第4話 変装
カランコロンとなる扉を潜ると、いろいろな商品が並べられている棚があった。
早速探してみるもなかなか見つからない。レミーは適当に店の中を見て回っている。そのまま探していると後ろから声をかけられた。
「お客さん、何かお探しかい?」
そこには60歳くらいのおばあちゃんがいた。少し警戒しているように見える。そりゃあフードを被った人が入ってきたら警戒されるか。
「ちょっと、髪染めを探しているの」
そう言うとおばあちゃんが少し考えた後、哀れな人を見る目で私をみてきた。
「そうかい、あんたも大変だね。でも頑張りな。こっちにあるからついてきな」
そう言って、おばあちゃんは奥の方の棚へと向かった。なんで応援されたのだろう?
ついて行くとそこには何種類かの髪染めがあった。悩んだ末、金色にすることにして、もう一つ欲しいものをついでに聞くことにした。
「目の色を変えれるようなものってあります?」
「あるよ」
そう言って、おばあちゃんは別の棚に行った。
おばあちゃんについて行くとそこはその一角から一つの商品を渡された。
「それが、目の色を変えることの出来るものだよ」
そう言って渡されたのは、液体が入った小さな瓶だった。商品名は「チェンジアイカラー」と書かれていた。何これ?飲めばいいの?使い方が分からず瓶と睨めっこをしているとおばあちゃんが説明してくれた。
「それは直接目にかけることで、目の色が変わるってものだよ。大体一日くらいなら持つはずさ」
なるほど。目にかけるだけで色が変わるようになるとは、1万年が立つといろいろ変わるんだなぁ。
会計を終えた私は、早速使用してみることにした。ついでに言うとお金は二人組の男からお願いして(脅して)貰った。
初めてのことで時間がかかってしまった。途中レミーが手伝おうかと提案したけど断って一人でやることにした。だって見られたらまず不味いもん。その結果1時間もかかってしまったが、自分でもうまく出来たと思っている。結果黒髪だったのが金髪に、黒目だったのが碧眼になった。
「お待たせ。やっと終わったわ」
そう言って、おばあちゃんとレミーの前に行く。しかし、2人とも目を見開いて驚いた顔をしている。
(えっ?まさか塗り残しが!?)
そう思って鏡をもう一度確認するが、とくに問題はなくそこらにいる人たちとあまり変わらない見た目をしていた。
不安に思ったがこのままというわけにもいかないので話しかけた。
「あ、あの~」
「・・・・・・はっ!す、すみません。つい見とれてしまいました」
レミーが慌ててそう言った。ひとまず、心配していたことにはなりそうにないので安心した。
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