楽しむことは悪いこと?!
・エネルギー源であるリマを失った憂は、僅かに残ったエネルギーを使ってフロイデを生み出さざるを得ない。そこで無の女神は霊感の強い人間うめを装って恵実たちと接触しリマの奪還を目論む。
リマ「前髪が少し長すぎるんじゃない?」
うめ「…別に」
リマ「このヘアピンあげるわ!これでうめの前髪を分けてっと」
うめ「ちょっと、何する…」
リマ「やっぱり似合う!それにこんなキレイな顔、隠しちゃうなんて勿体ないわ!」
うめ「…?」
🌸
・今夜は桜が丘商店街の夏祭り。いつもの見慣れた光景とは一転、射的やくじ引き、わたあめなどの出店で賑わっていた。
メィ「恵実、金魚すくいで勝負ですわ!勝った方はこの縁日でセキ様を独り占めできますの~!」
恵実「よ、よし!頑張る!」
セキ「おいコラァまず本人の許可をとれェ」
・神様見習いたちも自由に露店を回る。ふいに一匹の蝶を目にしたリマは何気なくそれを追ってしまう。
リマ「あれ!うめじゃない!」
うめ「これは奇遇…一緒に、楽しもう」
・蝶の正体はうめの飛ばした使い魔だった。しかしそれを知る由もないリマはうめと行動を共にする。
うめ「りんごあめ…食べる?」
リマ「やったー!うめ優しいっ!」
うめ「…そんなことで喜ぶなんて」
リマ「アタシたち間接キスしちゃったわね!あははは!うめの顔もりんごみたい~!」
・次にリマとうめが訪れたのは風車の出店だ。光を反射しクルクル回る風車にリマはすっかり見惚れている。
リマ「キレイねー…」
うめ「ねえリマ。縁日って何が楽しい?子どもも大人もバカみたいに騒いで…はしたない。これなら、静かに過ごす方がマシ」
リマ「そうかしら?楽しいって感情に年齢は関係ないわ、いつでも楽しんだもん勝ちよ!」
・リマは微笑む。うめにはリマの思考が理解できない。
うめ「なぜそう思う?」
リマ「うーん。なぜって…じゃあうめは楽しくないの?」
・うめは今日の出来事をふり返る。道路沿いに並んだ屋台、手にした景品、リマの笑顔…楽しくないわけがなかった。自身に宿る感情に気づいた瞬間うめは激しい頭痛に苛まれる。
リマ「うめ!どこ行くの!」
無「…はあ…っ、感情なんて、くだらない…!」
リマ「見失っちゃったわ…って無の女神ッ?!うめをどこへやったの?!」
無「さあ…帰ろうリマ。貴女の力は、感情を滅ぼすためにある…」
・・フロイデによる攻撃を避けつつリマは歌を口ずさむ。その美しい旋律を耳にした人々は楽しくなって踊り出してしまうのだが、全てはリマの魔法によるものだ。そしてこの異様な光景は自分の居場所を仲間に知らせるには十二分であった。
恵実「リマ!こんな所にいた!」
リマ「変身するわよ!」
「「みんなと歌おう!コーラス・エンジェル!」」
・コーラス・エンジェルの活躍によりフロイデは退治できた。無の女神はリマを取り返せないまま撤退する。
憂「俺たちの目的はなんだ、無の女神?」
無「人々から感情をなくす。そのために、神様見習いを排除する…」
憂「分かっていればいい。くれぐれも変な気は起こすなよ」
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