🌸(旧版:2023.05.28)

クルージングは危機一髪？！

・メィはセキを夜のクルージングへと誘う。恵実の同伴はメィによって断られた。なんでもメィの自家用クルーザーは二人乗りであるという。またもやセキを取られてしまった状況に恵実は焦る。

宣｢クルーザーに乗りたいんですか？いいですよ｣

恵実｢ほんとに？！｣

宣｢せっかくですし大型船を借りてみなさんでパーティしましょう！｣

・とある夜の海辺、メィとセキを乗せた小さなクルーズ船が出航した。小型といっても運転席のすぐ後ろにあるデッキには小洒落たソファとテーブルが設けられており、開放感あふれる空間で快適に過ごせそうだ。

ｾｷ｢二人用にしては広すぎねぇか｣

ﾒｨ｢そうでしょうか？おほほほ…｣

・メィたちの後ろから近づいてくるボートの影。恵実の呼ぶ声にセキが振り向くと、恵実とリマ、シャル、ウメそして宣が屋上のデッキで手を振っていた。

ｾｷ｢テメェらも来てたのか！｣

宣｢はい！隣にいらっしゃるのはセキさんのお友だちですか？｣

ﾒｨ｢いいえ、わたくしはセキ様のフィアンセですわ♡｣

ｾｷ｢んなワケねーだろ！｣

恵実｢違うもん！｣

・二隻のクルーザーが並んで巡航する。しばらくするとメィの船の方から美味しそうな匂いが漂ってきた。

ﾒｨ｢うちのシェフ特製のディナーセットですの！メインディッシュは海の幸をふんだんに使ったアクアパッツァですわ！｣

・宣の船でも夕食の用意ができた。恵実たちは船上のバーベキューパーティを楽しむ。

恵実｢風が気持ちいいー！｣

ｼｬﾙ｢海の上でいただくお肉は格別ですぅ｣

ﾘﾏ｢うぅ、ピーマン苦手なのよね｣

ｳﾒ｢そう？美味しいけど｣

ﾘﾏ｢頑張って食べてみるわ…あれ？意外といける！｣

ｳﾒ｢みんなで楽しく食べると、苦手なものも美味しく感じる…｣

・ヤクザの家系であることから疎まれ、今まで友だちのいなかった宣。複数の友だちと一緒に食事をすることが宣は嬉しくてたまらない。宣は弾む気持ちで再びメィに話しかける。

宣｢そちらのクルージングは順調ですか？｣

ﾒｨ｢嫌がらせのつもりですの？！わたくしあなたのこと嫌いですわ！｣

宣｢えぇ…？｣

・にわかに轟いた音と強光。激しい揺れのせいで恵実たちは身動きが取れない。

ｼｬﾙ｢嵐が来ましたぁ？！｣

ｳﾒ｢いいえ、これは…花火？｣

・その頃海辺では黒緋組の若い衆と明家の召使たちがいがみ合っていた。互いの主を喜ばせるべく予定していた花火の場所取りでトラブルが発生したのである。わき立つ負の感情を憂は見逃さなかった。彼らにとり憑くことで成長したフロイデは花火玉と共に打ち上げられ、着水したそれらが波風を起こしていたのだ。

宣｢ったくアイツら！堅気の人とは争うなってあれほど！｣

恵実｢リマ、今すぐ変身できる？！｣

ﾘﾏ｢ムリよ！ボートの運転手さんに変身がバレちゃうわ！｣

・フロイデが甲板に落ちてくるのも時間の問題だ。クルーザーが混乱に陥っていく中宣は判断を下す。二隻の船を岸へ向かわせるようスタッフに指示したのだ。

恵実｢港に近づいたら危険なんじゃ…？｣

宣｢ここは俺に任せてください。部下の失態をカバーするのは上司の役目ですから｣

・もちろんスタッフにフロイデの姿は見えていない。宣は隠し持っていた拳銃を構え、空から降り注ぐフロイデを水面へ撃ち落として帰路を開く。

・宣の暗躍により二隻のクルーザーは無事着港した。恵実たちはフロイデを煙火筒に充填しているフロイデの怪物を目撃する。

恵実｢もうー！そんなことしちゃダメ！｣

ｾｷ｢変身だァ恵実！このクソ野郎をぶちのめすぞォ！｣

・怒りの感情でフロイデを倒した恵実たち。戦いを終えた恵実は宣のもとに駆け寄った。

恵実｢宣のおかげで助かったよ！｣

宣｢いえいえ。今度はメィさんやセキさんも誘いましょうね｣

恵実｢セキはもういいよ！メィと何処にでも行けばいいじゃない！ふん！｣

ｼｬﾙ｢と恵実ちゃんは言ってますけど、鵜呑みにしないでくださいね｣

恵実｢セキってば無神経すぎ！｣

宣｢えぇ…？｣