第7話 再会
私は冒険者ギルドを出て門の方へと向かった。そして、森に入って人気が無くなってからフライの魔法で森の奥へと進む。道中魔物の上を通り過ぎたが彼らは何もしてこない。そのまま目的の場所に到着した。
そこには20メートルを優に超え、肌は青く、目は睨んだだけで人を殺してしまうのではないかと言うほどの鋭い目付きをしたドラゴンがいた。
「久しぶり、ドラちゃん」
そう言うとドラゴンはこちらを見て先ほどまでの鋭い目付きから一変、涙目になりながらこちらを見てきた。
「・・・か、母様が生きていた」
その後号泣されてしまった。そう言う私も涙目であった。
この子はドラグニス、愛称はドラちゃん。母様とこの子は言うが私の実の子ではない。卵にいた時から親として育てきたため、そう呼んでいるだけである。断じて私が生んだわけではない!
それにしてもこんなに大きかったっけ?
「うわああああん。母様、母様。生きてた、生きてたよ~」
ドラちゃんが落ち着くまで少し時間がかかった。どうやら私が殺されたと聞いたらしいが信じ切れず、辺境の地で私が帰ってくるのを待ていたらしい。そして昨日、私の魔力を感じて急いで来たらしい。てか1日でここまで来たんだ。
「ドラちゃんも無事で良かったわ」
「うん、なんとか勇者達の魔の手から逃れ、傷が癒えてから母様の加勢に行こうとしたんですけど、着いたときには母様が敗れた後で。そういえば母様は今までどこに居たのですか?」
「勇者の最後の攻撃でずっと封印されてたの。それでずっと一人でさび・・・」
私はそこで言葉を止めた。それを言ってしまったら私の威厳に関わるもの。これは伏せておこう。
「ずっと一人でなんですか?」
「いいえ、何でも無いわ」
「あ!もしかして一人で寂しかったんですか?」
「うっ。そっそんなことないわ」
「そうなんですか?いつも一人で寝るのは寂しいでしょって言って一緒に寝たり、何かと理由をつけて一緒に遊ぼうとしてきたのでそうなのかなって思ったんですけど」
ばれてた。ちょーーー恥ずかしい!
は、話を変えよう。
「そ、そういえばこの魔物達は?」
「この者達は我が集めました!」
「なんで?」
「それは母様がまた世界を征服するため、急いで集めてきました」
そう言うドラちゃんは凄く落ち込んでる。どうしよう、ここで「私平和に生きることにしたから」って言ったら納得してくれるかな?してくれないよね~。どうしよう。
「早速魔物達には近くのカリントンという街を攻めるよう指示を出しています」
え?もう攻めてるの?止めないと!じゃないとまた封印されちゃうかも!でもどうやって。あ、そうだ!
「ちょっと待ちなさい」
「どうしました?母様」
「私は今大事な作戦をしている最中なの」
「大事な作戦?」
「私は勇者に負けたわ。そのため今度は街を攻めていくのではなく、内からどんどん征服していっていこうとしているの。そしてその始めの街がカリントン。そのために髪や目の色を変えているわ」
ちょっと無理があるけど
「なるほど、そうだったのですね」
納得された。ちょっと親として不安になってしまう。
「だからこの魔物達の進行を止めてほしいの」
「わかりました。ただ、野蛮なものも多く指示に従わないものもいるかと」
「それだったら私に任せて」
そして私はドラちゃんの背中に乗り、カリントンへと向かうことにした。その間、ドラちゃんの懐かしい感触を堪能した。
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