第14話 アリサとのデート
今日はアリサとデートの約束がある。朝7:50デパート前に俺は来た。10分も前に来ていれば十分だろう。だがアリサはすでに来ていた。早いな
「おまたせ。いつから来てた?」
「へ?あ、今来たところだよ!大丈夫!」
俺がいきなり来て驚いたようだ。頭の上に乗っていた、鳩が飛び去った。明らかにかなり前からいたっぽい。
「じゃあ行こっか。今日はどこを案内してくれるの?」
「いや...そもそも俺は神界に詳しくないし知らないところを案内って言われても困るんだけど」
「で...でもさ調べたりするのが普通じゃない」
「いや、調べようがないじゃん」
「確かに、そうだね、あれ?お金もない感じ?私がおごるの?あれ?これってデートかな?私、心配になってきたよ。」
これからのデートの展開を予想したのか心配そうにオロオロし始めるアリサ
「大丈夫だ。昨日の夜リンナが書庫を掃除したときのお礼をくれた。現金で、自分の分くらい自分で払うさ」
「そ、そっか良かった。じゃあ案内するね。まずは神界で一番人気の場所映画館よ!」
何を上映するのか疑問に思い聞いてみると、どうやら色々な世界ではやった映画を神界に輸入しているらしい。ちなみに今から見る予定なのは日本でブームにすらなった、映画だ。
「これ日本の映画だけど見たことある?見たことあるならやめるけど。」
「いや、見たことはないぞ?映画館まで行くのが面倒くさかったからな。」
それを聞いて、アリサは安心したように椅子に腰を掛けた。俺はその席から一席離れて座る。
「いや、いや、なんで私から離れるの?ねぇ?デートだよこれ!私の隣に座れよ!」
そう言って俺の隣に座ってくる。こいつは何を言っているのだろうか?
「おいアリサ、お前何を言ってる?俺は最初っからこの席を取っていたぞ?ちゃんと自分の席に座れ」
それを聞いて呆然としたアリサ、え?私の事嫌いなの?と思っていそうな顔をしている。
「悪いな...俺はあんまりベタベタするのが好きじゃないんだ。」
「そう分かった」
そう言ってアリサは離れた。なんだか悪いことをした気分だ。仕方がないこの映画が終わったら埋め合わせをしよう。そう思いながら映画を見終えた。映画は可もなく不可もなくと言う感想がぴったりであった。
「どうだった?面白かった?」
上映前の会話で少し距離感が出てしまった。少し遠慮がある。仕方がないお詫びとして何かしよう。そう思いアリサに希望を聞くとそんなものは要らないからゲーセンに行こうと言った。ゲームセンターも様々な世界から持ってきているらしい。地球で見たことがあるもの見たことがないもの色々見ることができる。
「さてと...勝負よ!マサト」
俺たちは日本でよく見る太鼓のゲームに前に立っていた。申し訳ないがこの手のゲームはガチのガチでやりこんでいた。正直負ける気がしない。
「負けたらどうする?」
「お昼おごりでどう?」
正直これはデートなのだろうか?と思いながら俺は了承した。勝負は初めから見えていた。だが先ほどの映画の兼もありわざと負けてやった。アリサもそこそこうまいこともあり負けやすくて助かった。
「やったぁ!私の勝ちよ!さてと何をおごらせてやろうかな」
くっくっくと笑い出すアリサこの顔が見れただけでも負けてよかったかもしれない。そう思っているとアリサが俺の顔の前で手を振った。どうやら話を聞いてなかったらしい。
「なんだ?決まったのか?」
「うん。映画館で色々お菓子食べておなか一杯だから、晩御飯おごってよって言ったんだけど?」
なるほど、正直俺もお腹一杯だったっからありがたい。そう思いアリサの提案に賛成した。そして夕方までゲーセンで遊び続けた。夕方まで時間を忘れていた。
「焼っき肉焼肉!」
焼肉を前にテンションがおかしくなっているアリサ。そんなアリサに俺は肉を焼いてやる。どうやら俺は肉を焼く係らしい。俺も食べたいんだけど...アリサは焼けたものからおいしく食べている。
「神界の肉うっま」
まず香りだ。香ばしい香りが鼻孔を刺激する。濃厚なとろりとした琥珀色の汁、唾液を誘いだすその匂いがたまらない。口の中に入れるとじゅわぁと溶けて消えてしまったような感覚を覚えた。
そしてそこからは肉の争奪戦が始まった。俺は変わらす焼肉係をさせられているので、先手はアリサに取られる。だがこちらも負けていられない肉を焼く係の特権とも言える技を繰り出す。肉を裏返す動作のまま俺の皿に移す。
アリサも負けじと肉をかすめ取る。この戦いは、俺たち二人が満腹になるまで続いた。
「「やばい........お腹いっぱい過ぎて死ぬ」」
二人とも途中からどちらが多く食べたかという事ばかり気にして自分の胃の容量を把握するのを忘れていた。
「じゃあね.....今日は楽しかった」
アリサはそう言って俺の頬にキスをし顔を真っ赤にして、去ろうとする。
「いや待て!約束の魔導書忘れるな」
「あ”!」
どうやら完全に忘れていたらしい全く一番大事ことだろ!アリサは申し訳なさそうに魔導書を手渡してきた。
「いや...ごめん、楽しくて忘れてた。」
「いやいいさ...」
そして俺たちは帰路へとついた。帰りがけ暑くなった顔に冷却魔法をかけながら俺たちが泊まる書庫へと帰ると
遅い!とライラとリンナに怒られた。なぜか二人はデート内容を詳しく聞いてきた。なぜあんなに必死だったのであろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます