第10話 強化魔法の真価 (修正済み)

 正人は強化魔法で一冊5㎏もある本を10冊ほど積みあげて持ち上げた。



「あぁ本当に重いよー正人君もっと積んで運んでよ。」


ライラが半泣きになりそう言った。


「いやいやいや10冊も積んでるぞ?無理だ!」


「いやいやいやもっと効率的に片付けないと!だって........」



二人して書庫を見る。先ほどまで、そこそこ大きい書庫だと思っていたが邪魔な本をどけると、先ほどまで見えなかった場所が見えてきた。ここは日本でいう国立図書館の数倍大きい大図書館だったのだ。


その大図書館は床が見えないほど本が散乱している。


片付け終わるのは数年後かもしれない。



「あのさ?言ったよね?強化魔法は込める魔力量で階位が変わるってほら!もっと魔力を込めて6級強化魔法くらい使わないと片付かないよ!」



「は?リンナが言っただろうが??6級とか一流冒険者が使うものだって俺じゃ無理だろ?」



「だーかーら強化魔法は他の魔法と違って魔力込めるだけの普通の魔法とは違う系統なの!君みたいな、化け物魔力なら数時間でも余裕で発動できるよ!」



確かに今は一秒に1ずつ消費している。これを増やせはいいのか。今は回復量の方が多いいくらいだ


100くらい込めてもいいかもな。........いや怖いから少しずつ上げていこう。



「ちなみに6級は一秒あたりどれくらい込めるんだ?」



参考に聞いておこう。



「11級が1mpそこから5ずつ増えて5mp、10mp、15mp、20mp、25mpと増えるわけ!だから、6級は一秒あたり25だね」



「なるほど100込めようとしてたのが間違いだったのか」



「はぁ?馬鹿?そんなに込めたらさっき直したばっかの手が吹き飛ぶよ?」



「いや、どれくらい込めたらいいとかの指標がわからなくて........ってことは30,35,40,45,50か50込めたら1級か!余裕だな」



「いやー?違うけど?5級からは20ずつ増えるよ?3級からはまた違うけどそれはまた別の話!今は無理だから。君のレベルが低くて6級までしか体が耐えれないよ。」




「じゃあとりあえず8級くらいで一気にやるか!『ブースト』」






手を握りしめてちゃんと動くか確認する。なるほど強化魔法は消費mpの量がネックな問題なんだ。


通常の魔法は10MP使えばそれで効果は発動するけど強化魔法は常にMPを消費する。強化魔法はもったいないな。




それに5級の消費量は20mp、MP100の人が使えば5秒しか持たないならば11級で100秒使った方がいい。




5秒しか使えない魔法などいらないだろう。


実戦で使えるか使えないかの問題か。まあ今の俺には関係のない話か........






「ところで風魔法とかで片せないのか?だるいんだけど」




「マサト、風魔法使えないじゃん、でーもー方法がないかって言われたらあるんだよね」




リンナがか顔をググっと近づけてくる。




「人間たちが特殊魔法だと思っている魔法は実は!神術に照らし合わせると無属性魔法に分類されるんだよね!」



「つまり私なら君に加護という形で無属性魔法の適性を与えることができるのだ!!いやー実は君たちがポイントとして変換したスキル?あれさぁ私たち神々がそれぞれポイントと交換の販売って形で出品したものなんだよね」




「ほう?お前、春風の女神って言ってただろ?風の加護が欲しいんだが?あと俺はそのポイント買ったのにもらえてないんだが?」



「いやーそれについてはわからないかな?その販売元に聞いて?ちなみに私が今から与える加護は速読の加護なのでヨロです」




なるほど........春風の女神のくせに書庫に引きこもってるから与えられる加護も本に関係するものになってるのか!ウケるんですけど



「はい!手かして!」



乱暴に手を取ると何かぼそぼそ言い始めた。そして手を離した瞬間俺の体が光る!




「はい!とりあえずこれでマサトは無属性適正と速読の加護を得ました!!」



「じゃあ第二ステップ!無属性の収納魔法を覚えましょう!無属性魔法は基本的に生まれつき持ってるもの以外使えないんだけどね。この書庫には人間に無属性魔法を覚えさせる本があるの!これ読んで!速読の加護でササっと読めるから」




俺は手渡された本を読む........あっという間だった。本の楽しみの一つである心を落ち着かせてその世界に入り込むなどの余裕すらなく読み終わる。人生の楽しみが奪われた。呪いじゃないか!




腹が立ったので収納魔法に強化魔法をかけてやろう!魔法に強化魔法を宿らせるイメージだ。


本は次々に棚へと収まっていくだが狙いはそこではない。収納魔法が強化されるとはどういうことだろう?規模であろうか?速度であろうか?否である。




収納魔法の強化、それは魔力が残る限り散らからないで収納され続けることである。俺は試しに本を手に取る。すると俺の意思とは関係なく強化魔法の腕力でも対応できない力で本棚に戻った。




「わっはは!ざまあみろ!俺から人生の楽しみを奪った罰だ!リンナには俺の掛けた強化収納魔法の効果が切れるまで本は読めない!!思いっきり強化魔法を掛けたから当分読めないぞ!あきらめて外に出るんだな!」



「あ、ああ、あああああーなんてことを私、私の本読めないあああ」



ふふ速読の加護なんて呪いをかけるからだ!



「魔法に強化魔法掛けるとか反則!!スキル貰えなかったからかわいそうだと思って加護与えたのに!そんなことできるなら加護いらないじゃん!返せ!!」




怒るリンナだが返せるなら返したいのはこっちのセリフだ!


返せるものならのしつけて返してやるところだよ!!

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