さようなら、無の女神?!

・フロイデの数は減少の一途をたどる。しかし無の女神はリマの奪還を急ぐどころか憂の行動を疑問視するようになる。『正しい自分』を維持するため無の女神は大量のフロイデを飲みこんだ。


無「ワタシは、一切の感情を否定すべき神。だから…迷うことも許されない…」



・無の女神を蝕むフロイデは、たとえうめの姿であっても全身に激痛をもたらす。うめの不審な動きに疑いを向ける恵実たちであったが、リマだけはうめの正体を認めようとしなかった。


セキ「うめを止めるぞ」

リマ「そんなのわからないじゃない!まだうめと無の女神が同一人物だって決まったわけじゃないわ!」

セキ「リマも見ただろ、うめの苦しむ様を。このまま見殺しにすんのかァ?」



・リマは外へ飛び出したその先で無の女神と鉢合わせする。まだ無実を信じ続けるリマに苛立ちを覚えた無の女神はベールを外しその素顔をあらわにする。


リマ「ウソよね?ねえアタシの目を見てよ、何か言ってよ、うめ、うめ、いやあぁぁ!!」



・絶望したリマは自らが生み出した黒い渦に取りこまれていく。黒い渦の正体は、かつてフロイデの発生源として利用されていた喜びのエネルギーが絶望に染まったものだった。耐えかねた無の女神は渦の中へと飛びこみ、恵実も二柱の後を追った。



🌸



・リマは黒い渦の中を漂っていた。恵実と無の女神は必死に呼びかけるもののリマが目を覚ます気配はない。


無「リマ、お願い…目を開けて…!リマ、リマぁ!」

恵実「落ち着いてうめ!感情的になる気持ちもわかるけど!」

無「…感情的?ワタシ、が?ワタシは一切の感情を否定すべき神」

恵実「ううん、だって涙を流しているじゃない。あなたはもう無の女神なんかじゃない。あたしたちの知ってるうめなんだよ」



・恵実は無の女神の心を肯定する。心を持つことを許された無の女神は、自らの抱く感情を理解していく。


無「つらい。かなしい。くるしい。リマがいないと、胸の引き締まる思いがする。…そうか。ワタシは貴女に恋をしているんだ」



・無の女神の黒いドレスは光に包まれ、リマたち神様見習いと同じ制服にチェンジした。無の女神は楽しみの神様見習いウメとして生まれ変わったのだ。


ウメ「この格好は…?」

恵実「ウメの気持ちが天界に届いたんだよ!」

ウメ「リマを、助けられる!」

「「みんな羽ばたけ!バタフライ・エンジェル!」」



・恵実が抱く希望のエネルギーにウメが力添えすることで恵実も新しいバトルコスチュームを身にまとう。新たな力によって黒い渦は消え去りリマは救出された。



🌸



・ウメの前世は『津田梅子』であった。彼女は神様の養成所である『プルチック学園』に入学する運命であったが、入学前に憂に囚われ洗脳されていたのだ。ウメの例に漏れず神様見習いには各々に前世があり入学時にその記憶を失っているという。



・ウメを含めた神様見習い四柱は、新たな任務として憂の本当の目的を探るよう天から言い渡される。一方の憂はフロイデを自在に生み出すことのできる倦みの魔女を仲間として招き入れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る