダンジョンの形が変わったら意味ないだろ」
「あるんだなそれが!今壁に塗っている素材は形が変わるダンジョンの形を固定するためのものだ。これがあればダンジョンの形を維持できる。」
「魔族だ!うわあぁぁぁ」
俺が空けた穴から叫び声が聞こえる、なんだ!?魔物か!
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