第13話 秋風の女神はどんなやつ?

「なぁ...今更だけど少し思った事聞いていいか?」




「いいけど?」




リンナは少し心配そうにそう言った。




「いや...な?リンナって春風の女神なんだよな?」




「うん」




「でも本が大好きだよな?」




「うん...」




何か突かれたくない部分を突かれたように顔を背けながら肯定する。






「お前・・・本当に春風の女神か?秋風の女神の間違いじゃないか?そんなに本が好きなのって読書の秋って感じで、秋風の女神じゃないか?」




「わーーーーーわーーーー何も聞こえないぃーーーーーわーーー」






全力で俺の声をかき消そうとするリンナ。




そんなリンナに構わずアリサが俺に説明する 




「いや、そのね?秋風の女神のアキナはスポーツが大好きなのよ。読書の秋、スポーツの秋、そして食欲の秋。私以外の風の神は、分裂したときに、秋風の神の余りを押し付けられたのよ。それが自分の司る神としての内容と乖離してて本人たちは大分気にしてるの」




「そうか.....なんか、ごめんな?」




「謝らないで!!みじめになるから、っていうか私、今外に出てるから!!引きこもりじゃないから!春風の女神らしく外に出てるからぁ」




「ああ、わかってるお前は今引きこもりじゃないああ、その通りだ。別に外に出たから春風の女神らしいのかは、疑問だがお前は引きこもりなんかじゃない。俺は、わかっているぞ」




俺は優しく接してあげることにする。






「ううぅーおうち帰る!!うぇーーーーん」




普段優しくしない俺が優しく接したのが心に止めを刺したらしく泣いて帰ってしまった。悪いことをしたなぁ帰ったら強化収納魔法を解除して傷心した心を本で癒してもらおう。




傷心した心を本で癒すあたり永遠に春風の女神としてのコンプレックスが治りそうではないけどな






「ひどい止めの刺し方したね」




俺たちの会話を見ていたアリサが苦笑する。




「いや、途中から面白くなちゃってな」




「わかるよ!リンナは反応がかわいいからね。うん!いじめたくなるさ」




「ところで夏風の女神の性格の特性ってどんなのだ?」




「え”いや夏って熱いじゃん!」




「おう熱いな!それで?」




「う"うん、その暑いと部屋を冷却魔法で冷やして引きこもりたいじゃないですか。」




「おう!そうだなそれで?」




「はい.....引きこもりです!ごめんなさい!!こんなにギャルっぽく接してごめんなさーい」



何か心の傷を突いたようで、アリサも走って消えていった。だが逃がすわけにはいかない!先ほど冷却魔法と言っていたはずだ。素晴らしい!冷却魔法ぜひものにしたい!追いかけよう!!




「待てよーアリサさん!」




「う”あぁぁん何で付いてくるの!来ないでよぉ」




「いや無理だ!俺はお前が(使っている魔法が)欲しい」




「へ?」



ピタッと止まったアリサ。勘違いさせちゃったかな?必要ないと思って省いたんだけど




「わ、私が欲しいってそんな・・・」




内またをもじもじとすり合わせるアリサ...いや、勘違いだよ?





「いや勘違いすんなよ?お前が欲しいんじゃなくてお前の使うその冷却魔法が欲しいんだ」





一瞬呆然とするアリサ。そして再起動する





「なんだよ!うがぁぁ私の長い人生にも春が来たと思ったのに!」




ガンガンと地団駄を踏むアリサ...どんだけ悔しいんだ。




「そんなに気にしてんのか?処女なことを」




「ち!ちちち違うし!べ、別に~処女だからって悪いってことないでしょ?ねぇ?」




「おう!そうだな!」




「うっわどうでもよさげ。」




「いや、だって数万歳のば..お姉さんの経験とかどうでもよくね?」




「おい、お前言ってはいけないことを言ったな!」




なぜか怒り始めた。おれは、「ば」って言っただけで別に何も言ってないぞ果たして何と勘違いしたのやら。




「どうでもいいけど冷却魔法教えてくれ」




「いやいやいやなんで?なんで教える必要がある?」



「頼むよ、教えてくれたら俺にできることなら何でもしてやるから」



「.....本当ですか?マサトさん」



「ああ、まぁいいぞ」



「おっけーじゃあ、男性経験が欲しいので明日デートしてください。」




急にギャルっぽくなった。そういう風に演じているんだろう。特に顔を赤らめながら、赤い髪をくるくるいじってる。




「デートするだけで魔法が教えてもらえるなら安いもんだ。でも風魔法とか使えないから魔法適正がなくても冷却魔法使えるように頼むわ」




「いいよ!魔法の書を渡せばいいよね?魔力込めたら使えるやつ」




「そんなものがあるのか!よし!それくれ」




「わかった!じゃあ明日8時ね。今日会ったデパートの前ね!」




そう言って俺たちは別れた。なんだか俺神界に馴染んでいるな。っていうかいつまでここにいるんだろう?

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