第25話光聖の宿
ギルマスに一通りの話をした。
「なるほどつまりダンジョンの形は一時間おきに変わって、君たちが空けた穴はすでにふさがっていると、それは君ならダンジョンへの道を開けられるという事だな」
ライラが俺の前に来てギルドマスターから守るような姿勢になる。
「何する気ですか!正人君はダンジョンで一睡もしてないんです!しかも、もうボロボロです!やめてください!」
ギルドマスターが焦って否定する。
「ひ、違う!何も今日やって欲しいと言う訳ではない!」
そう言って慌てるギルドマスター。
「取り敢えず今日は宿に泊まって休みます。それで明日来ます。それでどうですか?」
「わかった。それでお願いする。これが特待カードだ。」
そう言って渡されたカードは高そうな煌めきを放っている。
「それと白金貨5枚と金貨5枚だ。」
白金貨5枚と金貨5枚、550万だ。かなり高いな。まぁありがたく貰っておこう。
「ライラ、じゃあ宿に行こうか。イオとはここでお別れだな。」
そう言ってライラと宿へ向かう。
「は~大きいね~正人君」
「ああ、大きいな」
想像以上に高層だった。5階くらいか?いや神界でデパートみたからそこまで驚くような光景ではないがこの異世界の街にここまで高い建物があると違和感しかない。
ロビーに入るとさらに高そうな雰囲気がバリバリする。
「いらしゃいませ光聖の宿へ」
なんかすごそうな名前の宿、ここだよな?
一応特待カードを見るとしっかり光聖の宿と書いてあった。
「あらあら、特待カードお持ちじゃありませんか!あなた方はこちらです。」
そう言って連れられたのはスイートルームだった。一泊いくらだこれ。
俺とライラは部屋を別れそれぞれ個室に入った。風呂あるじゃん!寝たい気持ちはあるけど先に入って気持ちよく寝よう。
俺はしばらく風呂でゆっくりした後出てきて、そのまま寝た。
ノックする音がする。なんだ全く・・・そう思いながら扉を開けるとライラがいた。
「どうしたラ・・・」
その先はライラの悲鳴にかき消された。
「きゃああああ」
顔を真っ赤に染め自室に帰ってしまった。・・・あ!裸だった!一気に目を覚ました。走って服を着てライラの部屋に向かう。
「ライラ!ごめん!寝ぼけてたんだ!ごめん!話を聞いてくれ!」
そう言うとライラの部屋から声が聞こえる。
「正人君!そう言うのはまだ早いです!早いんです!」
これは、ライラが落ち着くまでそっとしてた方がいいな。そう思い帰ろうとした直後、背後に気配がする。振り返ると先ほどの美人な女主人だった。
「あの、いくら連れとはいえそう言う行為は困るのですが。」
俺は全力で拒否する。
「いや、待て!違うぞ!そんな気はなかった。疲れ果てて風呂に入った後そのまま寝ちゃったんだ!」
その弁解を聞き、安心した様子を見せる女主人
「そうですか、それは申し訳ありませんでした。お食事ができていますがどうしますか?」
俺はライラの部屋を見る。
「いや、ライラが出るまで待つから後で行く。」
「かしこまりました。」
そう言って女主人は立ち去って行った。
30分ほど待つとライラが出ていた。俺の顔を見た瞬間顔を赤く染めたが逃げることはしなかった。
「あらあら、意外と早かったですね。お食事ができています。こちらです。」
朝ごはんだけあって日本で見たことがあるパン食が出てきた。こちらでは高級らしい。
「お気に召していただけましたか?」
「はいおいしかったです!」
ライラがそう答える。
「この宿っていくらなんですか?」
俺は気になっていたことを聞く。
「え?聞いていないんですか?特待カードをお持ちの方は無料ですけど」
俺はドン引きする。ええ~しかもこれ使用制限ないじゃん!ただほど怖いものはない!
そう思い警戒する俺であった。
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