第27話特殊個体とレベル喪失の体感
俺が空けた洞窟から魔物が出てくる。
「なんだぁ?俺が作った洞窟を何度も何度も穴開けやがってよ!
出てきたのは黄色の体に尖った頭、エイリアンを彷彿させる外見の話す魔物だった。
ギルド長とグレンはすぐに戦闘態勢に入る。
「特殊個体だ!気を付けろ!」
「特殊個体ってなんだ!」
俺は剣を構えながらグレンに尋ねた。
「魔王が直々に生み出した特別な魔物だ!場合によっては四天王より上だ!気を付けろ!」
特殊個体.....神界に伝えるべき情報かな?
「ごちゃごちゃうるせぇ!」
特殊個体は尖った爪を振りかぶった。その衝撃波が俺を吹き飛ばした。ライラは反撃に火魔法を放つ。
「がはっ、くそマジ強いな。」
血を吐きながら起き上がる俺を見て特殊個体の魔物は唖然とした顔をしている。
「な、なんで生きてんだ、人間が喰らったら上半身と下半身がお別れするくらいの威力は込めていたはずだ!」
困惑している奴の後ろにライラがひっそりと移動する。
「お前どんな体してんだ!この化け物が!」
混乱している魔物の背後からライラが鋭い斬撃を繰り出す。
「がああああ、俺の左手が!このアマ!死ね!」
俺も目で追うのが限界な速度で特殊個体が爪を振る。そんな斬撃をひらりとライラは躱す。
ライラに注目が行っている間に俺が近づき神界産の毒を塗りたくった剣で特殊個体を突き刺す。
俺の剣は特殊個体の背中から腹までを貫通して奴の体に猛毒を流し込んだ。
「がはっ、うぅ~なにを”したーがは、ゴホゴホ、はぁはぁごろず.....」
そういって力尽きた。
「おお!力がみなぎる!大きくレベルアップしたぞ!」
グレンがそう言った。だが倒した俺は何も感じない。本当にレベルが無くなったんだな。
一度神界へ帰ろう。ちょっと早すぎるがイレギュラーが多すぎる。
・・・帰り方がわからない...教会とか行ってみるか・・・
「人がかなり死んだ。一回帰らないか?」
ギルド長は静かにうなずくと馬車に乗った。そのままギルドについて解散となった。事後処理は任せるとして教会に行こう。
教会はギルドから100mもない距離にある。
俺は、ライラと教会へ向かう
その途中の道で、
「マサト!そこではなく教会の裏手に回ってくれる?」
アスタルテの声がする。
「ライラ教会に裏だ」
「わかった。正人君歩くの早いなんで急いでるの?叫んだ理由も聞いてなかったけど何?」
「ああ、そうだな、困惑してて話してなかった。俺のレベルが消えた。」
「.....え?えぇぇぇぇ!なんで?ど、どうしよう!大丈夫?」
ライラが俺の体をぺたぺた触診する。
「問題なくはないがそれはあの訳の分からないスキルのせいだ!とりあえず問いただす!」
教会の裏に来ると体が浮遊する感覚に襲われる。
しばらくして目を覚ますといつもの神界に来ていた。そして俺たちがいる部屋はいつもの書庫だ。
「あ!え?マサト?なんで?地上に行ったんじゃないの?
唐突に出てきたんであろう俺たちを見てリンナは驚いている。
「ああ、少しな、アスタルテに用があるからじゃあな」
「ちょ、ちょっと待ってよなんで神界にいるの?一回地上に言った人間は再度はこれないはずなのにどうやって来たの?」
「鬱陶しいな、急いでるんだ、」
そう言ってリンナを置いてアスタルテを探す。
「ごめんね」
ライラがリンナに謝ってから俺についてきた。
長い廊下を歩きアスタルテの部屋の前に来た。そのまま開ける。
「おい!アスタルテ!転生特典のスキルが俺に牙を剥いてきたぞ!レベルが消えたんだがどういうことか答えろ!」
「え?何?ちょっと待って調べるから」
アスタルテの視線が俺を射抜く
「え!何で神でもないのにどういう事?詳しく説明して!」
アスタルテが俺を問い詰める。聞きたいのはこっちなんだが?
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