第4話 連れて行かれたのは?(修正済み)
「さてと、貴方たちには神界の温泉のお掃除をしてもらいます。」
意気揚々としているアスタルテに連れてこられたのは
温泉の掃除ロッカー。ふと、目につくのは掃除当番表だ。神はかなりの人数がいるらしく1ローテーションするのに数十年はかかりそうだ。
そして今月の当番にはアスタルテと名前の記載があった。こいつ押し付ける気だな。
「まぁいい掃除をしたら魔法、教えてくれるんだろ? 嘘ついたら泣かせるからな」
「だ、大丈夫だって、ちゃんと約束は守るわよ。ほらまずは男湯の温泉からやって頂戴!2人でね!」
そういうと俺たち2人を残してどこかへ行った。
「ごめんな、ライラなんか付き合わせることになっちゃって」
「いいよ、全然!せっかくだから付き合うよ」
「ありがとうな、お礼はちゃんとするから。じゃあ取り敢えず温泉を封鎖して掃除始めようか」
「OK〜」
2人で温泉のタイルを磨く、20分程度掃除に励んでいると、がっはっはと言う豪快な笑い声が聞こえ始めた。おかしいな、ちゃんと温泉は封鎖したはずなんだけど
脱衣所から出てきたあの人が恐らくドワーフという種族なのであろう、酒をがぶ飲みしながら全裸で温泉に入ってきた。
ダメだ!あんな局部丸出しの神をライラに見せるわけには行かない、なんとしてもここで食い止める!
「あのー?すみません、ただいま温泉は掃除中でして申し訳ないのですが後で入り直していただけるとありがたいのですが」
俺は丁寧に機嫌を損ねないよう対応する
「なんじゃ!なんじゃ!なんでこんなところに人間がおる、ここは神界だぞ、人間は早く出ていけ!」
(だめだこいつ話聞かないやつだ)
「どうしたの?天霧君、豪快な笑い声が聞こえたけど誰か来たの?」
あのドワーフ神の笑い声を聞いてライラがこちらに来てしまった。ヤバイ、あんな汚いもの見せるわけにはいかない思わずライラを押し倒す。
「見ちゃだめだ!」
「きゃ.......」
ライラは押し倒した時に頭を打ったのか気絶してしまった。危ない、あのドワーフ神の汚れたアレを見せずに済んだ。ライラに対して少々罪悪感を感じながらもライラを守り切った達成感に俺は心を震わせていた
「お前本当に何してるんだ?ここで」
「あんたが丸出しでライラさんの近くに来るからだろ!掃除の看板立ててただろ!なんでここに来たんだ!」
ライラをお姫様抱っこしながら問う
「おぉ?そんな看板なかったぞ、お前何言ってるんだ?」
「え?いや立てたぞ間違いなく」
「立ってないから入ってきたんだが掃除をしていたのであれば悪いことをしたな。その娘にも謝っといてくれ」
素直にドワーフ神さんは温泉から出て行く、悪い人じゃなかったな。などと考えながらライラを横にするため温泉を出る。
確かに立てていたはずの看板はなぜか無くなっていた
ライラを横にして看板を探しているとアスタルテが来て無慈悲にこう告げてきた
「男神用の温泉終わったら次は女神の方もよろしくね」
「おい、待ってくれ、ライラがいないのに女神用の温泉なんて掃除してて誰か来たらどうするんだ!」
アスタルテは俺の話など全く聞かず鼻歌を歌いながらスキップで何処かへ行った。え、女神用?嫌な予感しかしない誰か助けて
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