第3話 ならば修行だ!(修正済み)

「なん.....だと、ポイントはどこへ行った」



思わず膝を地面についた。レベルが1で魔法もスキルもないこんな状態で魔物のいる世界に転生なんてしたら即死間違いなしだ。即座に俺は土下座をした。



「アスタルテ様!お願いがあります。どうか話を聞いてください!」



恥も外聞も投げ捨てて祈る



「なによ、うっさいわねぇ」



大あくびしながら女神が降臨する



「転生ポイントが消滅しました!お願いです!もう一度ポイントをください!」



土下座を維持したまま必死に頼み込む



「え?なに?消滅ってなに?」



アスタルテは戸惑いながら本を開く、おそらくあの本に様々な情報が載っているのだろう。背表紙に神の本と書いてあるのが笑えるところだ。



「う〜ん、無理ね。貴方のポイントはしっかり消費されているわね」



無慈悲な事実を突きつけられたが諦めるわけにはいかない。俺の本気見せてやる!俺はうつ伏せなった。



「何してるの?」



若干引き気味にアスタルテは問う



「これは僕の住む世界の最上級の誠意を示す姿勢です。土下座の遥、上位に存在する誠意の示し方です!これをやると本気でキモちがられるので誰もしません!ここまでしているんです。何卒、何卒お願いします!」



既に女神はドン引きだ。そのまま俺の頭を踏みつける



「嘘つくな、私知ってんだからね。舐めてんだろ、おい、舐めてんだろ!馬鹿にしてんのかこのやろー」



馬鹿にされてると勘違いしたアスタルテは怒っていた。


当たり前か、俺もこんなことされたら怒るし



ポイントのふり直しが不可能だと察した俺は次の行動に出るため立ち上がる。


頭に足を乗せたままの女神を無視して.........



「痛った!」



思いっきりお尻を地面にぶつけて涙目の女神の前に立つ





「何すんのよ!もうポイント振ったなら早く下界に降りろ!」



だが断る!今下界なんて行ったら、死んでしまう。


ここで舐められるわけにはいかない、対等な取引とは対等な立場でのみ発生するのだ。威厳を示さなくては!



「おい、女神、俺はこのまま異世界になんていかないぞ。ポイントのふり直しが不可能なら修行させろ」



「おぉ、急に態度変わったなぁ。まぁ貴方には死なれちゃ困るし修行するのは良いけどどれくらい、いるつもりなの?」



「ふむ、そうだな。とりあえず魔法が使えるようになるまではいるつもりだ。魔法の神があるなら紹介してもらおうか」



「あんた、態度変わりすぎ、取り敢えず起こしてよ」




手を伸ばして起こしてもらおうとするアスタルテ



「断る!」



「な、何でよ!」




「俺はレベル1だ女神様を引き起こすなんて芸当できる訳ないだろ」




「私はそんなに重くない!、まじふざけてると不能にするぞ!この野郎」




ビクンと体が反応してしまった。ヤバイ調子に乗りすぎた。女神に対して偉そうに話しかけるのがちょっと楽しくなっていたのだ。




「それで?魔法を司る神とか居ないのか?」




「ハッ人間如きが使うものを神が使う訳ないでしょ私たちは神術を使うのよ。それを下等な人間レベルに使えるようにしたものが魔術よ」






先程までの俺の調子に乗った態度のせいで威厳を示そうと必死になっているアスタルテ、申し訳ないことをした。




「でもまぁどうしてもって言うならお願いされない事もないわよ?その代わり私の仕事のお手伝いをしてもらうけど、どう?」




「それで頼む」




もう敬語とか使う気にもならなかったのでタメ口で返答を返した。




「じゃあ早速手伝ってもらうわね!」




満面の笑みでそう言うアスタルテ、嫌な予感がする


何をさせられるのだろうか

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