一体何者なんですか!?


「はぁ〜お腹いっぱい…♪」


「すみません…奢ってもらっちゃって…」


ネイトさんは申し訳なさそうに言った。


「困った時はお互い様ですよ!

ところで、ネイトさんはどの程度の魔法までなら使えるんです?」


「………それが…基礎も苦手なんです…」


うんうん、非常によく分かります。


私は深く頷いた。


「僕の職業は人形使いなんですけど、魔力が少ないから人形も上手く動かなくて…」


「人形使い!子供たちに人気ですよね!

私の職業は見ての通り、魔法使いです。」


「…あの、メアリさんはどうしてギルドを追い出されたんですか?」


「私が所属していたギルドには、もう一人魔法使いが居たんです。

その子がそれはそれは優秀でして…。

リーダーに落ちこぼれ魔法使いの私は要らないって言われたんですよね〜。」


「酷い話ですね!どうしてギルドって自分勝手なリーダーが多いんですかね…!」


ネイトさんは私の話を聞いて、怒ってくれた。


私はそれが何だか嬉しかった。


「ありがとう、ネイトさん。

怒ってくれて。

今まで、私の話を聞いてくれるのはアリサさんくらいだったので。」


「あ…い、いえ!僕はただ…メアリさんが酷い目にあっていたのが許せなくて…」


ネイトさん…なんて優しい方なんでしょう…!!


私は感動してしまった。


「ネイトさんと同じギルドに入れたら、楽しいのになぁ……」


「へっ!?……ぼ、僕も…!

メアリさんと同じギルドに………」


「そこのお二人さん。」


「「はい?」」


ネイトさんのお話を遮り、見知らぬお婆さんが声をかけてきました。


「何か御用ですか?」


「ちょいとね。

そっちのお嬢ちゃんから特殊な魔力を感じるんだよ。」


お婆さんは私の方を見た。


「私…ですか?」


私はきょとんと首を傾げる。


「お嬢ちゃん、あんた魔法は使えるのかい?」


「いえ、それが全くダメで…。

周りの方は優秀なんですけどね〜。」


「…周り、ねぇ。

お兄さんや、試しに魔法を使ってごらん。」


「えっ?僕も魔法は得意じゃなくて…」


「簡単な魔法でいいよ。」


「は、はぁ……。

…人形よ、踊れ!」


ネイトさんは呪文を唱えると、人形が現れ踊り出した。


「あ、あれ……!?」


「すごーい!ネイトさん、ちゃんと魔法が使えるじゃないですか。」


「い、いえ…!いつもは本当に人形が動かないんです…!

どうなってるんだ…?」


ネイトは心底不思議そうにしている。


「……やっぱりね。

お嬢ちゃん、これはあんたの魔法のおかげだよ。」


「えっ?」


「あんたは、世界中探しても数人しか居ないと言われる『光の魔法使い』なんだ。」


「光の魔法使い?

そっか〜!私が光の魔法…使…い……………」


「「えぇぇえぇぇえぇぇ!?」」


私とネイトさんは、お婆さんの言葉にただただ驚くばかり。


このお婆さん、一体何者なんですかーーーー!?


続く

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