第6話 大群
私とレミーは今冒険者ギルドにいる。
「みんな、朝の鐘は聞いたと思うがどうやら魔物の群れがこの街に来ているようだ。」
そうギルドマスターのような人(一番顔が怖いから)が言うと周りがざわつく。
「昨日、近くの森でオークが出たらしくそれの調査をしたら魔物の群れが発見された。このままだとあと数時間後に街に到着する」
私はそこで疑問がわいた。なんでオーク如きで調査が行われたのだろう?ここらはモンスターの倉庫と呼ばれるほど魔物に溢れていた。確かに昨日は全然遭遇しなかったけど偶然だと思ってた。
私は隣にいるレミーに訪ねた。
「ここら辺ってオークは珍しいの?」
「はい。というよりD級以上のモンスターが出ることは魔王討伐から数回しかありませんでした」
みんな無事に逃げられたんだ。
「早速だがみんなにはそれらの迎撃をしてもらう」
その言葉にみんながざわつく。
「数はどのくらいなんだ」
「約二千だ」
なんだ二千か。私が率いてた時は二万以上いたけどな~。そう安心しているのは私だけだった。
「に、二千!?」
「まさかスタンピートなんじゃ」
「どうしよう」
みんなが騒いでいるとギルドマスターのような人が叫んだ。
「うるせえ!二千がどうした。お前らは冒険者だろ!そんぐらいで怖じ気づいてんじゃねえよ」
そう言うと冒険者のみんなが静かになった。さすが顔が怖いだけある。
それからの行動は早かった。それぞれの指示の元、装備を調えたり、アイテムの整理をしたりしていた。
そんな中私は隅に居座っていた。
「デイリーさんは何か準備しないんですか?」
「ん?私は特にいらないかな。レミーは?」
「私は後方支援なのであまり準備がいらないんです」
そう言うレミーの手は震えていた。
「心配しなくても大丈夫だよ」
昔は二千の魔物なんて騒ぐほどのことじゃなかったんだけどな。なんて考えていると懐かしい気配を感じた。
「ちょっと出てくる」
「え?どこ行くんですか?」
「知り合いに会ってくる」
そう言うと私は建物を出て門の方へと向かった。
〈レミーの視点〉
デイリーさんが嬉しそうな顔で建物を出て行った後、ギルドマスターのブライさんがみんなに声をかけた。
「お前ら心の準備はできたか!できた奴から門に向かうぞ」
緊張してきました。だけどここには親切にしてくれた人たちがたくさんいるから頑張らないと。マーカスさんに怖いなら隠れてていいぞって言われましたが、私も冒険者です。逃げるわけにも行きません。
そうこう考えている内に門へとたどり着きました。あと1時間くらいで来るそうです。頑張りましょう!
1時間後
魔物が姿を現しました。そして私たちの戦いが始まりました。前線では魔物の吠える声が響き、それに応えるかのように冒険者の皆さんも大声を上げて攻撃していきます。魔物や人の悲鳴が聞こえてきます。私は救護班なのでテントの中で怪我人が運び込まれるまですることがありません。なのでテントの中から戦況を伺ってみると空からドラゴンが降りてきました。
「う、嘘だろ・・・」
「なんでこんなところにドラゴンがいるんだよ」
「・・・もう終わりだ」
誰もが諦めた顔をしドラゴンを見つめていました。ドラゴンは上級冒険者が束になってやっと勝てるような相手です。皆さんが絶望するのも仕方ありません。しかし私はドラゴンよりもその背中にいる人に目がいっていました。
「で、デイリーさん?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます